ネットで読めるICOM大会の参加報告

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    JUGEMテーマ:博物館

     ICOM京都大会に参加するかどうか。迷いますね。4月30日で早割が終わってしまうので、決断第一関門まであと2週間です。それならば過去の大会の参加報告を読んでみようと検索してみました。結果は驚くほどにネット情報が少ないのです。幸いなことにイコム日本委員会のサイトでは公式報告書を公開しています。これ以外で参考になりそうな記事をリンクしてみました。報告を見つけられたのはミラノ、リオ、上海の3大会で、ウィーンとソウルは見つけられませんでした。

     ところで公式サイトが残っていたのはミラノとソウル大会だけでした。ここは残っいて日本語ページもありました。アーカイブサイトらしきスペイン語のページがあるので載せておきます。検索ではイコムのページとして ICOM 2007 General Conference - ICOM Website Archives というのが当たるのですが既に削除されてしまったようです。国際委員会のページのなかには残っているものがあります。

     ウェブページの削除は本当に愚行だと思います。博物館の親玉がこれではいただけません。ウェブサイトは速報性に加えて、蓄積も重要な機能なのだから。

     

    2016年ミラノ大会

    ICOM日本委員会の報告書

    リンクページ

    https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

    直リンク  2.5 MB

    https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf

    ICOM MILANO 2016大会レポート〜その1 [その2と7あり]

    https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-12177550194.html

    民音音楽博物館 ICOM(国際博物館会議)ミラノ大会に出席しました

    http://museum.min-on.or.jp/information/detail_677.html

    公式ページ

    http://network.icom.museum/icom-milan-2016/

     

    2013年リオデジャネイロ大会

    京都外国語大学博物館調査研究レポート「第23回ICOMリオデジャネイロ⼤大会に参加して」

    https://www.kufs.ac.jp/umc/pdf/icom2013.pdf

    ICOMレポート 第23回ICOM大会(ICOM Rio 2013)参加報告

    https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MS48-10_secretariat

    ハムと薪と、それから保存 ICOMリオ大会に出展した日本ブース [他にも記事があります]

    http://kambanobuyuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/icom-ccbc.html

    スペイン語のアーカイブページ見つかりません

     

    2010年上海大会

    博物館の国際動向に関する考察−ICOM第22回上海大会の議論を中心として−

    https://irdb.nii.ac.jp/00828/0000991605

    直リンク 1.5 MB

    http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/18578/20110721153129/D500008000011.pdf

    ミュージアムの小径[会議]ICOM上海大会2日目・3日目 [前後にも関連記事があります]

    http://d.hatena.ne.jp/takibata/20101110/p1

    冒けん!発けん!【世界の博物館教育】 中国・上海市「第22回国際博物館学会(ICOM)」に参加して

    https://www.kobegakuin.ac.jp/gakuho-net/topics/2010/vol55.html

    神戸学院大学Topics 国際博物館会議(ICOM)上海大会<報告>

    https://ksaotome.exblog.jp/15654694/

    スペイン語アーカイブページ

    https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

     

    2007年ウィーン大会

    スペイン語アーカイブページ

    https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

     

    2004年ソウル大会

    公式サイト

    http://icomkorea.org/icom2004/index.htm

    日本語ページ

    ICOM 2004ソウル大会参加へのご招待

    http://icomkorea.org/icom2004/japanese/welcome.htm


    ICOM京都大会に参加するには

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      JUGEMテーマ:博物館

      1.ICOMとは

       ICOM京都大会まで半年となりました。この時点になっても、ICOMってなに?どうやって参加するの? という素朴な疑問があるように思います。当方、ICOMの個人会員ですが京都大会には何も関わっておらず、罪滅ぼしにICOMと大会の参加について書いておこうと思います。

       まずICOMとは何か。ICOMは International Committee of Museum の略称で日本では国際博物館会議と訳しています。本部はパリにあり、公用語は英語、フランス語、スペイン語の3か国語です。ICOMの英語はちょっと違和感があったりするので、実際の文書作成言語はフランス語ではないかと思っています。ICOMはUNESCO(ユネスコ:国連教育科学文化機関)との協力関係がありますが国際機関ではなく、NGOです。国際機関であれば政府が直接分担金を支払い、事務局も省庁内に置かれますが、ICOMはNGOなので国内の事務局は公益財団法人日本博物館協会が持っています。

       さて、ICOMの読み方です。長らく日本ではラテン語式に「イコム」と呼んできました。出版物でも「イコム」と表記されています。ところが、京都大会の準備が始まるとにわかに「アイコム」と読む人が出現し、瞬く間に広がっていきました。そしてついに、京都大会では英語の使用場面の多さから「アイコム」と統一することにしたそうです。

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/FAQ.html

       

