ノルウェー旅行情報2016

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    JUGEMテーマ:北欧旅行

     2016年11月後半、ノルウェーに行ってきましたので、その時の旅行情報をメモしておきます。行き先は、南部ベストフォル Vestfold 県のサンデフィヨルド Sandefjord とテンスベルク Tønsberg、それからオスロ Oslo です。ノルウェークローネは13円で計算しています。

     

    お金と両替

     両替はしませんでした。支払はすべてカードで済みました。現金引出機を見かけたのはオスロ中央駅のみです。カードが使えるか心配だったのは路線バスでしたが、長距離バスもサンデフィヨルドの路線バスもバスの中でカード支払が可能でした。国鉄の駅のトイレは有料で10–20kr(130–260円)ですが、これもカードが使えます。というか、カードのみ使用可というケースがほとんどです。地下鉄(郊外電車)や路面電車(トラム)は事前に切符を購入するシステムなので、車内での支払自体がありません。もちろん券売機でカードは使用可能です。ちなみにトイレ20krというのはオスロ中央駅で、馬鹿高いと思いつつ、青い光の独自空間を見て、とりあえずなっとく。オーロラのイメージなんでしょか。

     思うに、ノルウェーは独自通貨クローネ kr NOK を使用していて、現金は自国のみの流通。現金を持つ価値があまりないのかも知れないと想像しています。

     

    天気

     ノルウェーでの旅行期間は2016年11月17–23日でした。この間、ずっと雨でした。もっとも一日中降っているわけではなく、どんよりとした曇り空で、ときどき時雨(しぐれ)るという感じ。ただ、降り方はけっこう強いこともありました。青空を見たのは2回。日射し、つまり直射日光や影を見たことは一度もありません。聞くと、このノルウェー南部の天気は11月が最悪だそう。そもそも昼間の時間が身近く、太陽も高く昇らず低空飛行で、ずっと曇りの夕方のような感じ。クリスマスの飾り付けやイルミネーションに力を入れるのもよくわかります。

     

    食事と食べ物・飲み物

     ひとりで旅行していると、食事に困ることがあります。ちゃんとしたレストランに入る気もおきなくて、ファストフードや、日本であれば丼物や定食という定番があります。が、ノルウェーは食事がとりわけ貧弱で、暖かいものや汁物がないのです。ホテルの朝食はバイキングです。そもそも、火を使った、つまりその場で料理したものは、スクランブルエッグ、ベーコン、ジャガイモとソーセージ、これくらいです。そして、保温をしない。そのなかで暖かいものはコーヒーのみ、ということも普通にあります。

     物価が高く、サンドウィッチが作り置きの冷たいものが50–60(715–780円)、サブウェイのハーフサイズ=15cmも55–65kr(715–845円)くらいです。バーガーキングのチキンフィレセットが85kr(1105円)くらい、夕食も、午後7時半になると弁当が半額なんてのもない。他の国では、デパ地下やスーパーで暖かい総菜が売っていますが、それが無い。かろうじてオスロ中央駅でサラダの量り売りがあり、ローストビーフやチキン、温野菜も選べました。もちろん肉や温野菜も冷蔵です。たくさん盛ってまあ満足したら102kr(1326円)比較的手頃な値段と内容だったのが、カット野菜とトマトでした。レタスやサラダ菜が中心のカット野菜は、たっぷり2人分あって、たしか25–30kr(325–390円)くらい、トマトは小さくてミディトマト2–3個分の皮の固いピーマントマトが2kr(26円)程度と目方でいっても日本より安いくらいでした。

     たんぱく質は、薄切りハムの仲間のなかに、ローストビーフや煮豚のような肉そのものも100g入り25–28kr(325–364円)くらいで入手できました。朝食の薄切りソーセージが塩辛く、辟易していたので、ありがたいものです。お値段はkr。これにビールを買って部屋で食べてました。

     ビールは330ccが20–25kr(260–325円)ほどで日本よりは高額ですが、それほどでもない。いかに日本のビールの税金が高すぎるのか、よくわかります。飲物は、水は安かったです。1.5リットルのペットボトルが10kr(130円)ほどでした。正確には本体8.9kr、+Pant(容器代預かり金)2.5krです。ちなみに缶ビールの+Pantは一律1krのよう。コーヒーは高くなく日本のスタバとおなじか、やや高いくらいの印象です。オスロ空港の搭乗待合室の売店でカプチーノ27kr(351円)でした。

