博物館の新定義に対する意見

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    JUGEMテーマ:博物館

     

     ICOM日本委員会が今月末(2020年6月)を締め切りとしている「博物館の定義に対する意見」を先ほどメールで送信した。これは昨年9月に開催された第25回国際博物館会議ICOM京都大会の臨時総会の議案となり、非常に多数の意見表明がおこなわれた後に採択の延期だけが決まったICOM規約に組み込む博物館定義の改訂に対する意見である。

     延期された採択は昨年の京都大会の会場では今年6月にパリでおこなう年次総会でとアナウンスされたが、その後、今年の総会は議論だけで採択は来年2021年以降とされた。今年の総会では、ICOMの国際委員会(分科会)や国内委員会(国別組織)が意見集約したものをたたき台に議論をおこなう、そのために4月末日までに意見をICOM本部に送るという話であった。ところがCOVID-19の影響で今年の総会は延期となり、ICOM日本委員会からは4月10日に意見がある人は今月末までに日本委員会あてにメールで送信するという案内があったのだった。

     以下は自分が本日送信したメールである。

     

    ICOM日本委員会さま

     

    博物館の新定義に対する意見をお送りします。

     

    1.ICOM規約第3条第1項の博物館の定義については、現行の定義のままとする。昨年の京都大会で議論された新定義は規約に組み込む定義としては現在的価値観が過剰でふさわしくない。博物館の定義は歴史的課題とは独立に博物館の機能と役割を明示した内容に留めるべきである。ICOMはヨーロッパ域内の国際関係を超え全世界的なNGOである。歴史や文化さらには価値観の共有が限られた国々や地域がともに行動できる定義に留め置く禁欲的な態度が求められる。

    2.新定義については、現在の経済的に発展を遂げた国や地域の博物館に与えられた課題が明確に表現されており、2020年代の博物館あるいは博物館界の使命として位置付ける。規約に組み込むか、別立ての文書とするかなど文書の地位については意見を持たない。
     

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    宇仁義和(うに・よしかず)


    日本のミュージアムの YouTube チャンネル

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      JUGEMテーマ:博物館

       昨日ツイッターでユーチューブに博物館のニュースチャンネルがないと嘆いた。そこで博物館の YouTube チャンネルを拾い出してみた。

       動くものを展示している動物園や水族館、そして科学館は動画と相性がよい。けれども美術品の鑑賞や民具の使用実演、講座や講演の記録、修復作業や保存配列、野外調査の様子など、動画こそふさわしい博物館の資料もある。博物館の資料に関連した文化財や町並み、自然の風景もコンテンツとなるではないか。

       コロナの影響や展示工事などで休館している時など潜在的な来館者とのつながりを保つ重要なチャンネルのはず。今後は博物館の動画チャンネルが増えることを願う。国立の博物館で記載が無いのはチャンネルが見つからなかった博物館。

       なお、< >で囲った博物館名はユーチューブチャンネルには無いので補ったもの。検索や初心者のことを考えれば、チャンネル名には日本語の正式名称や愛称を入れるべきだ。

       

      <日本科学未来館>MiraikanChannel

      チャンネル登録者数 1.15万人

      展示紹介、実験映像、トークショーにアニメーションと充実している

      https://www.youtube.com/user/MiraikanChannel/featured

       

      【国立科学博物館公式】かはくチャンネル

      チャンネル登録者数 記載なし、42,135 回視聴

      展示紹介から普及事業、研究者のモノローグなどで画面サイズもさまざま

      https://www.youtube.com/user/NMNSTOKYO/featured

       

      <東京国立博物館>TokyoNationalMuseum

      チャンネル登録者数 3310人

      常設展示や庭園のツアー、研究員による展示解説など正統派、外国の博物館員も登場

      https://www.youtube.com/user/TokyoNationalMuseum/featured

       

      京都国立博物館トラりん

      チャンネル登録者数 990人

      ゆるキャラが折り紙したり、職員が集まって短歌を作ったりバラエティー番組風

      https://www.youtube.com/channel/UCTL5ge3mys0fmncEYDFKb_Q

       

      国立国際美術館

      チャンネル登録者数 319人

      メイキング映像、プロモーション映像、開館40周年記念展は12人が語る

      https://www.youtube.com/channel/UCmox3PPjarAXuRQNh4jcxkg

       

      国立民族学博物館 (National Museum of Ethnology, Japan)

      チャンネル登録者数 587人

      特別展の紹介がほとんど

      https://www.youtube.com/user/MINPAKUofficial

       

      国立歴史民俗博物館 National Museum of Japanese History

      チャンネル登録者数 210人

      全6点中、国際企画展示「昆布とミヨク−潮香るくらしの日韓比較文化誌」が5点

      https://www.youtube.com/channel/UCUwOqRe9BMv1qhnQzecsI3Q/

       

      <標津サーモン科学館> shibetsusalmon

      チャンネル登録者数 30人

      チョウザメ腕ガブ、踊るユムシ、ぷかぷかカイダコとかマニアック

      https://www.youtube.com/user/shibetsusalmon/featured

       

      仙台うみの杜水族館公式

      チャンネル登録者数 562人

      メガネカイマンやアメリカビーバー、ダイオウグソク食レポなど意外な内容

      https://www.youtube.com/channel/UCxI5Dn0i7ACI_0GSic4tqHw/videos

       

      埼玉県こども動物自然公園(SaitamaChildrensZoo)

      チャンネル登録者数 2180人

      もくもぐタイムや赤ちゃんなどほのぼの映像、ペンギン突撃シリーズなど

      https://www.youtube.com/channel/UCNCn6mBBDfbuTr4Q0_4xcWg

       

      <江戸東京博物館>Edo-Tokyo Museum

      チャンネル登録者数 246人

      展示室や特別展の紹介。展示室が広いので屋外収録のよう

      https://www.youtube.com/channel/UCHULFfLXb5QsTH6ASDW5jRA

       

      東京ズーネットBB

      東京動物園協会が運営する館園(上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園)の動画配信サイト。動物図鑑、お知らせ、シアターで動画の数は約1000本!

      https://www.tokyo-zoo.net/movie/index.html

       

      横浜・八景島シーパラダイス

      チャンネル登録者数 1530人

      シーパラCM、よしもとお笑い芸人、イルミネーションなど娯楽番組が主流

      https://www.youtube.com/channel/UCe-b3jajzFAY3NzwYNS7I4w

       

       

      新江ノ島水族館公式チャンネル

      チャンネル登録者数 1.74万人

      クラゲから軟体、魚、イルカショーまで盛りだくさん。LIVE配信が売り物のよう

      https://www.youtube.com/user/EnosuiMovie/featured

       

      新潟市水族館 マリンピア日本海

      チャンネル登録者数 132人

      動画5本、うち4本が6年前。もっと見たいです

      https://www.youtube.com/channel/UCDXsTKaJXaO88NpqHLBdmBw

       

      公式動画チャンネル名古屋港水族館

      チャンネル登録者数 4170人

      世界唯一というナンキョクオキアミへの給餌、水族館近くでのスナメリ調査など貴重

      https://www.youtube.com/channel/UCK3U37dAefBwlGpTPOeywcA

       

      鳥羽水族館

      チャンネル登録者数 4720人

      アザラシ、イルカ、ジュゴンなど海生哺乳類が主体、水中入社式も

      https://www.youtube.com/user/TobasuiChannel?feature=mhee

       

      琵琶湖博物館

      チャンネル登録者数 33人

      回るボルボックスとかミジンコの血流など微小生物プランクトンが充実

      https://www.youtube.com/channel/UCGrj0nj628Y0jTaUSvLgLFQ

       

      舞鶴引揚記念館

      チャンネル登録者数 記載なし

      動画6本、地域学習が主体

      https://www.youtube.com/channel/UCJGJpPGVCw-_Flq3FaeHBFQ

       

      大阪市天王寺動物園(Osaka Tennoji Zoo)

      チャンネル登録者数 4420人

      飼育日誌やエンリッチメント報告のほか、イギリスに婿入りしたコアラの近況

      https://www.youtube.com/channel/UCRb3-Nt6Z6JQmJHMyMgsLkA

       