      2.ICOMの委員会と会員資格

       加盟する国ごとに組織された国内委員会 National Committee と専門分野に分かれた国際委員会 International Committee で構成されています。日本博物館協会が事務を担当しているのはICOM日本委員会ということになります。国際委員会は30あり、それぞれに年次総会を開催しています。重要なのは国際委員会で、ICOMのなかみはつまりは国際委員会の活動といえます。委員会といっても加入に特別な資格はなく、ICOMの会員であればひとつでも複数でも入ることができます。委員会の種類は京都大会のページでも紹介されています。

      発表募集のページ

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/calls-for-papers.html

       ページを見ればわかるとおり、国際委員会の多くはコレクションに関するものです。あるいは人材育成やマネジメントといった運営面での委員会もあります。ICOMの大きな役割は国際基準を作る=文章化することですから、国が異なっても共通の話題が可能、各国が目指すべき/最低限守るべき基準という議題に適合的です。私は辺地に居て町立博物館の勤務経験があることから地方博物館国際委員会 ICR (International Committee for Regional Museums) に入っているのですが、これはどうにもうまくない。地方博物館の目的や課題はそれぞれですので共通の基準を議論するなどできない。事例を報告しあっても「すごいですね」「たいへんですね」といった感想以上のものがでてこないように思っています。国内にはICRで頑張っている学芸員がいるので、別の面で京都大会を手伝おうとしているわけです。

       話がそれました。ICOMで疑問なのは加盟資格です。博物館での加盟は団体会員の区分となります。が、この金額が高額らしく、昨今の緊縮財政で加盟を辞める館園が出てきていると聞いています。個人会員はそれより安いので、博物館の職員個人の加盟が現実的かも知れません。問題はこの個人会員の資格で、博物館の職員や退職者、関連する行政部局や大学の教員、現役の学生などは会員になれるのですが、学生や大学院で博物館について学んだり研究したけれども博物館や関連する職に就けなかった人には加盟資格がないのです。もしかしたら運用が変わっているかも知れませんので、知っている方がいれば教えてください。

       

      3.ICOM京都大会の参加と発表

       今年9月に京都で開催されるのはICOM京都「大会」です。国際委員会や国内委員会のすべてが一堂に会するのが「大会」で3年に1度開かれます。さて、どうやって参加するのか。参加そのものはお金を払って申込すればよいのですが、ICOMや大会の仕組みがよくわからないですね。プログラムを見てみましょう。日付毎に別ページで面倒ですが、参加条件について「ICOM会員のみ」「ICOM各委員長等のみ」という記号が見えます。これらの記号がないイベントは誰でも参加できるはずです。

      プログラム日程表

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/schedule.html

       一方、発表はどうすればできるのか。ICOMは国際委員会の集まりなので、委員会ベースのセッションは委員会が発表を募集します。委員会が主催する大会のテーマや募集日程は上に書いた「発表募集」のページで委員会名をクリックすると現れます。すでに大方の募集は締め切られているようです。発表申込の締切日を2−3月が多く、なかには3月末というのもけっこうあります。国内的には4月上旬まで待ってもらえれば科研費など予算の裏付けが得られるので、配慮が欲しかったところです。

       実際には発表までするよりも参加だけの人が多いと思います。参加費が高額で早割が今月までということで、部内決裁もあるのでそろそろ参加するかどうか決める期日がせまっています。ところが、いまだプログラムが明確ではありません。4月14日現在、おもしろそうなオフサイトミーティングのページは「作成中」、ソーシャルイベントも中身が不明です。なにしろプログラム日程表の公開が4月5日なので、基調講演や全体会合のプレナリー・セッションがようやく決まったという感じなのでしょう。とにかく準備スタッフが不足しているのだと想像します。

       

      4.ICOMのなかの日本と地域組織

       ところでICOMの大会、前回は2016年のミラノ、その前は2013年のリオデジャネイロ、アジアでは2004年のソウル大会が最初の開催で次が2010年の上海でした。日本は3番目。日本委員会が前回のミラノ大会の報告書で公開しています。

      事務局からのお知らせ 「ICOMミラノ大会2016の報告を公開いたしました」

      https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

      直リンク https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf  2.5 MB

       また、ICOMには8つの地域組織 Regional Alliance があり、日本はアジア太平洋地域連盟 ICOM-ASPAC (Asia-Pacific Alliance)[アスパック] に加盟しています。こちらも日本が初めてホストとなったのが2009年になってからでした。ちなみにこれも数年前までは「アジア太平洋委員会」との訳も散見されます。固定した事務局はなく、委員長の所属館が事務をおこなうそうです。現在の委員長館は大韓民国国立中央博物館。このとおりアジアの博物館界において日本は完全に出遅れています。当局(の担当者?)にも危機感があったようで、下の報告書の「はしがき」にはあせりが正直に記してあります。ASPAC については日本博物館協会の報告書に詳しく、とくに「参考資料1/2」が初心者向けの内容です。