     

    古書店

     オスロでは古書店に2つ入りました。古本屋というよりアンティーク書店といった感じの店です。検索して見つけておいた Bjørn Ringstrøms Antikvariat は目的地にはありませんでした。店舗跡のみで、廃業なのか移転なのかはわかりません。

     実際に購入した書店は国立美術館のすぐ南の Norlis Antikvariat で、目当ての本の一部を購入、無かった本について訪ねるて教えてもらったのが Adamstuen Antik でした。両方ともオスロ中央駅からトラムで行けます。ノルウェー語での古書店共通サイトがあるようで、在庫を聞くとネットで調べていました。値段もそれを見て伝えてくれた場合があるので、雇われ店主の情報源なのかも知れません。価格の平準化にも役立っていそうです。

     

    ノルウェー語

     自分はまったくわかりません。が、経験したことは2つ。ひとつは、til Bergen と1つ前置詞を使っただけなのに空港の係員がノルウェー語でばんばん話してきたこと、それから、ありがとう takk を使うととてもいい笑顔を返してくれることです。英語が比較的通じるノルウェーでも、自国語を話してくれるとうれしいんでしょうね。takk の発音はタックと表記するのですが、自分にはむしろタッキ(子音のみ)と聞こえます。簡単なので、使っていきたいです。

     バスや電車のなかは誰もしゃべらずスマホに夢中、しんとした車内ですが、話す場所では饒舌なノルウェー人。抑揚が独特、文字通り息を飲む相づちなど、気取らないあたたかな言葉だと思えてきました。


    樺太(サハリン)旅行の情報

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      JUGEMテーマ:ロシア

       2016年7月16–20日に札幌から樺太(サハリン)に行ってきました。気付いたことなどいろいろ。

       

      パック旅行

       目的は樺太南部への簡単な野外調査でしたが、ユジノサハリンスクから日帰り可能と聞いてフリープランのパック旅行(C1-2225)にしました。観光ビザだと宿泊地がホテルに固定されてしまいますが、旅行会社が発行してくれます。もし、野外泊やホテル以外での宿泊が必要になると専用のビザが必要になって事前の手続が面倒です。今回使ったのはJIC旅行センターでロシア方面を得意とする会社です。値段は、千歳からユジノサハリンスクまでの往復航空券75000円と空港税(新千歳)1030円、ホテル4泊(朝食付き)、ビザ実費4000円&発行手数料5400円、1人料金2万円、空港からの送迎をすべて含んで165,230円でした。引き算するとホテル代+送迎+企画料は79800円となります。ちなみにパック旅行の参加者は自分1人でした。

       

      両替とカード

       千歳空港のTravelexの円からルーブルへの交換レートは1ルーブル=2.8円。為替市場では1ルーブル1.6円だったからえらく悪いレートです。これがドルだと110円(7/15のレートが105円)。やはり日本国内での両替でレートが納得できるのはドルだけと再度思いました。以前、ノルウェークロナに換えたときも悪かった。わかっていながら国内で両替したのは、行きが土曜日でしかも到着が夜10時だったから。実際、ユジノの空港ではATMを見つけられませんでした。ホテルには24時間稼働のATMがあったのですが、電気が消えていて帰る日まで動いてなかったです。ただし、市内のスーパーマーケットやショッピングセンターにはATMがあり、レジでカードが使えるようです(自分は使っていない)。

       

      ホテル

       泊まったのはガガーリンホテル。部屋は広くてきれいで、ベッドも固くてよかったです。ドライヤーとバスローブ、冷蔵庫、電気ケトルあり。けれども、部屋のあちこちが、いちいち気が利かない。照明のスイッチが枕元にない、電気ケトルはあったがコンセントが近くに見当たらず、ベッドの横の床で湯を沸かす。エアコンは部屋で操作できる独立方式だが、音がえらくやかましい。バスルームの換気扇もうるさい、などなど。ただ、朝食はブッフェ方式で日替わりでおいしいかったです。コーヒーは薄くて物足りなかったけれど。ただひとつ問題があり、ネットでうわさどおりの大音量のカラオケが凄まじい。床も壁も振動して、ガラスがびびるほどでしたが、これは初日土曜日の深夜12時でぴたっと止んで、それ以降は静かでした。