      大阪・海遊館 Osaka Aquarium Kaiyukan

      チャンネル登録者数 4780人

      可愛い系もバックヤードもあり、1時間を超える動画は環境ビデオによいかも

      https://www.youtube.com/user/OsakaKaiyukan

       

      アドベンチャーワールド公式チャンネル

      チャンネル登録者数 8340人

      はやりパンダ、ライブ配信もある

      https://www.youtube.com/channel/UCVEmpbL5VzfXsULPFeRsj4Q

       

      城崎マリンワールド 公式

      チャンネル登録者数 記載なし

      魚や海獣のほか、釣りのコマーシャルも

      https://www.youtube.com/channel/UCE7FFwlwLahtrRgdBlaFi_A

       

      【公式】池田動物園 ikedazoo

      チャンネル登録者数 103人

      個体の行動主体で1分未満の短いものが多い

      https://www.youtube.com/channel/UCkPdzsm1uR5ZOunQYuONaCA

       

      四国水族館公式/SHIKOKU AQUARIUM

      チャンネル登録者数 649人

      大人の水族館妄想ロマンス、スタップの話、水族館の建設工事のメイキング映像

      https://www.youtube.com/channel/UCauB61GghuPwz5aEFVFEkgA

       

      愛媛県立とべ動物園

      チャンネル登録者数 1460人

      キリン、ライオン、アフリカゾウと大型動物が多い印象

      https://www.youtube.com/channel/UCATcoO27HDvwzkdEOFx_69A

       

      福岡市科学館

      チャンネル登録者数 54人

      できたばかりか動画15本、いちばん古いのが1月前

      https://www.youtube.com/channel/UCPoWzxvstQ0nUXA8Cy2YFsQ

       

      長崎バイオパーク公式 

      チャンネル登録者数 26.7万人

      カピバラだけで何十本、もっと? うちで踊ろうコラボもある

      https://www.youtube.com/user/biopark

       

      <大分マリーンパレス水族館 うみたまご>umitamagostaff

      チャンネル登録者数 1090人

      CMながら読み聞かせ絵本、多言語のPR動画がある。これはユニーク

      https://www.youtube.com/user/umitamagostaff

       

      【公式】海洋博公園・沖縄美ら海水族館

      チャンネル登録者数 1510人

      美ら海が多いが、海洋博公園の植物園や博物館の動画も

      https://www.youtube.com/channel/UCXjkj8-HaOvX7o-fzhOu7Ng

       

      OKINAWA ZOO & MUSEUM公益財団法人沖縄こどもの国

      チャンネル登録者数 332人

      動物園ほ他、ワンダーミュージアム、科学実験や工作。タイトルのみ多言語

      https://www.youtube.com/channel/UCab3aiKQAmnlmUaN9nwy3WQ/videos

       

       ここまで見たところ、国立の博物館はおしなべて動画の数が少なすぎる。チャンネル登録者数が数百人はその反映である。それから概要の記述が簡素すぎる。短い文章の過半数が著作権の主張や管理者などの事務連絡ではなく、もっと詳しく興味が持てる内容にしてほしい。

       それから個別の博物館ではコンテンツ不足であれば、束アイドルよろしくポータルサイトを作るとよいかも知れない。実現するまでこのページがその役目を負っておきます。

       ではお前はどうなんだ。動画をアップロードしているのかと問われれば、わずか4本だが、いちおうチャンネルは持っている。世界的にもめずらしい場面を記録した動画が1つあり、この1本のためにチャンネルを作った。画質はミニDV、キャプションはわずか、ナレーションなしだが、2014年7月27日に公開して以来150万回以上視聴されている。残り3つは数百回だが。

       

      UNI Yoshikazu

      チャンネル登録者数 3170人

      動画4本、実質1本で150万ビューを稼ぐ

      https://www.youtube.com/channel/UCWrwmQS1rXdQLIj1ZsyaQtw


      ICOM京都2019最終報告書と別冊博物館研究「ICOM京都大会2019特集」

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        JUGEMテーマ:博物館

        ICOM京都大会の報告書をざっと見ました。別冊博物館研究「ICOM京都大会2019特集」と合わせて読むとうまい具合に理解が深まります。

         

        ICOM京都2019最終報告書(日本語版)

        190ページ pdf 23.3 MB

        https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/kyotohoukokujap.pdf

         読むのがたいへんなので、要点を書き出しました。結果報告として重要なのは採択された決議の全訳、資料としては登録(国別参加者数ほか)や参加者アンケート、参考資料の京都大会を準備実施してきた委員、協賛企業や出展者の名簿などがおもしろいでしょう。国別参加者ではロシアが6位というのに驚きです(165p)。プログラムについてはICOM委員会リスト(16p)を参考に興味のある国際委員会のセッションを見る、

         個人的には秋篠宮殿下の「開会式のおことば」(29p)がお守りのように重要で、「標本」という言葉を用い、最も大切な意義に「保存と継承」を取り上げたことに感激しています。

         

        内容

        挨拶 スアイ・アクソイ会長、佐々木丞平ICOM京都大会組織委員長(京都国立博物館館長)、青木保ICOM日本委員会委員長(前国立新美術館館長)、銭谷眞美日本博物館協会会長(東京国立博物館館長)

        概要 6ページ

         数字で見る京都大会(写真多数)、日程表、大会テーマ「文化をつなぐミュージアム―伝統を未来へ―」

        プログラム(簡単な内容報告を含む) 116ページ

         ICOM委員会などリスト、規約に基づく会議(採択された決議全訳、日本委員会提出決議文の解説)、式典、式辞、開会式、基調講演、全体会合、国際委員会(分科会)のセッションほか

        運営 大会への歩み、主催者、運営組織、開催都市と会場、ボランティア、参加助成、PR、登録(国別参加者数ほか)、参加者サービス 18ページ

        参加者アンケート(日本在住者41%) 4ページ

        財務報告 2ページ

        大会後のイベント 2ページ

        参考資料 26ページ

         委員会名簿(組織委員会、運営委員会、事務局)、協賛協力一覧、出展者、オフサイトミーティング(会場外会合)、エクスカーション(巡検)、制作物一覧(参加者への配付資料、各種パンフレットほか)、メディア掲載、参考資料(ICOM規約、博物館の定義:現行および新提議案)

         

        別冊博物館研究「ICOM京都大会2019特集」 1320円+送料400円

        https://www.j-muse.or.jp/03books/other.php

        「報告書」はとっつきにくい、よくわからないという場合は、この「別冊」から読むのがよいと思います。「報告書」と重複する内容はごくわずかで、京都大会の概要を知るにはこちらの「別冊」が適しています。巻頭の委員長や会長などの挨拶が、どれもえらく力が入った文章で微笑ましいと感じるほど。手応え十分だったのでしょう。本文はさまざな立場で博物館に関わる人たちの寄稿で、いろいろな意見や経験を知ることになります。日本とICOMの関係と歴史、京都大会実現までの経過など時間的な奥行きからも理解ができます。

         

        この2冊を回し読みして館内でICOMについて話ができればよいのですが、いまの状況ではリモート飲みでやるしかないかも。


        報告書は刊行の前と後とで世界を変える―ICOM京都大会の振り返りイベントの報告書の感想

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          JUGEMテーマ:博物館

          報告書は世界を変える第一歩

           報告書と聞いて思い起こすのは、自分の場合は「ローマクラブ報告書 成長の限界」(1972)や「経済構造調整研究会報告書 前川リポート」(1986)、「学芸員養成の充実方策について「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」第2次報告書」(2009)などがある。これらは議事録や講演録として参加者以外にも内容を伝えること、それに加えて提言や宣言など意見集約と意見公表をおこない、その後の世界を変える役割を担っている。世界を変えるとは大げさだが、制度や仕組みの変更の手続きとしての諮問機関の報告でなくとも、調査で歴史や実態を明らかにすることや研究によって無意識におこなわれてきた事柄やきれいごとに隠された意味を浮かび上がらせるなど、論文や報告書には人々の考えや行動、物の見方を変える力を持つ。ちいさいことでも報告書にはその気概がほしい。