      平成21年度 アジア・太平洋地域の博物館連携にかかる総合調査報告書

      http://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/hokoku/h20/1409472.html

      *報告書のなかは20年度となっています。

       アジアで最初にICOMの大会を誘致した韓国では、大会の前後で博物館施策が大きく変化した、よい方向に向かったといいます。これも卵と鶏の問題で、もともと博物館に熱心だったから大会を誘致できたのかも知れません。日本も京都大会を契機に不景気な顔から脱却したいものです。

       

      5.衛星会議「サテライト・ミーティング」を

       ICOM京都大会は世界から博物館人が集まる初めての機会です。せっかくなので、大会に参加して交流するなり情報交換していきましょう。でも参加費が高い、発表の機会が欲しいという場合、サテライト・ミーティングを企画するのはいかがでしょう。古いたとえですが、1992年のリオデジャネイロ地球環境サミットでは、招待されなかったNGOが自主的に会合を開き、それが大きく報道されました。京都は狭い町ですので、会場と違う場所といっても移動にそれほど時間がかかりません。大学やお寺、場合によっては高校などで海外向けでも国内向けでもよし、展示や集まりや会議をこれから考えていきたいと思います。

       ネット上では、すでに AMeeT Art Meets Technology というウェブサイトが「勝手に応援団」というページを作っています。

      京都に「ICOM」がやってくる! 第1回:ICOMって何?

      https://www.ameet.jp/feature/1466/

      京都に「ICOM」がやってくる! 第2回:ICOM京都大会って何するの?

      https://www.ameet.jp/feature/2144/

      京都に「ICOM」がやってくる! 第3回:ICOMスアイ・アクソイ会長に聞く

      https://www.ameet.jp/feature/2398/

       ほかにも大阪市立自然史博物館の学芸員が情報発信源になっています。

      ICOM NATHIST講演のお誘い

      http://blog.livedoor.jp/sakumad2003/

      ICOM京都大会2019開催まであと1年文化の拠点としての科学系博物館の取り組み 全科協_vol48_no5

      直リンク http://jcsm.jp/wp-content/uploads/2018/09/vol48_no5.pdf  3.6 MB

       

       


      文化庁・立命館大学共同研究キックオフ・シンポジウム「新たな文化芸術創造活動の創出」

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         2018年3月24日(土)に開催された文化庁・立命館大学共同研究キックオフ・シンポジウム「新たな文化芸術創造活動の創出」に行ってきました。

        http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/app/news/pc/002308.html

         

         情報系の集まりは初めてとあって知らないことばかり。面白くたいへんな刺激を受けました。どのお話しも実務第一人者が経験した事業運営について、私見印象を交えて明け透けに語っていたのが印象に残っています。フロアにいたのは登壇者を含めて25名前後と少なく、もったいない感じですが、ほぼ内輪だったからこそ自由な話ができたのでしょう。インターネットでの中継がされていたようなので、ほかにも視聴者がいたことと思います。

         個別の話の内容は、発表者の氏名と所属で検索して探してもらうとして、講演のなかで使用された図が掲載されたページや関連すると判断した資料をわかる範囲で示しておきます。

         

        ○Introduction on Ukiyo-e.org : Database and Image Similarity Analysis Engine

        Japanese Woodblock Print Search (Ukiyo-e.org)  John Resig[Skype参加]

        Japanese Woodblock Print Search https://ukiyo-e.org

        浮世絵検索 https://ja.ukiyo-e.org[ukiyo-e.orgの日本語版]

         

        ○無制限に使ってもらうためのデジタルアーカイブ 立命館大学 赤間亮教授[現状と課題提示]

        ARCデータベースコレクション[ポータルページ]

        http://www.arc.ritsumei.ac.jp/jurc_about_c.html

        立命館大学 ARC所蔵・寄託品 古典籍データベース

        http://www.arc.ritsumei.ac.jp/dbroot/privilege/enter.htm

        立命館大学ARC所蔵浮世絵検索閲覧システム

        http://www.dh-jac.net/db/nishikie/

         

        ○「バーチャル京都」の構築とその利活用 立命館大学 矢野桂司教授

        バーチャル京都〜歴史都市京都の3Dマップ〜

        http://www.dmuchgis.com/virtual_kyoto/

        平安京オーバーレイマップ

        https://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/theater/html/heian/

        近代京都オーバーレイマップ

        https://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/theater/html/ModernKyoto/

        近藤豊写真資料

        http://www.arc-ritsumei.com

        京都の鉄道・バス 写真データベース

        http://www.dh-jac.net/db1/photodb/search_shiden.php

        kyotoメモリーグラフ[アンドロイド専用]

        https://androidappsapk.co/detail-kyotoメモリーグラフ/

        洛中洛外図屏風ポータル

        http://www.dh-jac.net/db1/rakugai/search_portal.php

        洛中洛外図屏風のWEB閲覧システムの構築

        https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=146553&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