       

      物価

       外食は日本並みの価格で、現地の所得を考えると非常に高い印象です。韓国料理のチゲ鍋とかクッパが480ルーブルくらい。デパート?のロシア料理のカフェテリアで5品とったら500ルーブルを越えてしまいました。ファストフードのコーヒー100ルーブル。カフェラテ120ルーブル、紅茶は50ルーブル。ドーナツ50ルーブルから。カフェラテはコーヒーが薄口。菓子や清涼飲料水もちゃんと覚えていませんが高いですね。ポテチが一番安くて普通サイズ70ルーブルくらい。一方、ビールは安くて500ccで60ルーブル。

       

      バス

       市内の路線バスは頻繁に走っていますが、時刻表も系統表示もありません。ですが、バス停に人があふれることもなく、平日の昼間であれば、ちょっと待てば乗れるようです。夜や休日は使っていないのでわかりません。「シチモール」から中心部まで20ルーブルでした。路線図は市内地図、稚内市のウェブページ掲載のとおなじ、に載っていました。「ユジノサハリンスク市内の路線バス(2014年7月28日)/稚内市」

      http://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/sangyo/saharin/yousu/report_on_20140728.html 

       交通と観光案内のウェブサイトは「Sakhalin Travel Information - サハリン観光旅行案内 - Ekinave」がよいと思います。 http://ekinavi-net.jp/sakhalin/index.html


      買い物

       スーパーマーケットがあちこちにあるので、言葉抜きで買い物ができます。24時間営業の店もありました。入りませんでしたが、ドラッグストアも数多くあります。コンビニは見なませんでした。ユジノサハリンスク駅北側のガイドブックでいう自由市場やその周辺は、デパートからダーチャで摘んできたようなイチゴを売る人までいろいろで面白かったです。他方、大きい本屋が見当たりません。郊外の最大のショッピングセンター「チシモール」にも行きましたが、書店は絵本と学習参考書が大半で、おとな向けはベストセラー志向の読み物ばかり。田舎の本屋の典型といえばそうですが、人口18万人にしてはさびしすぎる印象です。

       

      その他

       ツバメは中知床岬の途中で何羽か見ました。アマツバメはユジノ市街にたくさんいて、アパートの軒から中に入って巣を作っています。ササは中知床岬の半島では見ませんでしたが、ユジノ東のスキー場(旭が丘)のわきにはまばらにありました。以上です。


      第5回農大ロビー展「近藤典生と自然動植物公園」

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         第5回農大ロビー展「近藤典生と自然動植物公園」は、12月21日に借用資料を返却して完全に終了。それで返却時まで気付かなかったが、今年は近藤の生誕100年だったのだ。そのつもりがなかったので「近藤典生 1915–1997 はマダガスカルを日本に紹介し、南米からマナティーを持ち帰り、動物園に景観と柵無し展示を導入したパイオニアです」と書いておきながら、自覚がなかった。逆に進化生物学研究所があれだけ好意的に協力してくれたのは、それを意識してのことだった。無自覚のうちに記念事業をしたんだから、これは縁があったのだろう。
        この展示は、学芸員養成課程の必修科目「博物館実習」の学内実習として毎年3年生が取り組んでいるもの。例年は学生からテーマを募集しているのだが、タイトルこそ違うものの毎年1回目とおなじ「農大生が見た網走」という内容になっていた。さすがに5回目もおなじだと飽きられるし、何よりやっている自分自身が面白くない。ということで、今年に限り自分の趣味でテーマを決め、資料の選択も、写真も文章も自分で作って学生に与えた。エピオルニスの全身骨格レプリカ標本が効いたのか、観覧者数(=期間中の入館者数)は昨年の5割増しだから、まあ成功だったのだろう。とはいっても実数は644人だけど。
        学芸員養成課程の1−2年生は授業として見学に連れて行っている。驚いたのは2年生に近藤典生を知っていたという学生がいたこと。全員に聞いたのではなく、20人弱のうちに1人いたのです。さすがというべきか。自分自身は、農大に職を得るまでまったく知らず、その名を聞いたのは北見で学芸員をしている農大学芸員養成課程1期生から。曰く、名護のネオパークオキナワや伊豆シャボテン公園、長崎バイオパークなどは実習学生を受け入れてくれるはず。これらは近藤典生という先生が云々。実際、これらの施設は自分が知っていた公立の動物園とはひと味違う世界で感銘を受けた。それで今回の展示に至ったのだが、それがちょうど生誕100年とは話が出来すぎにも思える。
        「遠くに行きたい」、これを実践して弟子を数多く育てた人物だったのだろう。その思いは自分も持ち続けている。


