ユネスコ2015勧告とICOMの新定義

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    ようやく『ユネスコと博物館』(雄山閣 2019)を読んだ。タイトルにあたる主要な部分を執筆された林氏は一般向けの商業出版には入りきらないユネスコの原典について、直リンクによる文献リストを作成されている。これはたいへんに助かることで、タイミングこそ異なるが2015年の勧告の作成過程が追体験できる仕組みになっている。なお、直リンクで示されたpdf文書などの多くはウェブページからリンクされている。まずはここを訪問するのがよろしい。

    Recommendation on the Protection and Promotion of Museums and Collections | United Nations Education

    http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/museums/recommendation-on-the-protection-and-promotion-of-museums-and-collections/

     

    本書のうち、ユネスコ2015年勧告については、2017年9月18日に京都国立博物館で開催されたワークショップ「2015ユネスコ勧告を読みと解く―今後の我が国の博物館像を考えるために」の林氏の講演を下敷きに書物としてまとめたものになる。当日は台風が心配されたり演者の1人が欠席されたりした。

    「2015ユネスコ博物館勧告を読み解く」参加報告

    http://unisan.jugem.jp/?eid=8


    ユネスコは国連の専門機関であり、各国政府が分担金を負担する国際機関である。国連は地球上のほとんどの国が加盟し、総会での議決は人口や経済力にかかわらず1国1票である。事務総長が欧米以外からも選ばれるなど、第三世界の存在感が大きい場である。本書では、ユネスコ2015年勧告もアフリカや南米、中国など非欧米諸国の意見によって相当程度に修正が加えられたことが詳しく述べられている。

     

    また、タイトルには無いが中身の半分はICOMと日本の博物館業界、そして京都大会の招致の内幕だった。ここを担当された栗原氏の記述は数字や名称が多数記され、直接の典拠は示されていないが参考文献を合わせれば相当の確度で事実を追及することが可能な資料性の高い書き方になってありがたい。

     

    他方、ICOMはNGOである。会員の構成はヨーロッパが過半を占め、そのなかにはオランダのように人口に較べ会員数が飛び抜けて多い国もある(下表参照)。議決権は国内委員会と国際委員会の役員だけが持ち、当然ながら役員の出身地は欧州が多い。そしてその補正はおこなわれない。このような評決の前提条件が不平等な国際機関など存在できないだろう。ICOMは出自も現在もヨーロッパが中心の組織であり、ICOMのいう国際とは西欧諸国間の付き合いという認識でいるような気がしてならない。新定義の議論で設定された8つの指針そのものがヨーロッパの歴史を下敷きにした問題意識である。とりわけ北西ヨーロッパが中心、別の言い方をすれば英米を含む性を持たないゲルマン語諸国の価値観、先導者意識が見られるように思う。

     

    ICOMは博物館の新定義を議論する前に、代議員の平等性や代表制を再確認する必要がある。日本委員会として、意見表出してみてはどうだろうか。

     

    ICOMの会員数(京都大会総会資料 ADVISORY COUNCIL MEETING 85th and 86th SESSIONS より)

    総数の年次変化

     2015     2016     2017      2018

    30,624    37,140    40,860    44,686

     

    2018年の地域別会員数(カッコ内は%)

     地域       国数        総会員数     うち個人会員     うち機関会員

    アフリカ     22 (15.9)       385 (0.9)      375 (0.9)       10 (0.3)

    中南米      24 (17.4)      1,807 (4.0)     1,606 (3.9)      201 (6.7)

    北米        2 (1.4)       2,899 (6.5)     2,800 (6.7)        99 (3.3)

    アラブ諸国    16 (11.6)       301 (0.7)      279 (0.7)        22 (0.7) 

    アジア太平洋 25 (18.1)       2,141 (4.8)     1,874 (4.5)      267 (8.9)

    欧州     49 (35.5)     37,153 (83.1)    34,743 (83.4)   2,410 (80.1)

     

     

     

    2018年の総会員数上位国と主要国の状況

     国名    総会員数  うち個人会員  うち機関会員

    ドイツ          6,101     5,864     237

    フランス         4,845     4,418     427

    オランダ         4,614     4,538       76

    イタリア         2,250     2,092     158

    イギリス         1,949     1,887     162

    オーストリア     1,911     1,820     91

    デンマーク        1,688     1,625     63

    スイス          1,687     1,626     61

    ベルギー         1,452     1,347     105 

    スペイン         1,197      926     271

    ロシア           958      836    122

    スウェーデン        954      835    119

    アメリカ         2,028      1,963      65

    カナダ           871      837      34

    オーストラリア     596      564      32

    中国            293      216      77

    北朝鮮             1        0      1

    韓国              89        54      35

    台湾              43        20      23

    日本            402      362      40


    ICOMの新しい博物館の定義に向けた議論:定義の変遷と新定義の指針

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      1.ICOM博物館定義と変遷

       

      ICOMの博物館の新定義が京都大会では採択の延期を決めたのは、あまりにも変更の度合いが大きく、事前の意見交換の期間では対立する溝を埋めることがことによる。これについて見てみたい。

       

      現在のICOMの博物館定義は2007年のウイーン大会で採択された。ICOM規約の第3条第1項である。

      2017_ICOM_Statutes

      https://icom.museum/wp-content/uploads/2018/07/2017_ICOM_Statutes_EN.pdf

      ICOM規約(2017年6月改訂版)

      https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/pdf/ICOM_regulations.pdf

       

      直前の2001年の定義からの変更点は無形 intangbile 遺産が追記されたこと。それ以前には有形も無形もともに言及されていない。規約の変遷はイコムのアーカイブサイトで追跡が可能で、最初の定義は1946年の創立時から存在し、最初は設立書、1951年以降は規約の条文となっている。定義については下のページで1946年版から2007年版まで確認できる。

      Development of the Museum Definition according to ICOM Statutes (1946 - 2001)

      http://archives.icom.museum/hist_def_eng.html

       

      上記サイトに見える博物館の定義は、簡潔な1946年版の定義を充実させる形で何度も改訂されててきた。いわばマイナーチェンジである。最初の1946年定義は簡潔に過ぎるが一般公開された資料 collections to the public という言葉があり、1951年に恒久的 permanent という言葉が出現し、1961年は恒久的な機関 permanet institution とされ教育 education という言葉が加わり、1974年には非営利 non-profit と明記された。博物館の広がりや資料の有無については、当初から芸術、技術、科学、歴史、考古、そして動物園と植物園が含まれ、水族館は1951年に明記された。歴史的記念物や歴史公園、自然記念物や保護区は1961年、科学館とプラネタリウムは1974年に追記されている。条文の内容や博物館の広がりから、1974年版が現在に至る博物館定義の原型といえる。その後は博物館と見なす施設を具体的に言及して広がる改訂が1989、1995、2001年の3回おこなわている。現状の2007年の定義では無形遺産を含むと明記する一方、対象施設を示す第2項について具体的な施設一般名称を記載することをやめ、執行役員会が決めた機関としている。

       

      2.新定義の内容

       

      フルモデルチェンジとなった新定義(正確には案であるが煩雑なので省略)は、現定義とともにウェブサイトに示されている。現在、ICOMのウェブサイトで定義を探すとこのページが示されるようになっている。現状の定義だけ取り上げて示したページは見当たらない。それだけ新定義を訴えたいということか。

      Museum Definition - ICOM

      https://icom.museum/en/standards-guidelines/museum-definition/

       

      日本語訳については、ICOM日本委員会から訳文は示されず、私訳が複数提案されているが、それらは後に紹介するオリジナルサイトで見ていただくこととして、ここではすでに削除された国立国会図書館の和訳を原文とともに紹介しておく。

       

      博物館は、過去と未来に関する批判的な対話のための民主的で包摂的で多声な空間である。現在の紛争や課題を認め対処するために、博物館は、社会のために委託されて人工物や標本を保有し、未来の世代のために多様な記憶を守り、すべての人々に遺産に対する平等な権利とアクセスを保証する。

      (Museums are democratising, inclusive and polyphonic spaces for critical dialogue about the pasts and the futures. Acknowledging and addressing the conflicts and challenges of the present, they hold artefacts and specimens in trust for society, safeguard diverse memories for future generations and guarantee equal rights and equal access to heritage for all people.)