           

           

          ICOM京都大会の振り返りイベントとは

           以下は次の報告書を見ての感想となる。当日の参加はできなかったため、知り合いから送ってもらった。

          「ICOM京都大会からみた あたらしいミュージアムのかたちとは? ICOM京都大会2019報告会・ワークショップ報告書」

          日時:2020年1月13日(月・祝)

          会場:京都文化博物館

          主催:京都歴史文化施設クラスター実行委員会・ICOM京都大会2019組織委員会・ICOM日本委員会

          平成31年度文化庁地域の美術館・歴史博物館を中核としたクラスター形成事業

           

          報告書は公開されて意味を持つ

           このワークショップは「平成31年度文化庁地域の美術館・歴史博物館を中核としたクラスター形成事業」として国費も投入された公のものである。国民すべてが内容を知る権利を持ち、なによりも全国の博物館や学芸員が参照すべき内容を持つ。開催場所は京都市であり、北海道や沖縄、本州でも空港から離れた場所からの参加は時間的にも金銭的にも困難である。当日参加できなかった人たちに向けて何らかの報告をインターネットで公開するのは義務ともいえる。

           ところが現在のところ、この報告書はインターネットでは公開されていない。前半部分は京都大会の内容紹介で舞台上の人物や投影されたスライドを多数収録していること、当日の解説もオリジナルな内容が含まれるからだろう。後半のワークショップも人物が大きく写る写真などが含まれており、全体をネットで公開するのは著作権の尊重や肖像権から控えたと想像する。とくに解説では限られた参加者に向けたその場限りの話もあったかも知れず、不特定多数が目にする、誰が読むのかわからないインターネットでは公開が難しいのは理解できる。もっともこの感覚は日本独自のもので、紙媒体がOKならネットでも大丈夫のはずだという考えもあるかも知れない。

           それはさておき、公開できる範囲、積極的に公開すべき内容はないのか。それとも公開するほどの価値がないのか。公開した場合の費用対効果が読めないのか。現在のネット情報は開催のお知らせに限られる。ついでに言うとチラシがpdfでリンクされているが 8.5 MB もある。これくらいのファイルサイズならばクリックする前にわかるようにリンクのところで明記してほしい。現在はリンク切れになっているし、もうちょっとメンテナンスできていたい。ファイルサイズは国会図書館のサイト Current Awareness Portal の情報。いつも思うのだが、ここのサイトは要領よく簡潔で参考情報も気が利いている。

          関連イベント | ICOM Kyoto 2019

          https://icom-kyoto-2019.org/jp/related-events.html

          【イベント】ICOM京都大会2019報告会・ワークショップ「新しいミュージアムの形とは?」(1/13・京都) | カレントアウェアネス・ポータル

          https://current.ndl.go.jp/node/39687

           

          見られることを意識したい

           報告書にとって途中経過は省略可能であり、重要なのは結果である。議論の経過は掲載すべきだが、雑談は必要ない。今回の報告書でいえば、ワークショップの結果が最も重要である。しかし報告書の内容ではワークショップの成果が結局何だったのか、わからない。班別学習でアクティブラーニングをしたのはわかるが、そこでの発話は班の意見なのか何なのか。アンケートの回答が掲載されているが、まとまりなく不完全な文字列をどう受け取ればよいのか。平たい板に付箋を貼り付ける作業はもはや陳腐で、若い人は小学生からやらされてきた。あの方法は口下手であっても意見が出しやすい利点があり、意見を引き出す方法としては効果がある。報告書にはマジックで意見を書き込んだ模造紙を博物館の専門家が広げて持ってる写真、伝えたいことを記したサイコロが並んだ写真が多数掲載されている。教育学関係の学会発表なら付箋からアレンジして活発な発言が得られたとする証拠写真になるだろうが、これはICOM日本委員会の報告書である。財界や政治家の偉い人たちが報告書を手に取ったとき、へーICOMってお気楽な集まりなんだなあ、という印象を与えないだろうか。古い言葉でいえば、女子供の博物館という偏見を持たれてしまうのではないか。報告書は読者に向けた物であると同時に、政治や経済界に向けた宣伝道具としても機能する。そこまで考えた上で、この編集内容だったのだろうか。

           ワークショップが和気あいあいとするのはかまわない。意見を求めても発言する人が固定するので、何らかの仕掛けが必要なことも多い。けれどもそれはその場の都合であって、公的な報告書では不要ではないのか。教育学的な成果発表は切り離して別にすればよい。

           

          意見の形成は積み上げて成る

           ICOM京都大会の宿題は「ミュージアムの定義改正」である。このワークショップのタイトルも「あたらしいミュージアムのかたちとは?」と宿題を受けたものである。けれど報告書にはワークショップの結果が見えない。活発な意見交換があり、たくさんの意見が出され、班や参加者で共有しました。それが何なのか。共有すべき範囲は日本の博物館関係者全体ではないのか。そのための報告書のはずであり、公開すべきはワークショップの成果である。それをインターネットで公開して博物館関係者の共有物とするべきではないのか。もちろんワークショップの結果は日本全体の統一見解ではない。各論羅列でよいのである。それでも一定規模の人数の意見交換の後に生まれた結果としてコンセンサスが得られたのであれば一定の意味がある。それを第1段階の基礎として、日本博物館協会なりICOM日本委員会が参加者以外からの意見を募集する。そして日本委員会の見解をまとめていくという、ICOM日本委員会としての新定義に対する意見の積み上げ、組み立てが可能な機会だったのではないか。

           現在、ICOM日本委員会は会員に向けて定義改正に関する意見収集を呼びかけている。しかしそれは京都会議以降の意見集約の段取りや道筋がまったくないままの一般公募である。1月のワークショップが意見集約に位置付けされておらず、せっかくの開催があまりにもったいない。

           Facebookには「ICOM「ミュージアムの定義改正」についての意見交換グループ」が存在するが、当初から投稿者は少数で、3月以降は更新がほとんどない。原因のひとつが最終的にはICOM日本委員会の意見集約との関係が不明なこと、そこに向かう道筋が不明なことに思える。長い在宅時間が何かを変えるか。


          新しい博物館の定義に関してICOM日本委員会が意見収集

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            JUGEMテーマ:博物館

            きのうICOM日本委員会から会員あてのメールが届き、年次総会の延期と博物館定義の意見募集について案内がありました。日本委員会の意見募集は6月末日まで受付とのことです。全文とICOM事務総長の会議延期を伝える手紙を貼り付けます。

             

            意見収集は会員からですが、ICOMの趣旨からすれば博物館や関係機関・企業で働く人や研究者であれば会員外からでもかまわないでしょう。もし会員外からの提案は受け付けないという場合は当方が代わって意見提出しますのでお知らせ下さい。

             

            意見収集や提案が結果的にICOMの新定義に反映されなくとも、多くの異なる博物館、働く立場や境遇、目指す方向から意見が出されることは博物館の業界にとってプラスになります。日本の博物館に対する意見提起や批判批評は、官邸や官邸官僚からのものが幅をきかせています。博物館の伝統的な考えや行動様式を小馬鹿にし、文部科学行政や文化財保護行政の流れを無視したものですが、見方によっては因習やしがらみにとらわれない斬新な提案ともいえます。

             

            昨日、2020年4月10日も「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律」(文化観光推進法)が成立したばかりです。具体的な中身はWiFiやキャッスレス情報でデジタル化のようです。これは文科省の法律の概要に明記されています。例によって計画を作成して認定を受ける、推進事業者と連携するなどとされ、結局は作文屋と仲介屋に税金をつぎ込む仕組みです。

            文部科学省のページ

            https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_00379.html

            NHKの記事

            https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012379201000.html

             

            いまの政権はこのような事業を推し進めるのでしょう。博物館の現場からすれば、それに対向する意見集約、その前提となる意見交換の場が必要なのです。ICOMの新しい定義への意見収集が、そのきっかけになればと思っています。

             