        ARC Map Collection[データベース−立命館大学アート・リサーチセンターのポータルページ]

        http://www.arc.ritsumei.ac.jp/database.html

        Old Maps Online http://www.oldmapsonline.org

        ジオリファレンスとは?|用語集とGISの使い方|株式会社パスコ

        http://www.pasco.co.jp/recommend/word/word089/

        Georeferencer

        http://www.georeferencer.com

        日本版 MapWarper

        https://mapwarper.h-gis.jp

        2017年度国際ワークショップ「日本の古地図ポータルサイト」

        http://www.arc.ritsumei.ac.jp/GISDAY/2018/workshop.html

        Gaihozu: Japanese imperial maps | Stanford Libraries

        http://library.stanford.edu/guides/gaihozu-japanese-imperial-maps

        ひなたGIS

        https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/

        宮崎県:ひなたGIS(地理情報システム)の公開について

        https://www.pref.miyazaki.lg.jp/johoseisaku/kense/joho/20170511004426.html

        WorldMap | Center for Geographic Analysis, Harvard University

        http://gis.harvard.edu/worldmap

         

        ○ルーヴル−DNPミュージアムラボ、(フランス国立図書館)BnF×DNPミュージアムラボの取り組み

        大日本印刷株式会社 久永一郎ヒューマン・エンジニアリング・ラボ室長

        Louvre - DNP Museum Lab[日本語]

        http://www.museumlab.jp

        Museum Lab Scenes|Louvre - DNP Museum Lab[ルーブル美術館資料を用いた新しい見せ方]

        http://www.museumlab.jp/mls/index.html

         

        ○情報の扉の、そのまた向こう:渋沢栄一記念財団情報資源センターの活動

        渋沢栄一記念財団 茂原暢情報資源センター長

        実業史錦絵絵引

        https://ebiki.jp

        渋沢敬三アーカイブ

        https://shibusawakeizo.jp

        デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

        https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/

         

        ○学習ベースの市民参加型翻刻プロジェクト 国立歴史民族博物館 橋本雄太助教

        みんなで翻刻―歴史災害史料のオンライン翻刻プロジェクト

        http://honkoku.org

        みんなで翻刻:ニコニコチャンネル

        http://ch.nicovideo.jp/honkoku

        Yuta Hashimoto(@yuta1984)さん | Twitter[演者のツイッターアカウント]

        https://twitter.com/yuta1984

        みんなで翻刻(@CloudHonkoku)さん | Twitter[みんなで翻刻のツイッターアカウント]

        https://twitter.com/CloudHonkoku

         

        ○デジタルアーカイブのつなぎ方 国立情報学研究所 高野明彦教授

        孤立した知の蔵(サイロ)を繋ぐ方法―情報の蓄積を発想力に換えられるか?―[本日の内容の一部]

        http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/lff2016_forum_search2.pdf

        知識の蔵のつなぎ方―情報の蓄積を発想力に換えられるか―[上の一般利用版]

        http://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_files/11375/9/notes/ja/09takano20151109final.pdf

        検索から連想へ―知識の蔵を繋ぐ方法―

        http://www.archives.go.jp/publication/archives/wp-content/uploads/2015/03/acv_48_p08.pdf

        検索から連想へ 情報を発想力に変換する連想エンジン

        http://rensou-center.cs.nii.ac.jp/works/pdf/books_200704_Kagaku.pdf

        デジタルアーカイブの連携拡張に向けた「ジャパンサーチ(仮称)」構想

        http://archivesj.net/wp-content/uploads/2017/03/65b1b83ceb7f7851141fbd092b1adb90.pdf

        ジャパンサーチ(仮称)構築における課題〜報告書・ガイドラインの実現に向けた課題整理〜

        https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/jitumusya/dai1/siryou7-5.pdf

        本邦初、伸縮自在な年表を表示する検索エンジン「TIMEMAP」公開!

        https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000029326.html

        TIMEMAP[右上の三がメニュー]

        https://timemap.info

        欧州の文化遺産を統合するEuropeana[ヨーロピアーナ]

        http://current.ndl.go.jp/ca1863

        Europeana Collections[ヨーロピアーナの英語トップページ]

        https://www.europeana.eu/portal/en

        LOCKSS | Lots of Copies Keep Stuff Safe

        https://www.lockss.org

        電子ジャーナルの長期保存―LOCKSSとPortico

        http://tokizane.jp/Ref/TokiPDF/Tokizane-JKG-58-02.pdf

        動向レビュー:電子ジャーナルのアーカイビング−海外の代表的事例から購読契約に与える影響まで−

        http://current.ndl.go.jp/ca1597

        デジタルアーカイブの連携に関する関係省庁等連絡会、実務者協議会及びメタデータのオープン化等検討ワーキンググループ[座長:高野明彦教授]

        http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/index.html

        デジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会[座長:高野明彦教授]

        https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/index.html

        デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン

        https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/guideline.pdf

        サミット2015ホームページ|文化資源戦略会議

        http://archivesj.net/summit2015/archivesummit2015/

        アーカイブサミット2015報告集

        http://archivesj.net/wp-content/uploads/2015/07/a81dbfea25795720fd0fd14c9dbf306a.pdf