       

      博物館は営利を目的としていない。博物館は、参加型で透明性があり、人間の尊厳、社会正義、世界的平等や幸福に貢献することを目的に、収集・保存・研究・解説・展示を行い、世界への理解を高めるため、多様なコミュニティーと、コミュニティーのために積極的に連携する。

      (Museums are not for profit. They are participatory and transparent, and work in active partnership with and for diverse communities to collect, preserve, research, interpret, exhibit, and enhance understandings of the world, aiming to contribute to human dignity and social justice, global equality and planetary wellbeing.)

       

      ICOM announces the alternative museum definition that will be subject to a vote(ICOM,2019/7/25)

      https://icom.museum/en/news/icom-announces-the-alternative-museum-definition-that-will-be-subject-to-a-vote/

       

      国際博物館会議(ICOM)、規約に含まれる博物館の定義の新たな案を発表:2019年9月に京都で開催される臨時理事会で採決へ Posted 2019年8月1日 カレントアウェアネス

      https://current.ndl.go.jp/node/38705

      *リンクは現在のページで和訳は削除されている。ちなみに末尾のリンクもカレントウェアネスに掲載のもの。さすがである

       

      3.新定義の議論

       

      京都大会から半年が経過し、新定義については不十分ながら多くの議論や評価がなされてきた。ここでは2つのウェブ読み物を紹介しておく。両者ともに新定義の私訳の他に定義やその議論を巡る事実提示や考察が示されており、たいへん勉強になる。このふたつを読めば、新定義をめぐる大まかな状況は把握できる。

      「ICOM博物館定義の再考」が示すもの─第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019 芦田彩葵

      https://artscape.jp/report/topics/10157593_4278.html

      ICOM(国際博物館会議)の意義とは何か? いま、あらためて京都大会を振り返る 青木加苗

      https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21339

       

      さて、新定義の議論の出発点は、ICOMの特別委員会 MDPP (ICOM Standing Committee on Museum Definition, Prospects and Potentials:博物館の定義、見通しと可能性に関する委員会)が2018年12月に提出した報告書である。もちろん特別委員会の編成前から議論はされていたのだろうが、一般の会員が議論に参加可能となったのはこの時点であり、議論の道筋が示されたのがMDPP報告書であった。

      MDPP-report-and-recommendations

      https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MDPPteigeneiyaku.pdf

      MDPP「提言と報告」仮訳

      https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MDPPteigenwayaku.pdf

       

      MDPPの報告書は長文で要点がつかみにくいが、アクソイ議長の2020年1月19日の手紙でも言及された8つの指針 criteria を中心に考えるのだろう。ICOM日本委員会の和訳(MDPP「提言と報告」仮訳)では次のとおり。原文には無いが、引用するにあたり番号を付した。

       

      1 「博物館の定義」では、博物館の目的と価値が明確に定義されるべきであり、その目的と価値は、博物館が常に未来へ向け、持続可能で、かつ倫理、政治、社会、文化上の課題と責任を成就するべきものである

      2 「博物館の定義」では、仮に現行の用語が今後変化する場合でも、博物館に特有で本質的な共通の機能である、収集、保管、記録、研究、展示及びコレクションやその他の文化的遺産を通したコミュニケーション等の機能を維持すべきである

      3 「博物館の定義」は、現実社会の緊急性および持続可能な解決策の開発と実施という責務を含むべきである

      4 「博物館の定義」では、博物館が世界規模で活動を行う際に、多様な世界観や慣習等に敬意と配慮を持つべきとの認識が必要である

      5 「博物館の定義」では、地球規模、国内、地域、地方レベルでの権力と富に関わる、根深い社会の不平等や非対称という存在を、危惧の念を持って認識されるべきである

      6 「博物館の定義」では、それぞれの博物館が所属するコミュニティとの関係において、博物館が、協調、共有されたコミットメント、責任と権限を有する、専門的な役割を果たしているという統一的な見解を表明すべきである

      7 「博物館の定義」では、博物館が有意義な人々の集まる場であり、学習や交流のためのオープンで多様なプラットフォームであるというコミットメントを表明すべきである

      8 「博物館の定義」では、物質、財務、社会、知的リソースの取得と活用にあたっては、博物館がその説明責任と透明性を明確にすべきである

       

      アクソイ議長の2020年1月19日の手紙

      https://icom.museum/wp-content/uploads/2020/02/Museum-definition_the-way-forward_EN.pdf

       

      4.以下は私見

       

      8つの指針はいずれも結構な内容であるが、現実の博物館は自由と民主主義とセットで存在するわけではない。独裁国家や西欧的価値観を比定する国家の博物館はどうなるのか、新定義が採択されれば行政からの支援が止まる事態も考えられる。新定義への指示と保留ないし反対の態度はそこを想定したものだ。

       

      日本の場合、登録博物館は社会教育法の特別法たる博物館法で規定されており、初めから新定義の博物館と親和的と考える。つまり公立博物館や多くの博物館では多かれ少なかれ新定義の目指す博物館が先取りして実践している。そして大規模館や県立館では新定義は今後の活動目標としてふさわしい。

       

      他方、博物館は自由であり近代以前から存在する。朴訥と資料の保存に専念する博物館があってもよい。ICOMの定義など無視すればよいだけだ。

       

      心配するのは私立の博物館である。新定義に照らした場合、京都の有鄰館などはどう評価されるのか。これ以外にも個人コレクションが一部公開されたような博物館があるだろう。それらは権威ある国際的な基準からは博物館と見なされなくなるのか。そういったコレクションはユネスコの勧告に委ねるのだろうか。その勧告が対象とするコレクションはパブリックコレクションに限らない。

      有鄰館

      http://www.yurinkan-museum.jp

      ミュージアムとコレクションの保存活用等に関するUNESCO勧告

      https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/UNESCO_RECOMMENDATION_JPN.pdf

      「2015ユネスコ博物館勧告を読み解く」参加報告|網走日記帳

      http://unisan.jugem.jp/?eid=8

       

      博物館には名称独占制度がないので、博物館は誰が名乗ろうと自由である。罰則もない。そのために登録制度で模範となる博物館を具体的に示し、金銭的な支援の対象を規定してきた。しかし、制度上の制約から現時点では評価の高い博物館でも登録博物館になれないケースがいくらでもある。災害などで支援が必要となったとき、現在のICOMの定義であれば、たとえ登録館でなくともICOMの規約に照らして十分に博物館と認定できるという線引きに使える。新定義の導入は、博物館から外れたり、降りてしまう博物館が出てくるのではないかと危惧する。

       

      うがって見れば、新定義はあまりにも北西ヨーロッパの視点が強すぎる。さらに言えばスキーのジャンプの基準変更のようにも見える。東の国々が追いついてくると基準を変更する。それは基準変更によって異なる方法を発達させ別の主役を登場させるという積極的な意味がある一方、常に自分たちが世界の最先端に立ち続けるというゴールポストの恣意的移動ではないか。これが言い過ぎであれば、変化の速度は地球の各地で異なっており、21世紀になって移民の流入などで変化が激しい地域もあるだろうが、ゆっくりと時を過ごした場所もある。それら時の流れの違いを無視した突然の定義変更は無理がある。

       

      ICOMの博物館定義は2007年版のマイナーチェンジにとどめ、新定義については現時点の使命として使える国では用いていく、そんな落しどころではないだろうか。


      ICOMの新しい博物館の定義に向けた議論:4月末までに集約が必要

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        JUGEMテーマ:博物館

        昨年9月のICOM京都大会では博物館の新定義が議論された。おおかたの予想どおり結果は採決の先送りであった。その後はどうなったのか。新型コロナウイルス COVID-2019 の影響でICOM関連のイベントが次々に中止となったが、いずれも京都大会の記念集会や振り返りであり、明確な目的が示されていなかった。今するべきは意見表出や議論である。じつは、昨年末から年始にかけICOMは新定義に向けての議論の手順を期限を示していた。