        第5回農大ロビー展「近藤典生と自然動植物公園」
        開催期間:12月5−13日(8日間)月曜休館、最終日は午後3時まで
        会場:北海道立北方民族博物館 特別展示室
        主催:東京農業大学学術情報課程(オホーツクキャンパス)・北海道立北方民族博物館
        おもな展示資料:エピオルニス全身骨格レプリカ標本(日本唯一にして北海道初上陸)、
        頭骨レプリカ標本(アメリカマナティ、カピバラ、ワオキツネザル)、バオバブの盆栽と種子
        近藤愛用の旅行かばん、1961年アフリカ縦断調査のナンバープレート、自然動植物公園の造成工事アルバム
        ポスター制作:工藤 茜

        近藤典生 1915–1997 はマダガスカルを日本に紹介し、南米からマナティーを持ち帰り、動物園に景観と柵無し展示を導入したパイオニアです。1960–70年代には異境を歩いた探検研究者として知られ、百貨店での展示会を100回以上開催、テレビやラジオなどのメディアに登場し、少年少女向けの生物記事を多数執筆監修しました。知らず知らずのうちに近藤の文章に触れ、生き物の不思議や遠くの世界に夢を馳せた人も多かったと思われます。すっかりおなじみとなったキツネザルやカピバラは、近藤が飼育の先鞭を付けたものです。檻や柵を無くした自然動植物公園「バイオパーク」を実現する一方、生き物を資源として見る視線も持ち合わせており、しかも飼育には水やエネルギーの投入量を減らし、現状の地形を生かすなど、近藤の考える共生は現在の環境思想を先取りしたものでした。
        今春、にわかにイルカ飼育の是非が問題となりました。近藤典生が導いた自然動植物公園は、そのひとつの回答になっていると考えています。

        期間中の来館者は644名でした。これは昨年の1.5倍にあたります。
        ウェブページ「近藤典生と自然動植物公園」
        http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/~muse/kondo/kondo_and_biopark.html
        解説書
        http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/~muse/kondo/nodai_kondo2015_note.pdf pdf1.2MB

        美しい村を競わせるな

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           何年か前、ヘイケボタルの放流の噂を聞いて、やめさせようとしたことがある。同志数名で中心人物に直談判し、聞き入れられなかったのだが飼育と放流行事を予定していた学校が取りやめたため、その年の放流は見送られた。しかし結局、ホタルは翌年に学校から放流された。そこはかつてヘイケボタルが見られた場所。現在は確認されていないというが、自然に復活する可能性がある場所だった。

           まず児童に飼育放流させる予定の小学校に話をした。こちらが問題にしたのは2つ。ひとつは他所の個体群が入り込むことの遺伝子汚染。もうひとつは誤った認識のまま子どもに飼育放流させるのは教育上問題で、当事者となった子どもたちが将来後悔するであろうこと。当の校長は、ホタルの放流が遺伝子汚染を引き起こすことも移入種だということも認識がなく、いいことをしているとばかり思っていた。なにしろ放流するのがゲンジボタルかヘイケボタルかさえも知らなかった。子どもと教員の理科離れが話題となっていた頃なので、学校教員の見識に愕然としたものだ。当時のメールに「理科教育の現実を見てしまったようでとても将来が不安です。とにかく当事者になりたくないようで、訪問はいやがられました」などと書いている。そして「地域全体で盛り上がっているようで、もう後戻りできない」ような口ぶりだった。しかしながら、こちらの懸念は理解してくれ、放流は取りやめるという決断をなされた。後戻りしてくれたのだ。