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            ICOM日本委員会

            会員 各位

            (bccでお送りしています。

            新型コロナウイルス感染防止に係るICOM関連事業等の計画変更について、つぎのとおりお知らせいたします。

            <新型コロナウイルス感染防止に係るICOM関連事業等の計画変更について>

            *ICOM本部から

            2020年の年次総会、諮問会議の延期について:2020年6月10日〜12日の日程でパリにて開催予定だった年次総会と諮問会議は延期となりました。新しい日程は未定となっています。

            (添付:本部事務局長からの通知)。

             

            *ICOM日本委員会から

            1. 2020年の国際博物館の日記念シンポジウムの開催について(ICOM日本委員会):

            5月16日(土)に東京国立博物館にて開催予定だったシンポジウムは、集会形式での開催は行わないこととします。現在、主要なプログラムについて、感染リスクのない形でインターネット配信することを検討しています。詳細は決まり次第ご案内します。

            2. ICOM日本委員会の2020年度の理事会及び年次総会の開催について:

            5月に開催すべく準備を進めてきた今年度の理事会と総会は、集会形式の会議は行わず、書面による開催といたします。書面理事会にて成案を得た議案を各会員に郵送し、葉書で返信いただいた結果に基づき審議を行い、結果を通知する予定です。議案書の発送は5月上旬を予定しています。

            3. 採決延期となったICOM規定の博物館定義見直しに対する意見募集について:

            本年1月にICOM本部から示されたスケジュールによると、MDPPでの継続的検討を経て、2021年6月の年次総会にて採決予定となっています。ついては、日本委員会としても国内会員のご意見を収集することといたします。ご意見をいただける方は、6月末日までにICOM日本委員会

            <icom@j-muse.or.jp> へメールにて「博物館定義に対する意見」のタイトルを付してお送りください。

            ICOM日本委員会

             


            ユネスコ2015勧告とICOMの新定義

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              JUGEMテーマ:博物館

               

              ようやく『ユネスコと博物館』(雄山閣 2019)を読んだ。タイトルにあたる主要な部分を執筆された林氏は一般向けの商業出版には入りきらないユネスコの原典について、直リンクによる文献リストを作成されている。これはたいへんに助かることで、タイミングこそ異なるが2015年の勧告の作成過程が追体験できる仕組みになっている。なお、直リンクで示されたpdf文書などの多くはウェブページからリンクされている。まずはここを訪問するのがよろしい。

              Recommendation on the Protection and Promotion of Museums and Collections | United Nations Education

              http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/museums/recommendation-on-the-protection-and-promotion-of-museums-and-collections/

               

              本書のうち、ユネスコ2015年勧告については、2017年9月18日に京都国立博物館で開催されたワークショップ「2015ユネスコ勧告を読みと解く―今後の我が国の博物館像を考えるために」の林氏の講演を下敷きに書物としてまとめたものになる。当日は台風が心配されたり演者の1人が欠席されたりした。

              「2015ユネスコ博物館勧告を読み解く」参加報告

              http://unisan.jugem.jp/?eid=8


              ユネスコは国連の専門機関であり、各国政府が分担金を負担する国際機関である。国連は地球上のほとんどの国が加盟し、総会での議決は人口や経済力にかかわらず1国1票である。事務総長が欧米以外からも選ばれるなど、第三世界の存在感が大きい場である。本書では、ユネスコ2015年勧告もアフリカや南米、中国など非欧米諸国の意見によって相当程度に修正が加えられたことが詳しく述べられている。

               

              また、タイトルには無いが中身の半分はICOMと日本の博物館業界、そして京都大会の招致の内幕だった。ここを担当された栗原氏の記述は数字や名称が多数記され、直接の典拠は示されていないが参考文献を合わせれば相当の確度で事実を追及することが可能な資料性の高い書き方になってありがたい。

               

              他方、ICOMはNGOである。会員の構成はヨーロッパが過半を占め、そのなかにはオランダのように人口に較べ会員数が飛び抜けて多い国もある(下表参照)。議決権は国内委員会と国際委員会の役員だけが持ち、当然ながら役員の出身地は欧州が多い。そしてその補正はおこなわれない。このような評決の前提条件が不平等な国際機関など存在できないだろう。ICOMは出自も現在もヨーロッパが中心の組織であり、ICOMのいう国際とは西欧諸国間の付き合いという認識でいるような気がしてならない。新定義の議論で設定された8つの指針そのものがヨーロッパの歴史を下敷きにした問題意識である。とりわけ北西ヨーロッパが中心、別の言い方をすれば英米を含む性を持たないゲルマン語諸国の価値観、先導者意識が見られるように思う。

               

              ICOMは博物館の新定義を議論する前に、代議員の平等性や代表制を再確認する必要がある。日本委員会として、意見表出してみてはどうだろうか。

               

              ICOMの会員数(京都大会総会資料 ADVISORY COUNCIL MEETING 85th and 86th SESSIONS より)

              総数の年次変化

               2015     2016     2017      2018

              30,624    37,140    40,860    44,686

               

              2018年の地域別会員数(カッコ内は%)

               地域       国数        総会員数     うち個人会員     うち機関会員

              アフリカ     22 (15.9)       385 (0.9)      375 (0.9)       10 (0.3)

              中南米      24 (17.4)      1,807 (4.0)     1,606 (3.9)      201 (6.7)

              北米        2 (1.4)       2,899 (6.5)     2,800 (6.7)        99 (3.3)

              アラブ諸国    16 (11.6)       301 (0.7)      279 (0.7)        22 (0.7) 

              アジア太平洋 25 (18.1)       2,141 (4.8)     1,874 (4.5)      267 (8.9)

              欧州     49 (35.5)     37,153 (83.1)    34,743 (83.4)   2,410 (80.1)

               

               

               

              2018年の総会員数上位国と主要国の状況

               国名    総会員数  うち個人会員  うち機関会員

              ドイツ          6,101     5,864     237

              フランス         4,845     4,418     427

              オランダ         4,614     4,538       76

              イタリア         2,250     2,092     158

              イギリス         1,949     1,887     162

              オーストリア     1,911     1,820     91

              デンマーク        1,688     1,625     63

              スイス          1,687     1,626     61

              ベルギー         1,452     1,347     105 

              スペイン         1,197      926     271

              ロシア           958      836    122

              スウェーデン        954      835    119

              アメリカ         2,028      1,963      65

              カナダ           871      837      34

              オーストラリア     596      564      32

              中国            293      216      77

              北朝鮮             1        0      1

              韓国              89        54      35

              台湾              43        20      23

              日本            402      362      40


              ICOMの新しい博物館の定義に向けた議論:定義の変遷と新定義の指針

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                JUGEMテーマ:博物館

                1.ICOM博物館定義と変遷

                 

                ICOMの博物館の新定義が京都大会では採択の延期を決めたのは、あまりにも変更の度合いが大きく、事前の意見交換の期間では対立する溝を埋めることがことによる。これについて見てみたい。

                 

                現在のICOMの博物館定義は2007年のウイーン大会で採択された。ICOM規約の第3条第1項である。

                2017_ICOM_Statutes

                https://icom.museum/wp-content/uploads/2018/07/2017_ICOM_Statutes_EN.pdf

                ICOM規約(2017年6月改訂版)

                https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/pdf/ICOM_regulations.pdf

                 

                直前の2001年の定義からの変更点は無形 intangbile 遺産が追記されたこと。それ以前には有形も無形もともに言及されていない。規約の変遷はイコムのアーカイブサイトで追跡が可能で、最初の定義は1946年の創立時から存在し、最初は設立書、1951年以降は規約の条文となっている。定義については下のページで1946年版から2007年版まで確認できる。

                Development of the Museum Definition according to ICOM Statutes (1946 - 2001)

                http://archives.icom.museum/hist_def_eng.html

                 