         

        ICOM英国委員会は、ICOM執行役員会が2019年12月9日に合意した事項として次のことを伝えている。

        ・MDPP(ICOM Standing Committee on Museum Definition, Prospects and Potentials:博物館の定義、見通しと可能性に関する委員会)が継続して博物館定義の議論進展に努めることを支持する

        ・上記の委員会をこれまでの委員会と区別してMDPP2と呼ぶことを提案する

        ・MDPP2には会員からより多くの代理人を補充する

        ・この重要な仕事を次の段階に進める期間を2020–2022年の3年間と設定する

        ・MDPP2の仕事を進展させる指針 parameters を確立する

        ICOM new museum definition – update on the next steps

        https://uk.icom.museum/icom-new-museum-definition-update-on-the-next-steps/

         

        執行役員会の結果は、2020年1月19日付けICOMのアクソイ議長から国内委員会と国際委員会の執行部に宛てた手紙で通知された。

        ・MDPP2が設置され、国内委員会と国際委員会からの代理人が追加される

        ・各委員会で議論を始めるよう、この手紙をもって依頼する

        ・ICOM役員会は、その議論はボトムアップモデルとして役員会を超え各委員会のすべてのメンバーが参加すると決めた

        ・国内委員会と国際委員会では役員に限定せず、すべてのメンバーで議論することを期待する

        ・リアルでもオンラインでも規模を問わず議論をする、メンバーから調査 surveys をする

        そしてこれらの作業を前提に

        ・各委員会の結果は今年2020年6月10–12日のICOM年次会議での博物館定義の議論に情報提供される

        ・各委員会の議論や情報は4月30日までにMDPP2に送ってほしい

        ・今年の年次会議は臨時総会や採択はなく、それらはICOM設立75周年となる2021年6月を予定する

        Museum definition - the way forward

        https://icom.museum/wp-content/uploads/2020/02/Museum-definition_the-way-forward_EN.pdf

         

        つまり、これから1か月の間は、ICOMの各委員会は会議を開き意見集約をおこない、4月30日までにMDPP2にその結果を通知する、そういう期間なのである。ICOMの会員は国際委員会(分科会)に所属していなくとも自動的に日本委員会のメンバーであるので、日本での意見集約はICOM日本委員会が主導的に進めるのが筋である。それが国内委員会の役員や事務局の責務である。

         

        この情報はICOM日本委員会のウェブサイトでは見えない。コロナウイルスではワシントンポストが出した日本語の記事が話題だが、本件も同様である。知るべき情報を他国のICOM国内委員会から知る状態は情けない。ICOMの事務局に予算と人員を投入することが急務である。何か良い方法はないものか。

         

        しびれを切らした人たちがフェイスブックページを立ち上げたが、議論は低調である。コロナのおかげて時間はあるが集会は不可。オンラインの議論には絶好の機会である。「さあ議論しましょう」というとどうしても特定の人が発言して他は黙る、とくに出遅れたと感じると沈黙してしまう。建設的な意見交換をするはずが、個人の主張の開陳、自画自賛の場となるなど。本旨から外れるが、超基本的なところの質問回答の場としても使って良いと思う。

        ICOM「ミュージアムの定義改正」についての意見交換グループ

        https://www.facebook.com/groups/544422873094972/

         

        またICOM特有の問題として、ICOMは誰のものか、誰が主役なのかという疑問がある。ひとつは、公用語が仏英西であるため言葉の問題で情報アクセスに差がでること。2つめに発言者の多くが教育担当や博物館学の専門家で研究者が少ないこと。3つめとして、ICOMそのものが文化財や美術品が主体で自然史系が少ない、つまり人間が作ったものが主流で神さまが作ったものに疎い。4つめ、大規模館、国立館、県立館では議論が現実に仕事に関連しそうに思えるが、小規模館、とりわけ地方公立館ではまったく無関係に思えること。

         

        最後の問題が最大の課題に思う。小規模館でも私立の場合、まわりに相談する人が居ない状態でICOMで救われたという話を聞く。設置者が博物館に不慣れなため、ICOMのメンバーが直接に手本や助言者となり、場合によっては標準仕様となるのだろう。ところが公立館の場合、博物館に不慣れ無理解であっても公務員や地方公共団体という標準仕様が存在し、たとえそのローカルな理解が独自研究であっても独善的にそれが適用される。博物館の世界では尊重すべきICOM基準など市町村の前では無力となる。工場(学校でも教室でも家族でも可)のなかでは憲法が停止されるのと同様の状況が現実にある。これを変えていくことが必要で、ICOM新定義よりも目の前の問題が重大なのである。これがICOM新定義の議論とリンクするとよいのだ。まずは名付けからだ。


        ベトナム2020ハノイとハイフォン

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          JUGEMテーマ:ベトナム

           

          2020年2月25-29日にベトナムに行ってきた。

           

          初めてのベトナムの旅行を終え、久々に興奮している。おもしろい、おいしい、興味深い。片言の現地語、ありがとうとか数字を口にするだけで強面の若おじさんがニカーッとしたり、つっけんどんのお姉さんが微笑む。訪れた場所はハノイとハイフォンの2か所。ハイフォンは仕事で短時間の滞在だったので、以下ほぼハノイの情報と経験です。

          建物と町並み

          ハノイの街、政府系の建物は大きく立派。旧市街も郊外も石造りやそれを模したコンクリート製のちいさな建物がひしめき合っている。ガイドの兄さんによると税金対策で間口が狭い作りになっているとか。2間から3間くらいなのに高さは4−5階。バルコニーも着いている。新しい建物も古い様式に則って作っているよう。郊外の住宅も同様の様式。屋根が赤瓦のような色がほとんど。緑のなか、樹木森林は少ないが田畑のなかに彩りが楽しい。焼き物で有名なバッチャン村の建物もにぎにぎしい。それに較べると関空の帰り道バスから眺める灰色の景色はほんとう寒々しいというか、げんなりする。

          いろいろな宗教や信仰の施設があるが、仏教寺院は六色仏旗を掲げているのでわかる。ハノイの郊外東方にある Vin University はスターリン様式の上だけという外観。2018年に着工、2020年から入学開始というのでオリジナルのデザインというべきか。

          Vin University https://vinuni.edu.vn

           

          ホテル

          今回の旅行はHISのツアー「初夢フェア第2弾ベトジェットエア利用!自由自在ハノイスーペリアクラスホテル(部屋指定なし)に滞在」でホテルはおまかせだった。あてがわれてのは旧市街の北端にあるモンリージェンシー Mon Regency Hotel だった。口コミの評価はいろいろだが、まあまあよかったと思う。

          部屋もベッドも広くてきれい。冷蔵庫、湯沸かし、テレビ、WiFiがある。冷蔵庫の飲み物は有料、上にある水ペットボトルは無料。口コミどおり水回りはいまいちで、洗面台の栓の上下が渋かった。大通りに面して騒音がひどいが夜はおさまる。問題は近くの広場でおこなわれる太極拳?か何かの集まりで、早朝からマイクで数を数える声が響く。これも目覚まし代わりのベトナム語のヒアリングと思えば悪くは無い。WiFiが遅いのが難点か。

          立地は抜群で、とくにリムジンの乗り場に近いのがありがたい。

          公式サイト http://www.monregencyhotel.com/en/home.htm

          日本語サイト http://mon-regency.hotels-in-hanoi.net/ja/#main

           

          クレジットカード

          クレジットカードはほとんど使えない。使えたのは全国チェーンのコンビニ VietMart と Highlands Coffee、外国人向けのレストラン、日本人相手の蓮茶の販売店、村の観光客向けの瀬戸物店。セブンイレブンやショッピングモールでは使えるが、商店街では使えないという少し前の日本とおなじ状況。異なるのは交通機関でカードが使えないこと。実際に経験したのは鉄道駅とリムジン。