           ついで、放流を予定している団体の責任者に連絡をしたら、会って話を聞いてくれるという。これは驚きだった。放す放さないで交渉相手となった人物は、とても立派な方だった。背筋は伸びて背も高く、おそらく仕事でも実績があるのだろう、日に焼けた堂々とした紳士だった。おそらく70代だろうか、経験に裏付けられた自信に満ちていて自分なんかとても敵わない。その人が言う、世間ではおなじヘイケボタルとなっているんだからいいだろう。この人は個体群や遺伝子汚染のこともわかっている。知った上での確信犯なのだ。そして語った次の言葉が忘れられない。人間は他の生き物を移動させたり生かしたりする権利がある、と。農家ならではの実感なのだろう。適した植物や優れた動物を他所から持ってきて改良していく。農業こそ外来生物で成り立っているのだ。外来種の否定は究極には農業の否定につながることを見抜いていた。

           疑問に思ったのは、なぜホタルの放流を思いつくに至ったかということだ。放流の主体は、資源保全協議会といって地域の美化運動を行っている団体。合併前の旧農協を単位に組織された地域団体だという。それを農林水産省は手放さない。「わが村は美しく」と題して景観を題材に競わせている。一線を退きはしたが、まだまだ元気な高齢者の勤労意欲を上手に使っているのだ。しかし、中身については自主性に任しているといって責任はとらない。ガイドラインもない。そうすればエスカレートするのが世の常で、あっちはトンボ、こっちはホタル、向こうの道には千本桜と定型化されたふるさと景観が次々に誕生していくことだろう。

           北海道の農村景観は補助金事業でキャラ付けされたものだ。農地の形状や建物はそれでもよい。その傍らの生きてきた野生生物を未来永劫巻き添えにするのだけはやめてほしい。


          網走の近代捕鯨100年史

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             2015年10月15日、「網走の近代捕鯨100年史–捕鯨の町で科学する–」と題して網走市民大学で話をした。結果は散々、つまらない話をしてしまい、とても反省している。捕鯨の歴史は参加者から長く要望されていた内容と聞いていたので、気合いを入れて準備をして挑んだ。が、この「挑む」という構えがまず間違いだった。網走の捕鯨史については、すでに郷土史家が聞き書きを単行本で刊行してるほか、いくつかの書籍で取り上げられており、地元新聞のコラムでもたびたび登場してきた。高齢者はそれらを何度も目にしてきている。

             それに、ちょうど1か月語の11月15日には捕鯨サミットが開催され、聞き書きの著者も登壇する。その著者にではなく、自分が指名されたのだから、別の切り口が求められているのではないか。ありきたりの話をしたら「そんなことは知っている。すでに本に書いてある。もっと別のことを聞きたかった」と言われるのではないか。そんな思いから、だれも知らない資料や写真を集め、ウェブページを見まくって、知り合いからもデータを提供してもらい、どうだこんなの初めて見ただろうというスライドをセットした。でも、これが大きな勘違いだった。求められていたのは、オーソドックスな歴史の話だったのだ。IWCの鯨の定義や国際裁判所の指摘事項、主要国の脱捕鯨への転換点など触れなくてもよかった。高齢者はすでに知っている話を聞きたがる。待ってました、ここで一番決めぜりふ、てな話がよかったのだ。こんなことは十分承知のはずだったのに。

             タイトルからすれば話の内容は歴史が中心に見える。しかし、実際の話は「捕鯨を巡る状勢変化と現状を知り、網走の捕鯨産業の将来展望を描いてみる」といった内容で、歴史の話は比重としては軽かった。看板に偽りがあったのは確かだった。自分の話は、導入にシーシェパード主演のディスカバリーチャンネル「鯨戦争」を持ってきて、こんな過激な集団が賑わしているが、我々捕鯨の地元住民が知るべきことはあれとこれでとあっちこっちに話が飛んで、昔の写真が出たと思ったら鮎川や紀伊大島でがっかりして、最後の網走が捕鯨基地として再出発するにはなんてまったくの独り善がり、参加者はそんなことには興味がなかった。