         

         討論の時間は1時間と長めの設定、はじめに「著作権の話はしない」という条件が示され理想と可能性を語ろうという姿勢が明確でした。現状での最適化の追求、不可能性の開陳、不満の共有で終わらせないという意思表示でしょう。来年度以降も研究会や集まりがあるかも知れないとのこと。今後の展開が楽しみです。


        仕事の年報2017年度版

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          JUGEMテーマ:博物館

           

          北海道命名150年。2018年は全国的には明治150年、北海道では命名150年としてさまざまなイベントが企画されている。50年前、1968(昭和43)年の明治百年、北海道は「開道百年」を祝った。北海道大博覧会が開催され、9月2日の記念式典には天皇皇后両陛下が臨席した。高度経済成長のまっただ中にあり、1970年の大阪万国博覧会を控え、石油ショックはまだ影を見せず、インフレに仰ぎながらもそれを上回る賃金の上昇が確約され、1972年の札幌オリンピックの招致も決まった熱い時代だった。そして北海道博物館、当時の名でいえば北海道開拓記念館の建設も開道百年の記念事業として決定された。


          開基百年。この言葉、若い人にはなじみがないだろう。役所が置かれて100年となる年を北海道の市町村ではこう呼んだ。内地と異なり、北海道では地域の起源となる年が定まるのである。もちろん近世、江戸時代とは幕藩体制国家の範囲に用いる言葉であり、その外側にあった蝦夷地は外国であるため北海道の歴史では近世を好んで使う、にも内地からの出稼ぎ者や一部には定住者もあった。けれどもそれは非公式な住民ということだろう。北海道と命名されて、役所が置かれて、正式に日本の歴史に登場する、そんな感覚だろうか。市町村でも開基百年の記念事業として博物館建設がブームになっていく。それにしても、開道も開基も開拓も、その言葉は


          誰の歴史かという視点が問われる。役所に歴史の原点を求める姿勢、これは紛れもなく入殖者の歴史観、成功した植民地を公言する表現である。昭和の自治体史には「アイヌが住んでいるだけで」といった露骨な差別表現が散見される。しかしそれは時に棄民状態に放置された開拓時代を堪えしのぎ、戦争の時代をくぐり抜け、ようやく安堵できる生活を手にした経験からすれば、悪気のない表現だったのかも知れない。それでも彼らとは別に我が歴史は展開したという見方は覚えておきたい。いろいろな経験と反省、先住民の権利の回復の世界的な流れを受け、今回の記念事業では北海道の命名者でありアイヌの人たちの理解者であった松浦武四郎を取り上げている。必要なのは開拓の歴史を抹消することでは無く、事実を見つめ、自分たちとは異なる視点で評価を加えることだ。


          ガラスネガに写し込まれたのは1888(明治21)年の網走である。普段の生活では意識されないが、この町でも当然アイヌの人たちが暮らしていた。農地は測量すら未遂でオホーツクでは屯田兵もまだいない。農業以前の網走の姿である。できたばかりの市街地では、すでに旅館が営業を始めていた。市街地の整備に先立ちアイヌコタンを強制的に移したのは1886年のことという。コタンの姿はチセを含めて本来の姿ではないのだろう。そして彼らは慣れない農業や漁業に従事することになる。それにしても帽子岩を臨む網走川の河畔風景は美しい。現在の生活の質を確保しながら失った美を取り戻すこと、これが150年目の課題となっていくだろう。

           


          仕事の年報2016年度版

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            2.1%。これが当課程の新卒者が、契約職員以上の身分でミュージアムに就職した実績である。実数では241名中の5名である。2014年卒業者から就職者が出ていないので、このところ就職率は下降の一方であるが、それでも実態調査に基づく全国平均0.6%の3倍以上の数字である。2013年3月の時点では、132人の修得者に対し、同等の待遇で博物館等に職を得ていたのは5人、博物館への就職率は3.8%となり、これが最大瞬間風速であった。転職や臨時職員、水族館などに一時的にでも在職していた卒業生は現時点で13人、昨年までの単位修得者206名で割ると含める6.3%、16人に1人となる。このあたりが現実的な数字に思える。新卒でなくとも、何らかの形で博物館や動物園、水族館で仕事ができるチャンスは、案外高いのかも知れない。