           

          キャッシング

          ATMでのキャッシングは3回それぞれ別の銀行のものを試したが、結局できなかった。最初の Ocean Bank の機械は少し古くてカードが戻ってこないのではとやや不安になりながら手続き。カードを挿入、ピン入力後に画面が暗転して反応せずタイムオーバー。店舗の前の機械だったので警備員に身振りで示すと、店に入れというがATMを試したかったのでパス。2台目 Vietcombank は反応して手続きは進んだ。しかしレシートを要求すると紙がないとアラートが出たので手続きを中断した。3台目はHSBC(香港上海銀行の後身)で建物のなかにあるマシンは見たことがないような格好いいもの。順調に進んで500,000ドンをキャッシング+手数料50,000ドンとのレシートも印字されたのにお金が出てこない。警備の人に言うと奥のカウンターに行けと手振り、カウンターではさらに奥の窓口へと案内される。男性の係員は外国で発行されたカードだから出来ないのだろうと言って、レシートをコピーして返金すると返してくれた。確認書がほしいと言うとそれはできない、レシートはVISAカードのものだからという理由らしい。もう信用するしかない、あるいはそもそもキャッシングされていないのかも知れない。と、思っていたら今日 2020-3-17 になってキャッシングのお知らせが配達された。無事返金されるのか。

           

          両替

          ということで空港で換金した40ドルでは足りず、最終日にキャッシングを試みるもできずハノイ駅から北上して線路を越えた右側にある Vietinbank で20ドルを換金した。見せに入るとずらっと並んだカウンターの行員(みんな女性)に較べ客がまばら、手空きの人が手招きしてくれドル札を見せる。すると反対側の窓口に行けというので、行ってみると管理職っぽい男性が出てきて対応、電卓をたたいて数字を見せて確認後にベトナムドンの札をくれた。空港の両替窓口ほどスピーディーではないが、さほど待たずに交換できた。銀行の窓口での換金は書類なし、身分証不要、レシートもなし、言葉も不要だった。

           

          現地旅行社

          今回の旅行はHISのフリープラン。現地の運営は SKYhub という会社で独自製作の地図の付いた小冊子とクーポンのついたプリントをくれた。せっかくなので乗ってやろうと最終日はビール1杯無料で料理の種類が多くて22ドルというRiuLiuというレストランに行くが店員はクーポンを知らず使えなかった。気の毒に思ったのか、会計は10%値引きしてくれた。後から SKYhub に聞いたところ、あらかじめ同社に申し込みが必要とのこと。クーポンや小冊子に書いてくださいと頼んだ。

           

          街の構造

          高級地区

          ハノイ駅の東側は少し高級地区らしい。歩いた範囲では北側、Phan Boi Chau 通りの Hai Ba Trungから Ly Thurong Kiet の間は高級洋酒店が何軒かあり、MUFG(三菱UFJ銀行)が入る Pacific Place の向かい(北側)には高級カフェがあり、昼休み後半だったので日本人とおぼしきお姉さんもお茶していた。ヒマワリの種を食べている人が目立った。

          韓国街

          街の西側にロッテホテルや大宇(デーうー)ホテルが建つ地域は、工事の囲いにもハングルが書かれて韓国の都会のようになっている。経済的な存在感は大きいし、街の一角が韓国のコピーだ。コリアタウンではなく、現代の韓国の都市の複写。

          ベトナムの大規模開発には日本のODAが相当入っていて、羽田空港の第3ターミナル(旧称:国際線ターミナル)、ハイフォン?の長大橋などがそれにあたる。バイクもほとんどが日本のブランド。それにも関わらず、ハノイの街に日本の姿は見えない。あえて国の姿を示さなくとも、企業レベルでベトナム国民に浸透しているということか。日本におけるアメリカの姿のように。

          ペット屋

          見かけたペット屋は小鳥と魚。観賞魚店はホテルの近くに5軒集まっている存在。熱帯魚より金魚の方が多い感じで、全体的にも赤い魚が優勢だった。チラ見だったので詳しいことはわからない。

           

          動物

          動物がほとんど居ない印象。哺乳類の姿はタンロン遺跡でリスを1回、どこかで夕方にコウモリを1回見ただけ。コウモリなど大阪の郊外より少ない。鳥も少ない。鳴き声が聞こえたのはハノイ市街ではタンロン遺跡と中心部の聖ヨゼフ大聖堂の南にある庭園 Vườn Hoa Hàng Trống (フラワーガーデン)だけ。庭園の方が多く少なくとも4種類さえずりが聞こえてほっとする。ついでにアフリカマイマイの殻を見つけぞっとする。ハノイに虫もほとんどいない。蚊には1回も刺されず姿も見ない。アリも旧王宮で1回だけ。日本だと街中の植え込みでも普通なのに。それとも日本の印象が数十年前の札幌や京都で、現在の大阪や東京では違っているのだろうか。それからハエがいない。ちいさめのを1−2回見ただけ。あれだけたくさんの飲食店があるのに感心する。ゴミの回収を徹底しているのだろう。

           

          自動車

          自動車は韓国勢が優勢、バスはヒュンダイが席巻。初めてインドのタタモータースの車を見た。1トン位の小型トラック。ハノイとハイフォンの間にいすゞ自動車の工場があり、ハノイの町中のゴミ収集車はいすゞ製だった。もはや乗用車を製造していないのでブランドイメージを傷つけることもなく事業用車両に専念できる。韓国勢というと市街地の西方にはロッテセンターや大宇ホテルなどが集中する場所があり、そこだけ韓国ぽい景色になっている。ハングルを記した観光バスもあり韓国の存在感はある。比較して日本の影は薄い。

           

          WiFi

          情報どおりハノイのネット通信環境は良好。公共施設ではどこでも使える。鉄道も列車には装備がないが、駅では使える。ホーチミン廟前の広場、その東の官庁街の歩道上でもWiFiが飛んでいる。リムジンや旅行会社の送迎バスでも使えて結構早い。

           

          ベトナム語

          予習に使ったのはスカイプ教室とYouTube。スカイプはVVレッスンとカフェトークを1回づつ。日本語を学ぶハノイの学生が講師というVVレッスンは日本語もたどたどしく素人丸出しという感じ。発音のコツとか、自分の発音への評価など初心者が知りたいことがうまく伝えられない様子。ベトナム語がある程度でき、現地の人と貝輪を楽しみたいという上級者向けでしょう。カフェトークの Gyoku 先生は日本語も流暢で発音への指摘も的確、講師の画面を共有して教えるなどスカイプも使いこなし、質問にも丁寧に答えてくれて、たいへんよかった。

          YouTubeでは、ベバさん BEBA VIETNAM language! 、それからカフェトークの先生がタンポポ Tanpopo Vietnamese という名前で公開してる手作り感満載のビデオがていねい。カフェトークと併用すると効果的かも知れない。おもしろかったのが英語/ベトナム語の Vierglish Fun の Vietnamese Numbers というビデオ。現地の30歳代の知り合が大笑いしていた。

          BEBA VIETNAM language! https://www.youtube.com/channel/UCXPj5m7FgFILM_KND371_BQ

          Tanpopo Vietnamese https://www.youtube.com/channel/UCee4aT2qPP6Q-4Pt19uEvVg

          Vietglish Fun https://www.youtube.com/channel/UC7mu94v1zFZU8pgNX13dHsQ

           

          YouTubeのベトナム語番組が伝えるとおり、挨拶は二人称を付けたものがよい。というか、効果絶大である。自分は50歳を過ぎているので、たいていの相手は年下となるので使うのは男女共用の em だけ。そこで、たとえ年下でも敬意を表して年上向けの二人称を使うこともあるというので、使ってみた。すると強面のホテルの若おじさんに「ありがとう Cảm ơn anh」と言うと、照れたような笑顔で返してくれた。ただし、これが効果的なのは男性のみ。日本語でいろいろ教えてくれた年下の女性(といっても若くはない)に Cảm ơn chị 使ったところ微妙な空気が流れ、em と言い直したら緊張がほぐれて互いに顔を見合わせ笑い合うという感じだった。ここらへんは日本とおなじ。