                上記サイトに見える博物館の定義は、簡潔な1946年版の定義を充実させる形で何度も改訂されててきた。いわばマイナーチェンジである。最初の1946年定義は簡潔に過ぎるが一般公開された資料 collections to the public という言葉があり、1951年に恒久的 permanent という言葉が出現し、1961年は恒久的な機関 permanet institution とされ教育 education という言葉が加わり、1974年には非営利 non-profit と明記された。博物館の広がりや資料の有無については、当初から芸術、技術、科学、歴史、考古、そして動物園と植物園が含まれ、水族館は1951年に明記された。歴史的記念物や歴史公園、自然記念物や保護区は1961年、科学館とプラネタリウムは1974年に追記されている。条文の内容や博物館の広がりから、1974年版が現在に至る博物館定義の原型といえる。その後は博物館と見なす施設を具体的に言及して広がる改訂が1989、1995、2001年の3回おこなわている。現状の2007年の定義では無形遺産を含むと明記する一方、対象施設を示す第2項について具体的な施設一般名称を記載することをやめ、執行役員会が決めた機関としている。

                 

                2.新定義の内容

                 

                フルモデルチェンジとなった新定義(正確には案であるが煩雑なので省略)は、現定義とともにウェブサイトに示されている。現在、ICOMのウェブサイトで定義を探すとこのページが示されるようになっている。現状の定義だけ取り上げて示したページは見当たらない。それだけ新定義を訴えたいということか。

                Museum Definition - ICOM

                https://icom.museum/en/standards-guidelines/museum-definition/

                 

                日本語訳については、ICOM日本委員会から訳文は示されず、私訳が複数提案されているが、それらは後に紹介するオリジナルサイトで見ていただくこととして、ここではすでに削除された国立国会図書館の和訳を原文とともに紹介しておく。

                 

                博物館は、過去と未来に関する批判的な対話のための民主的で包摂的で多声な空間である。現在の紛争や課題を認め対処するために、博物館は、社会のために委託されて人工物や標本を保有し、未来の世代のために多様な記憶を守り、すべての人々に遺産に対する平等な権利とアクセスを保証する。

                (Museums are democratising, inclusive and polyphonic spaces for critical dialogue about the pasts and the futures. Acknowledging and addressing the conflicts and challenges of the present, they hold artefacts and specimens in trust for society, safeguard diverse memories for future generations and guarantee equal rights and equal access to heritage for all people.)

                 

                博物館は営利を目的としていない。博物館は、参加型で透明性があり、人間の尊厳、社会正義、世界的平等や幸福に貢献することを目的に、収集・保存・研究・解説・展示を行い、世界への理解を高めるため、多様なコミュニティーと、コミュニティーのために積極的に連携する。

                (Museums are not for profit. They are participatory and transparent, and work in active partnership with and for diverse communities to collect, preserve, research, interpret, exhibit, and enhance understandings of the world, aiming to contribute to human dignity and social justice, global equality and planetary wellbeing.)

                 

                ICOM announces the alternative museum definition that will be subject to a vote(ICOM,2019/7/25)

                https://icom.museum/en/news/icom-announces-the-alternative-museum-definition-that-will-be-subject-to-a-vote/

                 

                国際博物館会議(ICOM)、規約に含まれる博物館の定義の新たな案を発表:2019年9月に京都で開催される臨時理事会で採決へ Posted 2019年8月1日 カレントアウェアネス

                https://current.ndl.go.jp/node/38705

                *リンクは現在のページで和訳は削除されている。ちなみに末尾のリンクもカレントウェアネスに掲載のもの。さすがである

                 

                3.新定義の議論

                 

                京都大会から半年が経過し、新定義については不十分ながら多くの議論や評価がなされてきた。ここでは2つのウェブ読み物を紹介しておく。両者ともに新定義の私訳の他に定義やその議論を巡る事実提示や考察が示されており、たいへん勉強になる。このふたつを読めば、新定義をめぐる大まかな状況は把握できる。

                「ICOM博物館定義の再考」が示すもの─第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019 芦田彩葵

                https://artscape.jp/report/topics/10157593_4278.html

                ICOM(国際博物館会議)の意義とは何か? いま、あらためて京都大会を振り返る 青木加苗

                https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21339

                 

                さて、新定義の議論の出発点は、ICOMの特別委員会 MDPP (ICOM Standing Committee on Museum Definition, Prospects and Potentials:博物館の定義、見通しと可能性に関する委員会)が2018年12月に提出した報告書である。もちろん特別委員会の編成前から議論はされていたのだろうが、一般の会員が議論に参加可能となったのはこの時点であり、議論の道筋が示されたのがMDPP報告書であった。

                MDPP-report-and-recommendations

                https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MDPPteigeneiyaku.pdf

                MDPP「提言と報告」仮訳

                https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MDPPteigenwayaku.pdf

                 

                MDPPの報告書は長文で要点がつかみにくいが、アクソイ議長の2020年1月19日の手紙でも言及された8つの指針 criteria を中心に考えるのだろう。ICOM日本委員会の和訳(MDPP「提言と報告」仮訳)では次のとおり。原文には無いが、引用するにあたり番号を付した。

                 

                1 「博物館の定義」では、博物館の目的と価値が明確に定義されるべきであり、その目的と価値は、博物館が常に未来へ向け、持続可能で、かつ倫理、政治、社会、文化上の課題と責任を成就するべきものである

                2 「博物館の定義」では、仮に現行の用語が今後変化する場合でも、博物館に特有で本質的な共通の機能である、収集、保管、記録、研究、展示及びコレクションやその他の文化的遺産を通したコミュニケーション等の機能を維持すべきである

                3 「博物館の定義」は、現実社会の緊急性および持続可能な解決策の開発と実施という責務を含むべきである

                4 「博物館の定義」では、博物館が世界規模で活動を行う際に、多様な世界観や慣習等に敬意と配慮を持つべきとの認識が必要である

                5 「博物館の定義」では、地球規模、国内、地域、地方レベルでの権力と富に関わる、根深い社会の不平等や非対称という存在を、危惧の念を持って認識されるべきである

                6 「博物館の定義」では、それぞれの博物館が所属するコミュニティとの関係において、博物館が、協調、共有されたコミットメント、責任と権限を有する、専門的な役割を果たしているという統一的な見解を表明すべきである

                7 「博物館の定義」では、博物館が有意義な人々の集まる場であり、学習や交流のためのオープンで多様なプラットフォームであるというコミットメントを表明すべきである

                8 「博物館の定義」では、物質、財務、社会、知的リソースの取得と活用にあたっては、博物館がその説明責任と透明性を明確にすべきである

                 

                アクソイ議長の2020年1月19日の手紙

                https://icom.museum/wp-content/uploads/2020/02/Museum-definition_the-way-forward_EN.pdf

                 

                4.以下は私見

                 

                8つの指針はいずれも結構な内容であるが、現実の博物館は自由と民主主義とセットで存在するわけではない。独裁国家や西欧的価値観を比定する国家の博物館はどうなるのか、新定義が採択されれば行政からの支援が止まる事態も考えられる。新定義への指示と保留ないし反対の態度はそこを想定したものだ。

                 

                日本の場合、登録博物館は社会教育法の特別法たる博物館法で規定されており、初めから新定義の博物館と親和的と考える。つまり公立博物館や多くの博物館では多かれ少なかれ新定義の目指す博物館が先取りして実践している。そして大規模館や県立館では新定義は今後の活動目標としてふさわしい。

                 

                他方、博物館は自由であり近代以前から存在する。朴訥と資料の保存に専念する博物館があってもよい。ICOMの定義など無視すればよいだけだ。

                 

                心配するのは私立の博物館である。新定義に照らした場合、京都の有鄰館などはどう評価されるのか。これ以外にも個人コレクションが一部公開されたような博物館があるだろう。それらは権威ある国際的な基準からは博物館と見なされなくなるのか。そういったコレクションはユネスコの勧告に委ねるのだろうか。その勧告が対象とするコレクションはパブリックコレクションに限らない。

                有鄰館

                http://www.yurinkan-museum.jp

                ミュージアムとコレクションの保存活用等に関するUNESCO勧告

                https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/UNESCO_RECOMMENDATION_JPN.pdf

                「2015ユネスコ博物館勧告を読み解く」参加報告|網走日記帳

                http://unisan.jugem.jp/?eid=8

                 