            就職者が何人いるのか。大学の学芸員養成課程はいつも問い続けられている。学芸員養成は学究の場でなく、資格課程であるので、就職人数が評価の第一基準である。言ってしまえば、学芸員を輩出しない課程では存在意義がないのである。学芸員は、社会教育機関としての博物館で働く専門職員である。そのための知識や技能、経験を生かしたノウハウは養成課程で学ぶが、いわゆる専門というのは学部学科での教育で修得するのである。一部の私立大学では、日本美術史や考古学関係の単位取得を学芸員資格の要件とし、卒業生は文化財保護法で義務付けられた緊急発掘の現場を渡り歩き、地方の博物館に就職するというコースがあった。考古学が専門で発掘調査の出土資料を展示する博物館の学芸員。ひとつの類型としてそれがあった。


            自然史系の学芸員が現れるのは、北海道の地方では1970年代末のこと。団塊世代の彼らはすでに退職したが、自然史学芸員のイメージは特定少数の彼らが作り上げたものだ。現在の若手学芸員はそのイメージを持って就職し、そして新たな形を展開しつつある。自然再生、関連団体のコーディネイト、美術制作など、個性を生かし、第一世代には見られなかった新しい学芸員の姿が見えてきた。もちろん美術館にも学芸員がいる。資料の採集や製作ではなく、市場価値を有する人類の到達点を、世界の隅々から交渉を重ねて実現する特別展を最大の仕事とする。彼らの姿は、考古学とも自然史系とも異なる学芸員のイメージを体現している。


            動物園水族館の学芸員像は、いまだ明らかではない。解説や教育事業の担当者としての姿はあっても、外に名前が聞こえる学芸員は現れない。仕事の主役は飼育員であり、至高の専門家に獣医師がいて、方向性は園長が決める。その狭間にあって、学芸員は、いまだ迷いの中にいる。動物の飼育を目的とする機関の学芸員とは何者か。その問いに答えるのが、これからの仕事である。何かが見えてきたならば、そっと教えて欲しい。後に続くものがいるのだから。

             


            仕事の年報2015年度版

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              農大ロビー展が第5回となった。幸いなことに展示期間中の入館者数は1回目の270人から右肩上がりで、296人、324人、406人と来て、今年は644人と昨年の5割増しの過去最高となった。観覧者の実数はカウントしておらず、無料の展示であることから入館者数をもって観覧者数としている。同時期に開催している他のロビー展示、講座や講演会といった普及事業の参加人数も含めた数字であるので、農大ロビー展への観覧者が増加したとは限らず、むしろ他の要因の方が大きいのかも知れない。しかしながら、今年に限っては、進化生物学研究所から借用したエピオルニス全身骨格レプリカ標本を見に来た人が多かったのではないかと思っている。目玉資料の威力である。


              特別展は学芸員の特権と当方は授業で説明している。試しにネット検索したところ、最上位の結果は自分のテキストだったので、この表現はあまり一般的でないのかも知れない。あるいは「特権」という言葉をはばかる向きがあるのかと思う。けれども自らの疑問や成果を文章だけでなく、写真や映像、実物資料でかたちにし、公共の空間を使って実現する「知的情熱の物体的表現」は、とてもやりがいのある仕事である。さらに展示の仕事は最終的な表現だけでなく、そこに至る過程と反響こそが面白い。素材の探索と調達、新たな人とのつながり、思わぬ評価や自然と集まってくる資料など、学生たちには展示の醍醐味に少しでも触れて欲しいと願う。


              空間の博物館化は駅や百貨店をはじめ多方面で進んでいる。シンプルに展示ケースを置くことから実際に美術館や博物館を設けることまで、空間を改変して展示の意図を与える動きである。それは空間に意味を与える営みともいえる。合理的効率的ではあっても無味乾燥な空間から、心地よく存在できる場所への転換である。意味を与えられた場所には人があつまり話題が生まれ、物も集まる。それは1枚の絵でも写真でもかまわない。そこに屋根を掛ければ館となる。ふれあい、にぎわい、など行政主導のキーワードもおなじところを目指している。


              名付けも意味を与える行為である。学生が手掛けるロビー展も内容に関わらず、必ず「農大」の2文字を入れてきた。会場が大学ではなく本物の博物館で行うこと、「農大ロビー展」が略称として座りがいいこと、宣伝効果を考えてのことだが、学生にとっては自分たちを知って欲しいと思う気持ちがある。そして何よりも大学の名称に愛着を持っている。違和感なく受け入れ、口に出して言える名前。単なる記号や呼称を超えた名前のもとで4年間が過ごせれば、その学生生活は幸せだったといえるだろう。

               