          それから数字も使ってみる価値がある。外国人も多い食堂で forty と言われて食事を頼み、金額を知っているのにわざわざベトナム語で bốn mươi と確かめるとつっけんどんだったお姉さんが、可愛く微笑みをくれる。

           

          観光対応

          ハノイの旧市街には英語や外国語の案内看板はほとんど存在しない。ベトナム語の表記はアルファベットなので、ほとんどの外国人にとってタイや韓国のように右も左もわからないという状況には至らない。けれども英語の案内が無いというか、そもそも観光用の地図や案内板がほぼ存在しない。日本の地方で見られるような「地方を売り込む」ような姿勢は見られないのは誇り高く良いことだが、訪問者にとっては相当不便。

          バイクの車列には圧倒されるが、川のように流れる理由は信号が少ないことによる。無秩序に走っているわけではなく、また速度も時速30kmほどなので渋滞していても車両がコントロールできている。バイクの大河を横断する心得としては、ゆっくり歩くこと。横断中に目の前をバイクが抜けていくのを許すことに思える。自分が先に渡ろうとして小走りですり抜けるような動きは秩序を乱してかえって危ない。もちろん車列が切れるタイミングで渡り始めるのであるが。それから信号が右折はいつでも可能であったり、方向別に変わったりと時差信号のような動きも把握することも必要です。

          リムジン

          リムジンと称しているが、ミニバンを用いた行き先固定の乗り合いタクシー。使ったのは大手バス会社 Hoang Long Bus が運行しているハイフォン行き。ここでカードが使えず200,000ドン現金で支払った。念のため前日に乗り場兼事務所へ行って予約=支払い。レシートも何も出てこないので不満そうにしていたら裏紙に手書きで予約書を書いてくれた。翌日の乗車ではその係員に目で挨拶してOK。結局紙は不要。まあ、日本でも電話で店や宿を予約したら何も証明書類は無いので、証書がなくて通用するのが普通である。

          リムジン案内サイトの紹介ページ https://limousinevn.vn/car/hoang-long-limousine/

           

          鉄道

          ハイフォン1500発の汽車でハノイのロンビエン駅まで乗車。インターネットの予約サイトでは席がなく、当日駅の窓口で切符を購入。現金。買うのは現地の人がしてくれた。ネット情報のとおり列車はほぼ満員で驚く。乗り心地は快適。揺れはあるが不安な縦揺れではなく、横揺れでむしろ心地よい。途中駅での乗り降りもあり、景色も自分は楽しめたので2時間半はちょうどよい乗車時間だった。ロンビエン駅で下車後に線路近くで写真を撮影。その時、鉄橋にカメラを向けたら向かいに座っていた警備員が声を掛けてきて指を指す。見ると撮影禁止の看板。素直に従う。

           

          ビール

          ベトナムのビールは概してオリオンや韓国製普及版のような軽い口当たり。けれどもビールの味はする。なかでも Bia Hà Nội がおいしい。値段は50円くらいで清涼飲料水と変わらない。


          ネットで読めるICOM大会の参加報告

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            JUGEMテーマ:博物館

             ICOM京都大会に参加するかどうか。迷いますね。4月30日で早割が終わってしまうので、決断第一関門まであと2週間です。それならば過去の大会の参加報告を読んでみようと検索してみました。結果は驚くほどにネット情報が少ないのです。幸いなことにイコム日本委員会のサイトでは公式報告書を公開しています。これ以外で参考になりそうな記事をリンクしてみました。報告を見つけられたのはミラノ、リオ、上海の3大会で、ウィーンとソウルは見つけられませんでした。

             ところで公式サイトが残っていたのはミラノとソウル大会だけでした。ここは残っいて日本語ページもありました。アーカイブサイトらしきスペイン語のページがあるので載せておきます。検索ではイコムのページとして ICOM 2007 General Conference - ICOM Website Archives というのが当たるのですが既に削除されてしまったようです。国際委員会のページのなかには残っているものがあります。

             ウェブページの削除は本当に愚行だと思います。博物館の親玉がこれではいただけません。ウェブサイトは速報性に加えて、蓄積も重要な機能なのだから。

             

            2016年ミラノ大会

            ICOM日本委員会の報告書

            リンクページ

            https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

            直リンク  2.5 MB

            https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf

            ICOM MILANO 2016大会レポート〜その1 [その2と7あり]

            https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-12177550194.html

            民音音楽博物館 ICOM(国際博物館会議)ミラノ大会に出席しました

            http://museum.min-on.or.jp/information/detail_677.html

            公式ページ

            http://network.icom.museum/icom-milan-2016/

             

            2013年リオデジャネイロ大会

            京都外国語大学博物館調査研究レポート「第23回ICOMリオデジャネイロ⼤大会に参加して」

            https://www.kufs.ac.jp/umc/pdf/icom2013.pdf

            ICOMレポート 第23回ICOM大会(ICOM Rio 2013)参加報告

            https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MS48-10_secretariat

            ハムと薪と、それから保存 ICOMリオ大会に出展した日本ブース [他にも記事があります]

            http://kambanobuyuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/icom-ccbc.html

            スペイン語のアーカイブページ見つかりません

             

            2010年上海大会

            博物館の国際動向に関する考察−ICOM第22回上海大会の議論を中心として−

            https://irdb.nii.ac.jp/00828/0000991605

            直リンク 1.5 MB

            http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/18578/20110721153129/D500008000011.pdf

            ミュージアムの小径[会議]ICOM上海大会2日目・3日目 [前後にも関連記事があります]

            http://d.hatena.ne.jp/takibata/20101110/p1

            冒けん!発けん!【世界の博物館教育】 中国・上海市「第22回国際博物館学会(ICOM)」に参加して

            https://www.kobegakuin.ac.jp/gakuho-net/topics/2010/vol55.html

            神戸学院大学Topics 国際博物館会議(ICOM)上海大会<報告>

            https://ksaotome.exblog.jp/15654694/

            スペイン語アーカイブページ

            https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

             

            2007年ウィーン大会

            スペイン語アーカイブページ

            https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

             

            2004年ソウル大会

            公式サイト

            http://icomkorea.org/icom2004/index.htm

            日本語ページ

            ICOM 2004ソウル大会参加へのご招待

            http://icomkorea.org/icom2004/japanese/welcome.htm


            ICOM京都大会に参加するには

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              JUGEMテーマ:博物館

              1.ICOMとは

               ICOM京都大会まで半年となりました。この時点になっても、ICOMってなに?どうやって参加するの? という素朴な疑問があるように思います。当方、ICOMの個人会員ですが京都大会には何も関わっておらず、罪滅ぼしにICOMと大会の参加について書いておこうと思います。

               まずICOMとは何か。ICOMは International Committee of Museum の略称で日本では国際博物館会議と訳しています。本部はパリにあり、公用語は英語、フランス語、スペイン語の3か国語です。ICOMの英語はちょっと違和感があったりするので、実際の文書作成言語はフランス語ではないかと思っています。ICOMはUNESCO(ユネスコ:国連教育科学文化機関)との協力関係がありますが国際機関ではなく、NGOです。国際機関であれば政府が直接分担金を支払い、事務局も省庁内に置かれますが、ICOMはNGOなので国内の事務局は公益財団法人日本博物館協会が持っています。

               さて、ICOMの読み方です。長らく日本ではラテン語式に「イコム」と呼んできました。出版物でも「イコム」と表記されています。ところが、京都大会の準備が始まるとにわかに「アイコム」と読む人が出現し、瞬く間に広がっていきました。そしてついに、京都大会では英語の使用場面の多さから「アイコム」と統一することにしたそうです。

              http://icom-kyoto-2019.org/jp/FAQ.html

               