             今回話すべきだったのは網走に限った近代捕鯨の歩み。その構成は、タンネシラリに捕鯨会社がやってきた、世界一の東洋捕鯨、5年で終わった大正の捕鯨、市街地に移転し昭和の再操業、捕獲鯨種と捕獲数の変遷、小型捕鯨業の始まり、写真と映像に見るミンククジラ漁、商業捕鯨モラトリアムの影響、ツチクジラ漁で再出発、復活した網走船籍の捕鯨船といったところ。写真は絵はがきなどよく知られたもので十分で、その説明を聞きながらスクリーンでじっくり見ることが必要だったのだ。事業場とその跡地はグーグルアースと事業場の設計図を重ねるのではなく、跡地の現状はこれですよと道路端から見た風景、そして博物館に残る捕鯨資料といったところだろう。そんなの行けば見られるじゃないか、と思ってしまうが、車がなく歩くのにも不自由する年代になれば、そうそう行けるものではない。常設展示室に何十年も置かれた資料だって、見たことがなければ初めて見るめずらしいものになるのだから。

             それから配付資料の説明が不十分だったのも悪かった。だいたい資料の案内をしたのが話の後半になってからで、重要点を示すことさえしなかった。だって読めば分かるだろうそんなもの。そういう風に作ってある。スライドに投影された文字を読み上げることも少なかった。読まなくても見たらわかるでしょう。75分の話に100枚を越えるスライドを詰め込んだのだから、時間は有効に使わなくてはならない。そんな風に思っていたのだろう。

             あまりに思いやりに欠けた講演だった。もっとじっくりとスライドを見つめ、興味や関心がわき出すまで待つ時間が必要だった。ゆっくりゆったり思い出と過ごせるように。


            WAZAJAZA問題のネット情報まとめ1

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              WAZAJAZA問題ネット情報の時系列的まとめ 東京農業大学学術情報課程オホーツクキャンパス・宇仁義和

               日本動物園水族館協会(日動水 or 動水協 or JAZA)が世界動物園水族館協会(WZAZ)から会員資格を停止され、1月後には除名の危機にあることに関する、ネット情報の時系列的まとめ。ニュースサイトの記事はしばらくすると削除される。新聞社サイトではログインが必要な場合がありますが、登録は無料です。
               キーワードは、イルカ漁、追い込み漁、イルカの飼育、倫理、合法的、文化。

              4月21日 WAZAがJAZAの会員資格の停止と除名について全会一致での議決
                22日 WAZAがプレスリリースをネット公開
                23日 ポール・ワトソン Paul Watson が Facebook で賞賛
                25日 エルザ自然保護の会がプレスリリースをネット公開、同時にWAZAのプレスリリースを翻訳掲載
                30日 the Sun daily がJAZA役員のコメントを掲載
              5月 9日 国内メディアが一斉に報道を開始
                10日 NHKが全国ニュースで放送
                14日 いまのところJAZAのウェブページにはこの件に関するコメントや情報の掲載はなし

              WAZAのプレスリリース 2015/04/22
              WAZA Council votes to suspend Japanese Association of Zoos and Aquariums (JAZA)
              http://www.waza.org/en/site/pressnews-events/press-releases/waza-council-votes-to-suspend-japanese-association-of-zoos-and-aquariums-jaza

              ポールワトソンのフェイスブック 4月23日 0:39
              Paul Watson Wonderful News from WAZA
              https://www.facebook.com/paul.watson.1426

              クジライルカ保全協会 WDC 24 APRIL 2015 6:11PM
              WAZA’S REBUKE: JAZA PENALIZED FOR CONTINUING ASSOCIATION WITH DOLPHIN DRIVE HUNTS IN JAPAN
              http://us.whales.org/blog/2015/04/wazas-rebuke-jaza-penalized-for-continuing-association-with-dolphin-drive-hunts-in

              エルザ自然保護の会のプレスリリース 2015年4月25日
              日本のイルカ猟問題が、ついに動物園・水族館全体へ波及WAZA(世界動物園水族館協会)がJAZA(日本動物園水族館協会)の会員資格停止を決定!、世界動物園水族館協会(WAZA)による公表内容の日本語訳
              http://elsaenc.net/aquarium/release20150425/