              仕事の年報2014年度版

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                消えていいのか、日本の動物園・水族館。これは日本動物園水族館協会が2013年に行ったシンポジウム「いのちの博物館の実現に向けて」のサブタイトルである。以後、このシンポジウムは2015年2月まで計6回が開催されてきた。これまで当然としていた遠い地域のめずらしい動物を展示することが、今後はできなくなるかも知れない。このままでは動物園も水族館も絶滅するという強い問題意識が現れている。遠からずゾウやキリンがいなくなるのだという。水族館ではラッコが危機的状況にある。1982年に国内で初めて飼育されてから30年余り、1990年代には120頭以上が飼育されていたが、2014年には約30頭となった。何より危機的なのは繁殖年齢メスが一桁という数字である。ラッコが分布するアメリカやロシアからの輸入は止まったままで、いずれ国内からラッコは姿を消すことになるという。


                野生動物の保護を求める声の高まりとともに、野生生物の輸出入を規制する国際条約が締結され、稀少な生き物を国外に持ち出すことを禁じた法整備も各国で進んでいる。法律上の問題はなくとも、市民運動や住民の力の行使により、野生動物が持ち出せない状況さえ生まれている。生物多様性の保全、地域の自然の保護からすれば喜ばしいことに違いない。財力にものを言わせて珍獣を見世物にする時代は、先進国では完全に終わったのである。ただし新興国ではいまだに需用が増えており、人気のある大型獣は市場価格が高騰、国内の公立動物園では手が出ない価格になっている。


                危機は海外からの動物の入手だけでなく、飼育自体に及んでいる。動物園は、本来群れで生きる動物を少数で飼うことの是非について答えを出さなければならない。娯楽や教育、研究を経て究極的には生息地と個体群を守る技術と政策を生み出す必要悪と答えるのか、生息地まで出掛けていって野生個体を見て楽しむのは一部の富裕層であり、大衆の楽しみには動物園が必要だと答えるのか。それとも飼育適合種を絞り込む方向に向かうのか。すでに地元のちいさな生き物へと、展示をシフトする動きもある。釣りや遊びで親しんだ地域の生き物を見直し、世代間の知識や文化の受け継ぎも含んだ試みである。身近な生物でも実は絶滅の恐れにあることも多く、生息地以外での保存の役割も持ち、奨励される飼育と考えられる。


                倫理的な条件が重視されるのは動物園に限らない。研究機関で使う実験動物も、適切な飼育環境と苦痛の軽減が法令上の条件となっている。動物の福祉はエキセントリックな過激思想ではなく、もはや国際基準である。数十年後の動物園や水族館の将来の姿は、現在とは異なる様子になっているはずである。その形は、これから活躍する若者が決めていく。子どもの頃の思い出を胸に就職を思い描くのではなく、新しい人と動物の関係を作る仕事が待っている。

                 


                仕事の年報2013年度版

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                  キュレーターは学芸員に対応する英語である。より正確には、コレクションの部門長といったところであるが、使われ方は博物館によって異なり、一つの研究分野に多数の人が名乗る場合もある。仕事の範囲もさまざまで、ちいさな館では研究も資料管理も担うが、大規模館では資料管理の責任者としてコレクションマネジャーを置く分業体制となっている。英語圏の博物館では、研究志向の何でも屋のキュレーターから各種専門職が確立していった。それでもキュレーターは博物館の研究部門では最高位の職である。しかし、


                  インターネットの世界ではキュレーターの語は異なった意味で用いられている。いわゆる「まとめサイト」をつくる作業を「キュレーション」、まとめる人たちを「キュレーター」と呼ぶのだという。現実の世界でキュレーターを学芸員と理解する前に、バーチャルの世界では別の用法が確立し、それがリアルの世界にまで入り込もうとしている。すでにデジタルな理解でキュレーションを語る書籍が出版され、キュレーターは博物館と離れた意味で普及していくのかも知れない。似た例に


                  アーカイブがある。現実の世界ではアーカイブはいつまでたっても認知が進まず、アーキビストに到っては対応する日本語すら存在しない。一方、コンピュータの用語では、使わなくなったデータを圧縮して保存するという意味で、一般的に使われるようになって久しい。バーチャルが先でリアルが後でもよい。古いデータを保存する習慣、過去の記録を調べる体験がこれによって共有されていく。いずれ、リアルの世界でもアーカイブの価値が理解されていくと期待したい。文書や記録は捨てるのでも燃やすのでもなく、しっかり保存整理するべき財産だと。これはインターネットの


                  ウェブサイトにも言えることだ。博物館のウェブページは新しい情報を告知するだけではない。情報の蓄積場所としての役割もある。博物館の調査や収集活動、展示やコレクションに関する記録は毎年毎月増加を続ける。古い情報はウェブサイトから削除するのではなく、リンクを残して積み上げる。それは一種のアーカイブとして機能する。最新機器を駆使した高精度画像や巨大システムは必要ない。地道な足取りをたどる日誌や報告書のような資料集にこそ意味がある。それが博物館の歴史である。

                   