              2.ICOMの委員会と会員資格

               加盟する国ごとに組織された国内委員会 National Committee と専門分野に分かれた国際委員会 International Committee で構成されています。日本博物館協会が事務を担当しているのはICOM日本委員会ということになります。国際委員会は30あり、それぞれに年次総会を開催しています。重要なのは国際委員会で、ICOMのなかみはつまりは国際委員会の活動といえます。委員会といっても加入に特別な資格はなく、ICOMの会員であればひとつでも複数でも入ることができます。委員会の種類は京都大会のページでも紹介されています。

              発表募集のページ

              http://icom-kyoto-2019.org/jp/calls-for-papers.html

               ページを見ればわかるとおり、国際委員会の多くはコレクションに関するものです。あるいは人材育成やマネジメントといった運営面での委員会もあります。ICOMの大きな役割は国際基準を作る=文章化することですから、国が異なっても共通の話題が可能、各国が目指すべき/最低限守るべき基準という議題に適合的です。私は辺地に居て町立博物館の勤務経験があることから地方博物館国際委員会 ICR (International Committee for Regional Museums) に入っているのですが、これはどうにもうまくない。地方博物館の目的や課題はそれぞれですので共通の基準を議論するなどできない。事例を報告しあっても「すごいですね」「たいへんですね」といった感想以上のものがでてこないように思っています。国内にはICRで頑張っている学芸員がいるので、別の面で京都大会を手伝おうとしているわけです。

               話がそれました。ICOMで疑問なのは加盟資格です。博物館での加盟は団体会員の区分となります。が、この金額が高額らしく、昨今の緊縮財政で加盟を辞める館園が出てきていると聞いています。個人会員はそれより安いので、博物館の職員個人の加盟が現実的かも知れません。問題はこの個人会員の資格で、博物館の職員や退職者、関連する行政部局や大学の教員、現役の学生などは会員になれるのですが、学生や大学院で博物館について学んだり研究したけれども博物館や関連する職に就けなかった人には加盟資格がないのです。もしかしたら運用が変わっているかも知れませんので、知っている方がいれば教えてください。

               

              3.ICOM京都大会の参加と発表

               今年9月に京都で開催されるのはICOM京都「大会」です。国際委員会や国内委員会のすべてが一堂に会するのが「大会」で3年に1度開かれます。さて、どうやって参加するのか。参加そのものはお金を払って申込すればよいのですが、ICOMや大会の仕組みがよくわからないですね。プログラムを見てみましょう。日付毎に別ページで面倒ですが、参加条件について「ICOM会員のみ」「ICOM各委員長等のみ」という記号が見えます。これらの記号がないイベントは誰でも参加できるはずです。

              プログラム日程表

              http://icom-kyoto-2019.org/jp/schedule.html

               一方、発表はどうすればできるのか。ICOMは国際委員会の集まりなので、委員会ベースのセッションは委員会が発表を募集します。委員会が主催する大会のテーマや募集日程は上に書いた「発表募集」のページで委員会名をクリックすると現れます。すでに大方の募集は締め切られているようです。発表申込の締切日を2−3月が多く、なかには3月末というのもけっこうあります。国内的には4月上旬まで待ってもらえれば科研費など予算の裏付けが得られるので、配慮が欲しかったところです。

               実際には発表までするよりも参加だけの人が多いと思います。参加費が高額で早割が今月までということで、部内決裁もあるのでそろそろ参加するかどうか決める期日がせまっています。ところが、いまだプログラムが明確ではありません。4月14日現在、おもしろそうなオフサイトミーティングのページは「作成中」、ソーシャルイベントも中身が不明です。なにしろプログラム日程表の公開が4月5日なので、基調講演や全体会合のプレナリー・セッションがようやく決まったという感じなのでしょう。とにかく準備スタッフが不足しているのだと想像します。

               

              4.ICOMのなかの日本と地域組織

               ところでICOMの大会、前回は2016年のミラノ、その前は2013年のリオデジャネイロ、アジアでは2004年のソウル大会が最初の開催で次が2010年の上海でした。日本は3番目。日本委員会が前回のミラノ大会の報告書で公開しています。

              事務局からのお知らせ 「ICOMミラノ大会2016の報告を公開いたしました」

              https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

              直リンク https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf  2.5 MB

               また、ICOMには8つの地域組織 Regional Alliance があり、日本はアジア太平洋地域連盟 ICOM-ASPAC (Asia-Pacific Alliance)[アスパック] に加盟しています。こちらも日本が初めてホストとなったのが2009年になってからでした。ちなみにこれも数年前までは「アジア太平洋委員会」との訳も散見されます。固定した事務局はなく、委員長の所属館が事務をおこなうそうです。現在の委員長館は大韓民国国立中央博物館。このとおりアジアの博物館界において日本は完全に出遅れています。当局(の担当者?)にも危機感があったようで、下の報告書の「はしがき」にはあせりが正直に記してあります。ASPAC については日本博物館協会の報告書に詳しく、とくに「参考資料1/2」が初心者向けの内容です。

              平成21年度 アジア・太平洋地域の博物館連携にかかる総合調査報告書

              http://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/hokoku/h20/1409472.html

              *報告書のなかは20年度となっています。

               アジアで最初にICOMの大会を誘致した韓国では、大会の前後で博物館施策が大きく変化した、よい方向に向かったといいます。これも卵と鶏の問題で、もともと博物館に熱心だったから大会を誘致できたのかも知れません。日本も京都大会を契機に不景気な顔から脱却したいものです。

               

              5.衛星会議「サテライト・ミーティング」を

               ICOM京都大会は世界から博物館人が集まる初めての機会です。せっかくなので、大会に参加して交流するなり情報交換していきましょう。でも参加費が高い、発表の機会が欲しいという場合、サテライト・ミーティングを企画するのはいかがでしょう。古いたとえですが、1992年のリオデジャネイロ地球環境サミットでは、招待されなかったNGOが自主的に会合を開き、それが大きく報道されました。京都は狭い町ですので、会場と違う場所といっても移動にそれほど時間がかかりません。大学やお寺、場合によっては高校などで海外向けでも国内向けでもよし、展示や集まりや会議をこれから考えていきたいと思います。

               ネット上では、すでに AMeeT Art Meets Technology というウェブサイトが「勝手に応援団」というページを作っています。

              京都に「ICOM」がやってくる! 第1回:ICOMって何?

              https://www.ameet.jp/feature/1466/

              京都に「ICOM」がやってくる! 第2回:ICOM京都大会って何するの?

              https://www.ameet.jp/feature/2144/

              京都に「ICOM」がやってくる! 第3回:ICOMスアイ・アクソイ会長に聞く

              https://www.ameet.jp/feature/2398/

               ほかにも大阪市立自然史博物館の学芸員が情報発信源になっています。

              ICOM NATHIST講演のお誘い

              http://blog.livedoor.jp/sakumad2003/

              ICOM京都大会2019開催まであと1年文化の拠点としての科学系博物館の取り組み 全科協_vol48_no5

              直リンク http://jcsm.jp/wp-content/uploads/2018/09/vol48_no5.pdf  3.6 MB

               

               


              文化庁・立命館大学共同研究キックオフ・シンポジウム「新たな文化芸術創造活動の創出」

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                 2018年3月24日(土)に開催された文化庁・立命館大学共同研究キックオフ・シンポジウム「新たな文化芸術創造活動の創出」に行ってきました。

                http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/app/news/pc/002308.html

                 

                 情報系の集まりは初めてとあって知らないことばかり。面白くたいへんな刺激を受けました。どのお話しも実務第一人者が経験した事業運営について、私見印象を交えて明け透けに語っていたのが印象に残っています。フロアにいたのは登壇者を含めて25名前後と少なく、もったいない感じですが、ほぼ内輪だったからこそ自由な話ができたのでしょう。インターネットでの中継がされていたようなので、ほかにも視聴者がいたことと思います。

                 個別の話の内容は、発表者の氏名と所属で検索して探してもらうとして、講演のなかで使用された図が掲載されたページや関連すると判断した資料をわかる範囲で示しておきます。