                博物館には名称独占制度がないので、博物館は誰が名乗ろうと自由である。罰則もない。そのために登録制度で模範となる博物館を具体的に示し、金銭的な支援の対象を規定してきた。しかし、制度上の制約から現時点では評価の高い博物館でも登録博物館になれないケースがいくらでもある。災害などで支援が必要となったとき、現在のICOMの定義であれば、たとえ登録館でなくともICOMの規約に照らして十分に博物館と認定できるという線引きに使える。新定義の導入は、博物館から外れたり、降りてしまう博物館が出てくるのではないかと危惧する。

                 

                うがって見れば、新定義はあまりにも北西ヨーロッパの視点が強すぎる。さらに言えばスキーのジャンプの基準変更のようにも見える。東の国々が追いついてくると基準を変更する。それは基準変更によって異なる方法を発達させ別の主役を登場させるという積極的な意味がある一方、常に自分たちが世界の最先端に立ち続けるというゴールポストの恣意的移動ではないか。これが言い過ぎであれば、変化の速度は地球の各地で異なっており、21世紀になって移民の流入などで変化が激しい地域もあるだろうが、ゆっくりと時を過ごした場所もある。それら時の流れの違いを無視した突然の定義変更は無理がある。

                 

                ICOMの博物館定義は2007年版のマイナーチェンジにとどめ、新定義については現時点の使命として使える国では用いていく、そんな落しどころではないだろうか。


                ICOMの新しい博物館の定義に向けた議論:4月末までに集約が必要

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                  JUGEMテーマ:博物館

                  昨年9月のICOM京都大会では博物館の新定義が議論された。おおかたの予想どおり結果は採決の先送りであった。その後はどうなったのか。新型コロナウイルス COVID-2019 の影響でICOM関連のイベントが次々に中止となったが、いずれも京都大会の記念集会や振り返りであり、明確な目的が示されていなかった。今するべきは意見表出や議論である。じつは、昨年末から年始にかけICOMは新定義に向けての議論の手順を期限を示していた。

                   

                  ICOM英国委員会は、ICOM執行役員会が2019年12月9日に合意した事項として次のことを伝えている。

                  ・MDPP(ICOM Standing Committee on Museum Definition, Prospects and Potentials:博物館の定義、見通しと可能性に関する委員会)が継続して博物館定義の議論進展に努めることを支持する

                  ・上記の委員会をこれまでの委員会と区別してMDPP2と呼ぶことを提案する

                  ・MDPP2には会員からより多くの代理人を補充する

                  ・この重要な仕事を次の段階に進める期間を2020–2022年の3年間と設定する

                  ・MDPP2の仕事を進展させる指針 parameters を確立する

                  ICOM new museum definition – update on the next steps

                  https://uk.icom.museum/icom-new-museum-definition-update-on-the-next-steps/

                   

                  執行役員会の結果は、2020年1月19日付けICOMのアクソイ議長から国内委員会と国際委員会の執行部に宛てた手紙で通知された。

                  ・MDPP2が設置され、国内委員会と国際委員会からの代理人が追加される

                  ・各委員会で議論を始めるよう、この手紙をもって依頼する

                  ・ICOM役員会は、その議論はボトムアップモデルとして役員会を超え各委員会のすべてのメンバーが参加すると決めた

                  ・国内委員会と国際委員会では役員に限定せず、すべてのメンバーで議論することを期待する

                  ・リアルでもオンラインでも規模を問わず議論をする、メンバーから調査 surveys をする

                  そしてこれらの作業を前提に

                  ・各委員会の結果は今年2020年6月10–12日のICOM年次会議での博物館定義の議論に情報提供される

                  ・各委員会の議論や情報は4月30日までにMDPP2に送ってほしい

                  ・今年の年次会議は臨時総会や採択はなく、それらはICOM設立75周年となる2021年6月を予定する

                  Museum definition - the way forward

                  https://icom.museum/wp-content/uploads/2020/02/Museum-definition_the-way-forward_EN.pdf

                   

                  つまり、これから1か月の間は、ICOMの各委員会は会議を開き意見集約をおこない、4月30日までにMDPP2にその結果を通知する、そういう期間なのである。ICOMの会員は国際委員会(分科会)に所属していなくとも自動的に日本委員会のメンバーであるので、日本での意見集約はICOM日本委員会が主導的に進めるのが筋である。それが国内委員会の役員や事務局の責務である。

                   

                  この情報はICOM日本委員会のウェブサイトでは見えない。コロナウイルスではワシントンポストが出した日本語の記事が話題だが、本件も同様である。知るべき情報を他国のICOM国内委員会から知る状態は情けない。ICOMの事務局に予算と人員を投入することが急務である。何か良い方法はないものか。

                   

                  しびれを切らした人たちがフェイスブックページを立ち上げたが、議論は低調である。コロナのおかげて時間はあるが集会は不可。オンラインの議論には絶好の機会である。「さあ議論しましょう」というとどうしても特定の人が発言して他は黙る、とくに出遅れたと感じると沈黙してしまう。建設的な意見交換をするはずが、個人の主張の開陳、自画自賛の場となるなど。本旨から外れるが、超基本的なところの質問回答の場としても使って良いと思う。

                  ICOM「ミュージアムの定義改正」についての意見交換グループ

                  https://www.facebook.com/groups/544422873094972/

                   

                  またICOM特有の問題として、ICOMは誰のものか、誰が主役なのかという疑問がある。ひとつは、公用語が仏英西であるため言葉の問題で情報アクセスに差がでること。2つめに発言者の多くが教育担当や博物館学の専門家で研究者が少ないこと。3つめとして、ICOMそのものが文化財や美術品が主体で自然史系が少ない、つまり人間が作ったものが主流で神さまが作ったものに疎い。4つめ、大規模館、国立館、県立館では議論が現実に仕事に関連しそうに思えるが、小規模館、とりわけ地方公立館ではまったく無関係に思えること。

                   

                  最後の問題が最大の課題に思う。小規模館でも私立の場合、まわりに相談する人が居ない状態でICOMで救われたという話を聞く。設置者が博物館に不慣れなため、ICOMのメンバーが直接に手本や助言者となり、場合によっては標準仕様となるのだろう。ところが公立館の場合、博物館に不慣れ無理解であっても公務員や地方公共団体という標準仕様が存在し、たとえそのローカルな理解が独自研究であっても独善的にそれが適用される。博物館の世界では尊重すべきICOM基準など市町村の前では無力となる。工場(学校でも教室でも家族でも可)のなかでは憲法が停止されるのと同様の状況が現実にある。これを変えていくことが必要で、ICOM新定義よりも目の前の問題が重大なのである。これがICOM新定義の議論とリンクするとよいのだ。まずは名付けからだ。


                  ベトナム2020ハノイとハイフォン

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                    JUGEMテーマ:ベトナム

                     

                    2020年2月25-29日にベトナムに行ってきた。

                     

                    初めてのベトナムの旅行を終え、久々に興奮している。おもしろい、おいしい、興味深い。片言の現地語、ありがとうとか数字を口にするだけで強面の若おじさんがニカーッとしたり、つっけんどんのお姉さんが微笑む。訪れた場所はハノイとハイフォンの2か所。ハイフォンは仕事で短時間の滞在だったので、以下ほぼハノイの情報と経験です。

                    建物と町並み

                    ハノイの街、政府系の建物は大きく立派。旧市街も郊外も石造りやそれを模したコンクリート製のちいさな建物がひしめき合っている。ガイドの兄さんによると税金対策で間口が狭い作りになっているとか。2間から3間くらいなのに高さは4−5階。バルコニーも着いている。新しい建物も古い様式に則って作っているよう。郊外の住宅も同様の様式。屋根が赤瓦のような色がほとんど。緑のなか、樹木森林は少ないが田畑のなかに彩りが楽しい。焼き物で有名なバッチャン村の建物もにぎにぎしい。それに較べると関空の帰り道バスから眺める灰色の景色はほんとう寒々しいというか、げんなりする。

                    いろいろな宗教や信仰の施設があるが、仏教寺院は六色仏旗を掲げているのでわかる。ハノイの郊外東方にある Vin University はスターリン様式の上だけという外観。2018年に着工、2020年から入学開始というのでオリジナルのデザインというべきか。

                    Vin University https://vinuni.edu.vn

                     