                  仕事の年報2012年度版

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                    網走は博物館に恵まれた場所である。市内のまとまった地域に登録博物館が4館、網走市立郷土博物館・網走市立美術館・北海道立北方民族博物館・博物館網走監獄が存在する。これらは北海道では長い歴史を持つ本格的な私立博物館と公立美術館、博物館の名称を持つ唯一の道立施設、道内では最多の入場者を誇る野外博物館など重要な博物館ばかりである。いずれもキャンパスからバスで10分程度の場所にあり、すいた道路をバスで行けば1コマの授業90分間の間で駆け足ながら見学が可能である。オホーツクキャンパスは学内に博物館を持たないが、立地環境は学芸員養成において恵まれた条件にあると評価できる。


                    周辺にも調査や展示の支援者にあふれる美幌博物館、普及活動と出版物が充実した知床博物館物館、数少ない本格的な丸瀬布昆虫生態館、世界的に活躍するデザイナー造形作家の作品を収めたシゲチャンランドなどが存在し、多様で個性豊かな博物館に囲まれている。2012年7月に改装開館した「おんねゆ温泉・山の水族館」は2か月で10万人の入館者を集め、注目度一番である。往復200kmを越えるが、十勝の足寄動物化石博物館やタンチョウを飼育する釧路市動物園は、その分野では世界にその名が届いている。土曜日に行った学生時代の見学だけでは、本当の価値は十分見つけられないかも知れない。


                    水族館もかつて網走に存在した。2002年に閉館したオホーツク水族館である。返す返すもこのことだけは残念でならない。8月の理事会で決定、9月に閉館というあっという間のできごとだった。その後、2006年になって本学部にアクアバイオ学科と学術情報課程が設立された。この間4年。これをなんとか持ちこたえていれば、道が開けたかも知れないと思うとほんとうに悔やまれる。


                    廃止削減は現在の博物館界を揺るがす流行事象となっている。このことは特定の地方公共団体に目立ち、「自治体リスク」とでもいうべき状況である。一度なくした博物館を再開することはきわめて困難であり、廃止は子ども世代への影響を鑑み慎重に判断すべきである。博物館の評価とは教育上の効果を最重視すべきであり、そのひとつとして大学での利用、学芸員養成における価値を訴えていくことも必要だろう。それには学芸員や養成課程への理解が前提となり、本課程の存在意義のひとつもそこにある。

                     


                    仕事の年報2011年度版

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                      来年度から博物館施行規則が変わり、学芸員の資格取得に必要な「博物館に関する科目」が現行の8科目12単位から9科目19単位に増加する。博物館展示論と博物館資料保存論が2単位、の科目として新設され、現行の教育学概論が博物館教育論と改名、生涯学習概論と博物館経営論は名前はそのままでそれぞれ2単位となる。今回の改訂に際しては、大学院教育や上級学芸員資格の新設、国際的な養成水準の確保、現代的要求への対応など多くの課題が検討されたが、実施可能な選択が学部での講義の増加であった。この改訂について、私立大学の関係者ではまったく別の視点で語られてきた。新規科目は専任教員で講義できるのか、外部講師の人材はいるか、その確保は大丈夫か、できない場合は学芸員養成課程そのものが維持不能になるのではないかという不安である。


                      養成課程の廃止は現実のものとなった。すでに北海道の酪農学園大学や大阪府立大学、岡山県立大学では平成23年度の入学者から、青森県にある北里大学獣医学部、宮城教育大学、麻生大学、山梨英和大学、広島修道大学、県立長崎シーボルト大学、阿蘇山麓の東海大学農学部は新課程となる来年度24年の入学者から学芸員養成課程を廃止する。予想されていたとおり地方の小規模な大学が名を連ねているが、課程の廃止は公立大学、農学系や獣医学系を含む中核的な大学までに及んでいる。理由については、担当教員の確保が困難というよりも、就職がなく費用対効果が低い、そして学生からのニーズがないのだという。


                      逆に国立大学のなかには、岐阜大学教育学部と応用生物科学部、三重大学生物資源学部のように、来年度から新規に学芸員課程を設置する学部がある。どちらも農学系の学部である。私立大学や公立大学とは時代への適応方法が異なるのか、それとも学生の志向の差なのか。私立大学と国立大学では動きが違う。国立の大学博物館は、大学博物館等協議会を組織、博物科学会を設けて資料の研究を進めている。一方、私立大学は学芸員養成課程で構成する全国大学博物館学講座協議会(全博協)に集まる。ここでの近年の関心事はもっぱら文部科学省の動向であった。両者に接点は少なく壁は高い。


                      教育の内容はさらに個別的である。文部科学省は授業項目を明記してはいるが、実際には教員の自由裁量が大きい。課程の授業について、現実の博物館は希望や要望をもっと届けるべきではないか。学会は養成内容にもっと目を向けてほしい。現場との対話、研究の後ろ盾によって、大学は学芸員養成課程を実りある内容に育てることができるのだから。