                 

                ○Introduction on Ukiyo-e.org : Database and Image Similarity Analysis Engine

                Japanese Woodblock Print Search (Ukiyo-e.org)  John Resig[Skype参加]

                Japanese Woodblock Print Search https://ukiyo-e.org

                浮世絵検索 https://ja.ukiyo-e.org[ukiyo-e.orgの日本語版]

                 

                ○無制限に使ってもらうためのデジタルアーカイブ 立命館大学 赤間亮教授[現状と課題提示]

                ARCデータベースコレクション[ポータルページ]

                http://www.arc.ritsumei.ac.jp/jurc_about_c.html

                立命館大学 ARC所蔵・寄託品 古典籍データベース

                http://www.arc.ritsumei.ac.jp/dbroot/privilege/enter.htm

                立命館大学ARC所蔵浮世絵検索閲覧システム

                http://www.dh-jac.net/db/nishikie/

                 

                ○「バーチャル京都」の構築とその利活用 立命館大学 矢野桂司教授

                バーチャル京都〜歴史都市京都の3Dマップ〜

                http://www.dmuchgis.com/virtual_kyoto/

                平安京オーバーレイマップ

                https://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/theater/html/heian/

                近代京都オーバーレイマップ

                https://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/theater/html/ModernKyoto/

                近藤豊写真資料

                http://www.arc-ritsumei.com

                京都の鉄道・バス 写真データベース

                http://www.dh-jac.net/db1/photodb/search_shiden.php

                kyotoメモリーグラフ[アンドロイド専用]

                https://androidappsapk.co/detail-kyotoメモリーグラフ/

                洛中洛外図屏風ポータル

                http://www.dh-jac.net/db1/rakugai/search_portal.php

                洛中洛外図屏風のWEB閲覧システムの構築

                https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=146553&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

                ARC Map Collection[データベース−立命館大学アート・リサーチセンターのポータルページ]

                http://www.arc.ritsumei.ac.jp/database.html

                Old Maps Online http://www.oldmapsonline.org

                ジオリファレンスとは?|用語集とGISの使い方|株式会社パスコ

                http://www.pasco.co.jp/recommend/word/word089/

                Georeferencer

                http://www.georeferencer.com

                日本版 MapWarper

                https://mapwarper.h-gis.jp

                2017年度国際ワークショップ「日本の古地図ポータルサイト」

                http://www.arc.ritsumei.ac.jp/GISDAY/2018/workshop.html

                Gaihozu: Japanese imperial maps | Stanford Libraries

                http://library.stanford.edu/guides/gaihozu-japanese-imperial-maps

                ひなたGIS

                https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/

                宮崎県:ひなたGIS(地理情報システム)の公開について

                https://www.pref.miyazaki.lg.jp/johoseisaku/kense/joho/20170511004426.html

                WorldMap | Center for Geographic Analysis, Harvard University

                http://gis.harvard.edu/worldmap

                 

                ○ルーヴル−DNPミュージアムラボ、(フランス国立図書館)BnF×DNPミュージアムラボの取り組み

                大日本印刷株式会社 久永一郎ヒューマン・エンジニアリング・ラボ室長

                Louvre - DNP Museum Lab[日本語]

                http://www.museumlab.jp

                Museum Lab Scenes|Louvre - DNP Museum Lab[ルーブル美術館資料を用いた新しい見せ方]

                http://www.museumlab.jp/mls/index.html

                 

                ○情報の扉の、そのまた向こう:渋沢栄一記念財団情報資源センターの活動

                渋沢栄一記念財団 茂原暢情報資源センター長

                実業史錦絵絵引

                https://ebiki.jp

                渋沢敬三アーカイブ

                https://shibusawakeizo.jp

                デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

                https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/

                 

                ○学習ベースの市民参加型翻刻プロジェクト 国立歴史民族博物館 橋本雄太助教

                みんなで翻刻―歴史災害史料のオンライン翻刻プロジェクト

                http://honkoku.org

                みんなで翻刻:ニコニコチャンネル

                http://ch.nicovideo.jp/honkoku

                Yuta Hashimoto(@yuta1984)さん | Twitter[演者のツイッターアカウント]

                https://twitter.com/yuta1984

                みんなで翻刻(@CloudHonkoku)さん | Twitter[みんなで翻刻のツイッターアカウント]

                https://twitter.com/CloudHonkoku

                 

                ○デジタルアーカイブのつなぎ方 国立情報学研究所 高野明彦教授

                孤立した知の蔵(サイロ)を繋ぐ方法―情報の蓄積を発想力に換えられるか?―[本日の内容の一部]

                http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/lff2016_forum_search2.pdf

                知識の蔵のつなぎ方―情報の蓄積を発想力に換えられるか―[上の一般利用版]

                http://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_files/11375/9/notes/ja/09takano20151109final.pdf

                検索から連想へ―知識の蔵を繋ぐ方法―

                http://www.archives.go.jp/publication/archives/wp-content/uploads/2015/03/acv_48_p08.pdf

                検索から連想へ 情報を発想力に変換する連想エンジン

                http://rensou-center.cs.nii.ac.jp/works/pdf/books_200704_Kagaku.pdf

                デジタルアーカイブの連携拡張に向けた「ジャパンサーチ(仮称)」構想

                http://archivesj.net/wp-content/uploads/2017/03/65b1b83ceb7f7851141fbd092b1adb90.pdf

                ジャパンサーチ(仮称)構築における課題〜報告書・ガイドラインの実現に向けた課題整理〜

                https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/jitumusya/dai1/siryou7-5.pdf

                本邦初、伸縮自在な年表を表示する検索エンジン「TIMEMAP」公開!

                https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000029326.html

                TIMEMAP[右上の三がメニュー]

                https://timemap.info

                欧州の文化遺産を統合するEuropeana[ヨーロピアーナ]

                http://current.ndl.go.jp/ca1863

                Europeana Collections[ヨーロピアーナの英語トップページ]

                https://www.europeana.eu/portal/en

                LOCKSS | Lots of Copies Keep Stuff Safe

                https://www.lockss.org

                電子ジャーナルの長期保存―LOCKSSとPortico

                http://tokizane.jp/Ref/TokiPDF/Tokizane-JKG-58-02.pdf

                動向レビュー:電子ジャーナルのアーカイビング−海外の代表的事例から購読契約に与える影響まで−

                http://current.ndl.go.jp/ca1597

                デジタルアーカイブの連携に関する関係省庁等連絡会、実務者協議会及びメタデータのオープン化等検討ワーキンググループ[座長:高野明彦教授]

                http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/index.html

                デジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会[座長:高野明彦教授]

                https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/index.html

                デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン

                https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/guideline.pdf

                サミット2015ホームページ|文化資源戦略会議

                http://archivesj.net/summit2015/archivesummit2015/

                アーカイブサミット2015報告集

                http://archivesj.net/wp-content/uploads/2015/07/a81dbfea25795720fd0fd14c9dbf306a.pdf

                 

                 討論の時間は1時間と長めの設定、はじめに「著作権の話はしない」という条件が示され理想と可能性を語ろうという姿勢が明確でした。現状での最適化の追求、不可能性の開陳、不満の共有で終わらせないという意思表示でしょう。来年度以降も研究会や集まりがあるかも知れないとのこと。今後の展開が楽しみです。


                仕事の年報2017年度版

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                  JUGEMテーマ:博物館

                   

                  北海道命名150年。2018年は全国的には明治150年、北海道では命名150年としてさまざまなイベントが企画されている。50年前、1968(昭和43)年の明治百年、北海道は「開道百年」を祝った。北海道大博覧会が開催され、9月2日の記念式典には天皇皇后両陛下が臨席した。高度経済成長のまっただ中にあり、1970年の大阪万国博覧会を控え、石油ショックはまだ影を見せず、インフレに仰ぎながらもそれを上回る賃金の上昇が確約され、1972年の札幌オリンピックの招致も決まった熱い時代だった。そして北海道博物館、当時の名でいえば北海道開拓記念館の建設も開道百年の記念事業として決定された。