              FOX Business April 30, 2015
              Japan’s Dolphin Hunt Poses Threat to Olympics
              http://www.foxbusiness.com/industries/2015/04/30/japans-gruesome-dolphin-hunt-poses-threat-to-2020-olympics/

              the Sun daily Posted on 30 April 2015 - 05:34pm Last updated on 30 April 2015 - 09:28pm
              Japan zoo group puzzled over dolphin hunt exclusion
              http://www.thesundaily.my/news/1404372


              YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2015.5.9 07時38分
              水族館のイルカ入手法「NO」…世界協会が警告
              http://www.yomiuri.co.jp/national/20150509-OYT1T50009.html

              NHKニュース 2015.5.9 17時41分
              動物園・水族館 イルカ巡り会員資格停止【動画】
              http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150509/k10010074141000.html

              産経ニュース 2015.5.9 19時12分
              「感情的な決定」イルカ漁の地元反発 日本の世界動物園水族館協会資格停止で
              http://www.sankei.com/life/news/150509/lif1505090023-n1.html

              TBS Newsi 2015.5.10 6時56分
              イルカ漁を問題視、日本動物園水族館協会の資格停止【動画】
              http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2488571.html

              東京新聞 2015.5.10 朝刊
              イルカ追い込み漁は「倫理違反」 日本の会員資格停止
              http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015051002000109.html

              日本経済新聞 2015/5/11 13:34
              イルカ入手、今月中に結論 日本動物園水族館協会
              http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H1U_R10C15A5000000/

              朝日新聞 2015年5月13日 05時14分
              捕まえた野生イルカの購入ダメ 除名予告で揺れる水族館
              http://www.asahi.com/articles/ASH5C4VWTH5CUTIL013.html

              産経WEST 2015.5.13 11:40
              水族館イルカ問題「世界中からのいじめみたい」和歌山知事が不快感
              http://www.sankei.com/west/news/150513/wst1505130045-n1.html

              【参考】
              WAZA
              ・水族館戦略「ターニング・ザ・タイド 保全と持続性のための世界水族館戦略」(日本語) 2009年
              http://www.waza.org/files/webcontent/1.public_site/5.conservation/conservation_strategies/turning_the_tide/AquariumStrategyJapanese.pdf
              pdf 2.1MB
              ・倫理と動物福祉の規定「Code of Ethics and Animal Welfare」
              http://www.waza.org/en/site/conservation/code-of-ethics-and-animal-welfare
              ・イルカ追い込み漁への見解「Taiji Dolphin Drive Hunt」
              http://www.waza.org/files/webcontent/1.public_site/5.conservation/code_of_ethics_and_animal_welfare/QandAs%20Taiji%20Drive%20Hunt.pdf
              pdf 118 KB
              JAZAトップページ http://www.jaza.jp
              エルザ自然保護の会 WAZAへの働きかけ http://elsaenc.net/aquarium/

              博物館概論、生涯学習概論、博物館情報メディア論 レポート課題への参考に

              理系のための博物館学

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                 学芸員養成課程では1年生に向けて「博物館概論」を開講している。農学系の大学で学部には水産学海洋学系の学科もあるので、受講学生の大半は動物園や水族館を志望している。そこで講義では「理系のための博物館概論」という独自教科書をpdfで提供、学生は自分で印刷するなり、PCで使うなりしてもらっている。
                 できストの全体構成は下のとおり。コメントくれる人がいれば、いいんだけど。

                第1講 博物館のひろがり
                第2講 博物館の歴史
                第3講 日本の博物館と博覧会
                第4講 博物館法
                第5講 学芸員と専門職員
                第6講 学芸員の世界
                第7講 博物館の建築と展示室の構造
                第8講 博物館は誰がつくるのか
                第9講 学名とタイプ標本
                第10講 水族館学と動物園学
                第11講 自然史博物館・動物園水族館の調査研究
                第12講 文化財保護法と生物多様性の保全、世界遺産
                第13講 見学:博物館網走監獄
                第14講 見学:網走市立郷土博物館モヨロ貝塚館
                第15講 見学:博物館網走監獄