                    ホテル

                    今回の旅行はHISのツアー「初夢フェア第2弾ベトジェットエア利用!自由自在ハノイスーペリアクラスホテル(部屋指定なし)に滞在」でホテルはおまかせだった。あてがわれてのは旧市街の北端にあるモンリージェンシー Mon Regency Hotel だった。口コミの評価はいろいろだが、まあまあよかったと思う。

                    部屋もベッドも広くてきれい。冷蔵庫、湯沸かし、テレビ、WiFiがある。冷蔵庫の飲み物は有料、上にある水ペットボトルは無料。口コミどおり水回りはいまいちで、洗面台の栓の上下が渋かった。大通りに面して騒音がひどいが夜はおさまる。問題は近くの広場でおこなわれる太極拳?か何かの集まりで、早朝からマイクで数を数える声が響く。これも目覚まし代わりのベトナム語のヒアリングと思えば悪くは無い。WiFiが遅いのが難点か。

                    立地は抜群で、とくにリムジンの乗り場に近いのがありがたい。

                    公式サイト http://www.monregencyhotel.com/en/home.htm

                    日本語サイト http://mon-regency.hotels-in-hanoi.net/ja/#main

                     

                    クレジットカード

                    クレジットカードはほとんど使えない。使えたのは全国チェーンのコンビニ VietMart と Highlands Coffee、外国人向けのレストラン、日本人相手の蓮茶の販売店、村の観光客向けの瀬戸物店。セブンイレブンやショッピングモールでは使えるが、商店街では使えないという少し前の日本とおなじ状況。異なるのは交通機関でカードが使えないこと。実際に経験したのは鉄道駅とリムジン。

                     

                    キャッシング

                    ATMでのキャッシングは3回それぞれ別の銀行のものを試したが、結局できなかった。最初の Ocean Bank の機械は少し古くてカードが戻ってこないのではとやや不安になりながら手続き。カードを挿入、ピン入力後に画面が暗転して反応せずタイムオーバー。店舗の前の機械だったので警備員に身振りで示すと、店に入れというがATMを試したかったのでパス。2台目 Vietcombank は反応して手続きは進んだ。しかしレシートを要求すると紙がないとアラートが出たので手続きを中断した。3台目はHSBC(香港上海銀行の後身)で建物のなかにあるマシンは見たことがないような格好いいもの。順調に進んで500,000ドンをキャッシング+手数料50,000ドンとのレシートも印字されたのにお金が出てこない。警備の人に言うと奥のカウンターに行けと手振り、カウンターではさらに奥の窓口へと案内される。男性の係員は外国で発行されたカードだから出来ないのだろうと言って、レシートをコピーして返金すると返してくれた。確認書がほしいと言うとそれはできない、レシートはVISAカードのものだからという理由らしい。もう信用するしかない、あるいはそもそもキャッシングされていないのかも知れない。と、思っていたら今日 2020-3-17 になってキャッシングのお知らせが配達された。無事返金されるのか。

                     

                    両替

                    ということで空港で換金した40ドルでは足りず、最終日にキャッシングを試みるもできずハノイ駅から北上して線路を越えた右側にある Vietinbank で20ドルを換金した。見せに入るとずらっと並んだカウンターの行員(みんな女性)に較べ客がまばら、手空きの人が手招きしてくれドル札を見せる。すると反対側の窓口に行けというので、行ってみると管理職っぽい男性が出てきて対応、電卓をたたいて数字を見せて確認後にベトナムドンの札をくれた。空港の両替窓口ほどスピーディーではないが、さほど待たずに交換できた。銀行の窓口での換金は書類なし、身分証不要、レシートもなし、言葉も不要だった。

                     

                    現地旅行社

                    今回の旅行はHISのフリープラン。現地の運営は SKYhub という会社で独自製作の地図の付いた小冊子とクーポンのついたプリントをくれた。せっかくなので乗ってやろうと最終日はビール1杯無料で料理の種類が多くて22ドルというRiuLiuというレストランに行くが店員はクーポンを知らず使えなかった。気の毒に思ったのか、会計は10%値引きしてくれた。後から SKYhub に聞いたところ、あらかじめ同社に申し込みが必要とのこと。クーポンや小冊子に書いてくださいと頼んだ。

                     

                    街の構造

                    高級地区

                    ハノイ駅の東側は少し高級地区らしい。歩いた範囲では北側、Phan Boi Chau 通りの Hai Ba Trungから Ly Thurong Kiet の間は高級洋酒店が何軒かあり、MUFG(三菱UFJ銀行)が入る Pacific Place の向かい(北側)には高級カフェがあり、昼休み後半だったので日本人とおぼしきお姉さんもお茶していた。ヒマワリの種を食べている人が目立った。

                    韓国街

                    街の西側にロッテホテルや大宇(デーうー)ホテルが建つ地域は、工事の囲いにもハングルが書かれて韓国の都会のようになっている。経済的な存在感は大きいし、街の一角が韓国のコピーだ。コリアタウンではなく、現代の韓国の都市の複写。

                    ベトナムの大規模開発には日本のODAが相当入っていて、羽田空港の第3ターミナル(旧称:国際線ターミナル)、ハイフォン?の長大橋などがそれにあたる。バイクもほとんどが日本のブランド。それにも関わらず、ハノイの街に日本の姿は見えない。あえて国の姿を示さなくとも、企業レベルでベトナム国民に浸透しているということか。日本におけるアメリカの姿のように。

                    ペット屋

                    見かけたペット屋は小鳥と魚。観賞魚店はホテルの近くに5軒集まっている存在。熱帯魚より金魚の方が多い感じで、全体的にも赤い魚が優勢だった。チラ見だったので詳しいことはわからない。

                     

                    動物

                    動物がほとんど居ない印象。哺乳類の姿はタンロン遺跡でリスを1回、どこかで夕方にコウモリを1回見ただけ。コウモリなど大阪の郊外より少ない。鳥も少ない。鳴き声が聞こえたのはハノイ市街ではタンロン遺跡と中心部の聖ヨゼフ大聖堂の南にある庭園 Vườn Hoa Hàng Trống (フラワーガーデン)だけ。庭園の方が多く少なくとも4種類さえずりが聞こえてほっとする。ついでにアフリカマイマイの殻を見つけぞっとする。ハノイに虫もほとんどいない。蚊には1回も刺されず姿も見ない。アリも旧王宮で1回だけ。日本だと街中の植え込みでも普通なのに。それとも日本の印象が数十年前の札幌や京都で、現在の大阪や東京では違っているのだろうか。それからハエがいない。ちいさめのを1−2回見ただけ。あれだけたくさんの飲食店があるのに感心する。ゴミの回収を徹底しているのだろう。

                     

                    自動車

                    自動車は韓国勢が優勢、バスはヒュンダイが席巻。初めてインドのタタモータースの車を見た。1トン位の小型トラック。ハノイとハイフォンの間にいすゞ自動車の工場があり、ハノイの町中のゴミ収集車はいすゞ製だった。もはや乗用車を製造していないのでブランドイメージを傷つけることもなく事業用車両に専念できる。韓国勢というと市街地の西方にはロッテセンターや大宇ホテルなどが集中する場所があり、そこだけ韓国ぽい景色になっている。ハングルを記した観光バスもあり韓国の存在感はある。比較して日本の影は薄い。

                     

                    WiFi

                    情報どおりハノイのネット通信環境は良好。公共施設ではどこでも使える。鉄道も列車には装備がないが、駅では使える。ホーチミン廟前の広場、その東の官庁街の歩道上でもWiFiが飛んでいる。リムジンや旅行会社の送迎バスでも使えて結構早い。

                     

                    ベトナム語

                    予習に使ったのはスカイプ教室とYouTube。スカイプはVVレッスンとカフェトークを1回づつ。日本語を学ぶハノイの学生が講師というVVレッスンは日本語もたどたどしく素人丸出しという感じ。発音のコツとか、自分の発音への評価など初心者が知りたいことがうまく伝えられない様子。ベトナム語がある程度でき、現地の人と貝輪を楽しみたいという上級者向けでしょう。カフェトークの Gyoku 先生は日本語も流暢で発音への指摘も的確、講師の画面を共有して教えるなどスカイプも使いこなし、質問にも丁寧に答えてくれて、たいへんよかった。