                  開基百年。この言葉、若い人にはなじみがないだろう。役所が置かれて100年となる年を北海道の市町村ではこう呼んだ。内地と異なり、北海道では地域の起源となる年が定まるのである。もちろん近世、江戸時代とは幕藩体制国家の範囲に用いる言葉であり、その外側にあった蝦夷地は外国であるため北海道の歴史では近世を好んで使う、にも内地からの出稼ぎ者や一部には定住者もあった。けれどもそれは非公式な住民ということだろう。北海道と命名されて、役所が置かれて、正式に日本の歴史に登場する、そんな感覚だろうか。市町村でも開基百年の記念事業として博物館建設がブームになっていく。それにしても、開道も開基も開拓も、その言葉は


                  誰の歴史かという視点が問われる。役所に歴史の原点を求める姿勢、これは紛れもなく入殖者の歴史観、成功した植民地を公言する表現である。昭和の自治体史には「アイヌが住んでいるだけで」といった露骨な差別表現が散見される。しかしそれは時に棄民状態に放置された開拓時代を堪えしのぎ、戦争の時代をくぐり抜け、ようやく安堵できる生活を手にした経験からすれば、悪気のない表現だったのかも知れない。それでも彼らとは別に我が歴史は展開したという見方は覚えておきたい。いろいろな経験と反省、先住民の権利の回復の世界的な流れを受け、今回の記念事業では北海道の命名者でありアイヌの人たちの理解者であった松浦武四郎を取り上げている。必要なのは開拓の歴史を抹消することでは無く、事実を見つめ、自分たちとは異なる視点で評価を加えることだ。


                  ガラスネガに写し込まれたのは1888(明治21)年の網走である。普段の生活では意識されないが、この町でも当然アイヌの人たちが暮らしていた。農地は測量すら未遂でオホーツクでは屯田兵もまだいない。農業以前の網走の姿である。できたばかりの市街地では、すでに旅館が営業を始めていた。市街地の整備に先立ちアイヌコタンを強制的に移したのは1886年のことという。コタンの姿はチセを含めて本来の姿ではないのだろう。そして彼らは慣れない農業や漁業に従事することになる。それにしても帽子岩を臨む網走川の河畔風景は美しい。現在の生活の質を確保しながら失った美を取り戻すこと、これが150年目の課題となっていくだろう。

                   


                  仕事の年報2016年度版

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                    JUGEMテーマ:博物館

                     

                    2.1%。これが当課程の新卒者が、契約職員以上の身分でミュージアムに就職した実績である。実数では241名中の5名である。2014年卒業者から就職者が出ていないので、このところ就職率は下降の一方であるが、それでも実態調査に基づく全国平均0.6%の3倍以上の数字である。2013年3月の時点では、132人の修得者に対し、同等の待遇で博物館等に職を得ていたのは5人、博物館への就職率は3.8%となり、これが最大瞬間風速であった。転職や臨時職員、水族館などに一時的にでも在職していた卒業生は現時点で13人、昨年までの単位修得者206名で割ると含める6.3%、16人に1人となる。このあたりが現実的な数字に思える。新卒でなくとも、何らかの形で博物館や動物園、水族館で仕事ができるチャンスは、案外高いのかも知れない。


                    就職者が何人いるのか。大学の学芸員養成課程はいつも問い続けられている。学芸員養成は学究の場でなく、資格課程であるので、就職人数が評価の第一基準である。言ってしまえば、学芸員を輩出しない課程では存在意義がないのである。学芸員は、社会教育機関としての博物館で働く専門職員である。そのための知識や技能、経験を生かしたノウハウは養成課程で学ぶが、いわゆる専門というのは学部学科での教育で修得するのである。一部の私立大学では、日本美術史や考古学関係の単位取得を学芸員資格の要件とし、卒業生は文化財保護法で義務付けられた緊急発掘の現場を渡り歩き、地方の博物館に就職するというコースがあった。考古学が専門で発掘調査の出土資料を展示する博物館の学芸員。ひとつの類型としてそれがあった。


                    自然史系の学芸員が現れるのは、北海道の地方では1970年代末のこと。団塊世代の彼らはすでに退職したが、自然史学芸員のイメージは特定少数の彼らが作り上げたものだ。現在の若手学芸員はそのイメージを持って就職し、そして新たな形を展開しつつある。自然再生、関連団体のコーディネイト、美術制作など、個性を生かし、第一世代には見られなかった新しい学芸員の姿が見えてきた。もちろん美術館にも学芸員がいる。資料の採集や製作ではなく、市場価値を有する人類の到達点を、世界の隅々から交渉を重ねて実現する特別展を最大の仕事とする。彼らの姿は、考古学とも自然史系とも異なる学芸員のイメージを体現している。


                    動物園水族館の学芸員像は、いまだ明らかではない。解説や教育事業の担当者としての姿はあっても、外に名前が聞こえる学芸員は現れない。仕事の主役は飼育員であり、至高の専門家に獣医師がいて、方向性は園長が決める。その狭間にあって、学芸員は、いまだ迷いの中にいる。動物の飼育を目的とする機関の学芸員とは何者か。その問いに答えるのが、これからの仕事である。何かが見えてきたならば、そっと教えて欲しい。後に続くものがいるのだから。

                     


                    仕事の年報2015年度版

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                      JUGEMテーマ:博物館

                       

                      農大ロビー展が第5回となった。幸いなことに展示期間中の入館者数は1回目の270人から右肩上がりで、296人、324人、406人と来て、今年は644人と昨年の5割増しの過去最高となった。観覧者の実数はカウントしておらず、無料の展示であることから入館者数をもって観覧者数としている。同時期に開催している他のロビー展示、講座や講演会といった普及事業の参加人数も含めた数字であるので、農大ロビー展への観覧者が増加したとは限らず、むしろ他の要因の方が大きいのかも知れない。しかしながら、今年に限っては、進化生物学研究所から借用したエピオルニス全身骨格レプリカ標本を見に来た人が多かったのではないかと思っている。目玉資料の威力である。


                      特別展は学芸員の特権と当方は授業で説明している。試しにネット検索したところ、最上位の結果は自分のテキストだったので、この表現はあまり一般的でないのかも知れない。あるいは「特権」という言葉をはばかる向きがあるのかと思う。けれども自らの疑問や成果を文章だけでなく、写真や映像、実物資料でかたちにし、公共の空間を使って実現する「知的情熱の物体的表現」は、とてもやりがいのある仕事である。さらに展示の仕事は最終的な表現だけでなく、そこに至る過程と反響こそが面白い。素材の探索と調達、新たな人とのつながり、思わぬ評価や自然と集まってくる資料など、学生たちには展示の醍醐味に少しでも触れて欲しいと願う。


                      空間の博物館化は駅や百貨店をはじめ多方面で進んでいる。シンプルに展示ケースを置くことから実際に美術館や博物館を設けることまで、空間を改変して展示の意図を与える動きである。それは空間に意味を与える営みともいえる。合理的効率的ではあっても無味乾燥な空間から、心地よく存在できる場所への転換である。意味を与えられた場所には人があつまり話題が生まれ、物も集まる。それは1枚の絵でも写真でもかまわない。そこに屋根を掛ければ館となる。ふれあい、にぎわい、など行政主導のキーワードもおなじところを目指している。


                      名付けも意味を与える行為である。学生が手掛けるロビー展も内容に関わらず、必ず「農大」の2文字を入れてきた。会場が大学ではなく本物の博物館で行うこと、「農大ロビー展」が略称として座りがいいこと、宣伝効果を考えてのことだが、学生にとっては自分たちを知って欲しいと思う気持ちがある。そして何よりも大学の名称に愛着を持っている。違和感なく受け入れ、口に出して言える名前。単なる記号や呼称を超えた名前のもとで4年間が過ごせれば、その学生生活は幸せだったといえるだろう。