                    YouTubeでは、ベバさん BEBA VIETNAM language! 、それからカフェトークの先生がタンポポ Tanpopo Vietnamese という名前で公開してる手作り感満載のビデオがていねい。カフェトークと併用すると効果的かも知れない。おもしろかったのが英語/ベトナム語の Vierglish Fun の Vietnamese Numbers というビデオ。現地の30歳代の知り合が大笑いしていた。

                    BEBA VIETNAM language! https://www.youtube.com/channel/UCXPj5m7FgFILM_KND371_BQ

                    Tanpopo Vietnamese https://www.youtube.com/channel/UCee4aT2qPP6Q-4Pt19uEvVg

                    Vietglish Fun https://www.youtube.com/channel/UC7mu94v1zFZU8pgNX13dHsQ

                     

                    YouTubeのベトナム語番組が伝えるとおり、挨拶は二人称を付けたものがよい。というか、効果絶大である。自分は50歳を過ぎているので、たいていの相手は年下となるので使うのは男女共用の em だけ。そこで、たとえ年下でも敬意を表して年上向けの二人称を使うこともあるというので、使ってみた。すると強面のホテルの若おじさんに「ありがとう Cảm ơn anh」と言うと、照れたような笑顔で返してくれた。ただし、これが効果的なのは男性のみ。日本語でいろいろ教えてくれた年下の女性(といっても若くはない)に Cảm ơn chị 使ったところ微妙な空気が流れ、em と言い直したら緊張がほぐれて互いに顔を見合わせ笑い合うという感じだった。ここらへんは日本とおなじ。

                    それから数字も使ってみる価値がある。外国人も多い食堂で forty と言われて食事を頼み、金額を知っているのにわざわざベトナム語で bốn mươi と確かめるとつっけんどんだったお姉さんが、可愛く微笑みをくれる。

                     

                    観光対応

                    ハノイの旧市街には英語や外国語の案内看板はほとんど存在しない。ベトナム語の表記はアルファベットなので、ほとんどの外国人にとってタイや韓国のように右も左もわからないという状況には至らない。けれども英語の案内が無いというか、そもそも観光用の地図や案内板がほぼ存在しない。日本の地方で見られるような「地方を売り込む」ような姿勢は見られないのは誇り高く良いことだが、訪問者にとっては相当不便。

                    バイクの車列には圧倒されるが、川のように流れる理由は信号が少ないことによる。無秩序に走っているわけではなく、また速度も時速30kmほどなので渋滞していても車両がコントロールできている。バイクの大河を横断する心得としては、ゆっくり歩くこと。横断中に目の前をバイクが抜けていくのを許すことに思える。自分が先に渡ろうとして小走りですり抜けるような動きは秩序を乱してかえって危ない。もちろん車列が切れるタイミングで渡り始めるのであるが。それから信号が右折はいつでも可能であったり、方向別に変わったりと時差信号のような動きも把握することも必要です。

                    リムジン

                    リムジンと称しているが、ミニバンを用いた行き先固定の乗り合いタクシー。使ったのは大手バス会社 Hoang Long Bus が運行しているハイフォン行き。ここでカードが使えず200,000ドン現金で支払った。念のため前日に乗り場兼事務所へ行って予約=支払い。レシートも何も出てこないので不満そうにしていたら裏紙に手書きで予約書を書いてくれた。翌日の乗車ではその係員に目で挨拶してOK。結局紙は不要。まあ、日本でも電話で店や宿を予約したら何も証明書類は無いので、証書がなくて通用するのが普通である。

                    リムジン案内サイトの紹介ページ https://limousinevn.vn/car/hoang-long-limousine/

                     

                    鉄道

                    ハイフォン1500発の汽車でハノイのロンビエン駅まで乗車。インターネットの予約サイトでは席がなく、当日駅の窓口で切符を購入。現金。買うのは現地の人がしてくれた。ネット情報のとおり列車はほぼ満員で驚く。乗り心地は快適。揺れはあるが不安な縦揺れではなく、横揺れでむしろ心地よい。途中駅での乗り降りもあり、景色も自分は楽しめたので2時間半はちょうどよい乗車時間だった。ロンビエン駅で下車後に線路近くで写真を撮影。その時、鉄橋にカメラを向けたら向かいに座っていた警備員が声を掛けてきて指を指す。見ると撮影禁止の看板。素直に従う。

                     

                    ビール

                    ベトナムのビールは概してオリオンや韓国製普及版のような軽い口当たり。けれどもビールの味はする。なかでも Bia Hà Nội がおいしい。値段は50円くらいで清涼飲料水と変わらない。


                    ネットで読めるICOM大会の参加報告

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                      JUGEMテーマ:博物館

                       ICOM京都大会に参加するかどうか。迷いますね。4月30日で早割が終わってしまうので、決断第一関門まであと2週間です。それならば過去の大会の参加報告を読んでみようと検索してみました。結果は驚くほどにネット情報が少ないのです。幸いなことにイコム日本委員会のサイトでは公式報告書を公開しています。これ以外で参考になりそうな記事をリンクしてみました。報告を見つけられたのはミラノ、リオ、上海の3大会で、ウィーンとソウルは見つけられませんでした。

                       ところで公式サイトが残っていたのはミラノとソウル大会だけでした。ここは残っいて日本語ページもありました。アーカイブサイトらしきスペイン語のページがあるので載せておきます。検索ではイコムのページとして ICOM 2007 General Conference - ICOM Website Archives というのが当たるのですが既に削除されてしまったようです。国際委員会のページのなかには残っているものがあります。

                       ウェブページの削除は本当に愚行だと思います。博物館の親玉がこれではいただけません。ウェブサイトは速報性に加えて、蓄積も重要な機能なのだから。

                       

                      2016年ミラノ大会

                      ICOM日本委員会の報告書

                      リンクページ

                      https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

                      直リンク  2.5 MB

                      https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf

                      ICOM MILANO 2016大会レポート〜その1 [その2と7あり]

                      https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-12177550194.html

                      民音音楽博物館 ICOM(国際博物館会議)ミラノ大会に出席しました

                      http://museum.min-on.or.jp/information/detail_677.html

                      公式ページ

                      http://network.icom.museum/icom-milan-2016/

                       

                      2013年リオデジャネイロ大会

                      京都外国語大学博物館調査研究レポート「第23回ICOMリオデジャネイロ⼤大会に参加して」

                      https://www.kufs.ac.jp/umc/pdf/icom2013.pdf

                      ICOMレポート 第23回ICOM大会(ICOM Rio 2013)参加報告

                      https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MS48-10_secretariat

                      ハムと薪と、それから保存 ICOMリオ大会に出展した日本ブース [他にも記事があります]

                      http://kambanobuyuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/icom-ccbc.html

                      スペイン語のアーカイブページ見つかりません

                       

                      2010年上海大会

                      博物館の国際動向に関する考察−ICOM第22回上海大会の議論を中心として−

                      https://irdb.nii.ac.jp/00828/0000991605

                      直リンク 1.5 MB

                      http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/18578/20110721153129/D500008000011.pdf

                      ミュージアムの小径[会議]ICOM上海大会2日目・3日目 [前後にも関連記事があります]

                      http://d.hatena.ne.jp/takibata/20101110/p1

                      冒けん!発けん!【世界の博物館教育】 中国・上海市「第22回国際博物館学会(ICOM)」に参加して

                      https://www.kobegakuin.ac.jp/gakuho-net/topics/2010/vol55.html

                      神戸学院大学Topics 国際博物館会議(ICOM)上海大会<報告>

                      https://ksaotome.exblog.jp/15654694/

                      スペイン語アーカイブページ

                      https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

                       

                      2007年ウィーン大会

                      スペイン語アーカイブページ

                      https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

                       

                      2004年ソウル大会

                      公式サイト

                      http://icomkorea.org/icom2004/index.htm

                      日本語ページ

                      ICOM 2004ソウル大会参加へのご招待

                      http://icomkorea.org/icom2004/japanese/welcome.htm


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