ネットで読めるICOM大会の参加報告

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    JUGEMテーマ:博物館

     ICOM京都大会に参加するかどうか。迷いますね。4月30日で早割が終わってしまうので、決断第一関門まであと2週間です。それならば過去の大会の参加報告を読んでみようと検索してみました。結果は驚くほどにネット情報が少ないのです。幸いなことにイコム日本委員会のサイトでは公式報告書を公開しています。これ以外で参考になりそうな記事をリンクしてみました。報告を見つけられたのはミラノ、リオ、上海の3大会で、ウィーンとソウルは見つけられませんでした。

     ところで公式サイトが残っていたのはミラノとソウル大会だけでした。ここは残っいて日本語ページもありました。アーカイブサイトらしきスペイン語のページがあるので載せておきます。検索ではイコムのページとして ICOM 2007 General Conference - ICOM Website Archives というのが当たるのですが既に削除されてしまったようです。国際委員会のページのなかには残っているものがあります。

     ウェブページの削除は本当に愚行だと思います。博物館の親玉がこれではいただけません。ウェブサイトは速報性に加えて、蓄積も重要な機能なのだから。

     

    2016年ミラノ大会

    ICOM日本委員会の報告書

    リンクページ

    https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

    直リンク  2.5 MB

    https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf

    ICOM MILANO 2016大会レポート〜その1 [その2と7あり]

    https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-12177550194.html

    民音音楽博物館 ICOM(国際博物館会議)ミラノ大会に出席しました

    http://museum.min-on.or.jp/information/detail_677.html

    公式ページ

    http://network.icom.museum/icom-milan-2016/

     

    2013年リオデジャネイロ大会

    京都外国語大学博物館調査研究レポート「第23回ICOMリオデジャネイロ⼤大会に参加して」

    https://www.kufs.ac.jp/umc/pdf/icom2013.pdf

    ICOMレポート 第23回ICOM大会(ICOM Rio 2013)参加報告

    https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/MS48-10_secretariat

    ハムと薪と、それから保存 ICOMリオ大会に出展した日本ブース [他にも記事があります]

    http://kambanobuyuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/icom-ccbc.html

    スペイン語のアーカイブページ見つかりません

     

    2010年上海大会

    博物館の国際動向に関する考察−ICOM第22回上海大会の議論を中心として−

    https://irdb.nii.ac.jp/00828/0000991605

    直リンク 1.5 MB

    http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/18578/20110721153129/D500008000011.pdf

    ミュージアムの小径[会議]ICOM上海大会2日目・3日目 [前後にも関連記事があります]

    http://d.hatena.ne.jp/takibata/20101110/p1

    冒けん!発けん!【世界の博物館教育】 中国・上海市「第22回国際博物館学会(ICOM)」に参加して

    https://www.kobegakuin.ac.jp/gakuho-net/topics/2010/vol55.html

    神戸学院大学Topics 国際博物館会議(ICOM)上海大会<報告>

    https://ksaotome.exblog.jp/15654694/

    スペイン語アーカイブページ

    https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

     

    2007年ウィーン大会

    スペイン語アーカイブページ

    https://www.icom-ce.org/tag/icom-shanghai/

     

    2004年ソウル大会

    公式サイト

    http://icomkorea.org/icom2004/index.htm

    日本語ページ

    ICOM 2004ソウル大会参加へのご招待

    http://icomkorea.org/icom2004/japanese/welcome.htm


    ICOM京都大会に参加するには

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      JUGEMテーマ:博物館

      1.ICOMとは

       ICOM京都大会まで半年となりました。この時点になっても、ICOMってなに?どうやって参加するの? という素朴な疑問があるように思います。当方、ICOMの個人会員ですが京都大会には何も関わっておらず、罪滅ぼしにICOMと大会の参加について書いておこうと思います。

       まずICOMとは何か。ICOMは International Committee of Museum の略称で日本では国際博物館会議と訳しています。本部はパリにあり、公用語は英語、フランス語、スペイン語の3か国語です。ICOMの英語はちょっと違和感があったりするので、実際の文書作成言語はフランス語ではないかと思っています。ICOMはUNESCO(ユネスコ:国連教育科学文化機関)との協力関係がありますが国際機関ではなく、NGOです。国際機関であれば政府が直接分担金を支払い、事務局も省庁内に置かれますが、ICOMはNGOなので国内の事務局は公益財団法人日本博物館協会が持っています。

       さて、ICOMの読み方です。長らく日本ではラテン語式に「イコム」と呼んできました。出版物でも「イコム」と表記されています。ところが、京都大会の準備が始まるとにわかに「アイコム」と読む人が出現し、瞬く間に広がっていきました。そしてついに、京都大会では英語の使用場面の多さから「アイコム」と統一することにしたそうです。

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/FAQ.html

       

      2.ICOMの委員会と会員資格

       加盟する国ごとに組織された国内委員会 National Committee と専門分野に分かれた国際委員会 International Committee で構成されています。日本博物館協会が事務を担当しているのはICOM日本委員会ということになります。国際委員会は30あり、それぞれに年次総会を開催しています。重要なのは国際委員会で、ICOMのなかみはつまりは国際委員会の活動といえます。委員会といっても加入に特別な資格はなく、ICOMの会員であればひとつでも複数でも入ることができます。委員会の種類は京都大会のページでも紹介されています。

      発表募集のページ

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/calls-for-papers.html

       ページを見ればわかるとおり、国際委員会の多くはコレクションに関するものです。あるいは人材育成やマネジメントといった運営面での委員会もあります。ICOMの大きな役割は国際基準を作る=文章化することですから、国が異なっても共通の話題が可能、各国が目指すべき/最低限守るべき基準という議題に適合的です。私は辺地に居て町立博物館の勤務経験があることから地方博物館国際委員会 ICR (International Committee for Regional Museums) に入っているのですが、これはどうにもうまくない。地方博物館の目的や課題はそれぞれですので共通の基準を議論するなどできない。事例を報告しあっても「すごいですね」「たいへんですね」といった感想以上のものがでてこないように思っています。国内にはICRで頑張っている学芸員がいるので、別の面で京都大会を手伝おうとしているわけです。

       話がそれました。ICOMで疑問なのは加盟資格です。博物館での加盟は団体会員の区分となります。が、この金額が高額らしく、昨今の緊縮財政で加盟を辞める館園が出てきていると聞いています。個人会員はそれより安いので、博物館の職員個人の加盟が現実的かも知れません。問題はこの個人会員の資格で、博物館の職員や退職者、関連する行政部局や大学の教員、現役の学生などは会員になれるのですが、学生や大学院で博物館について学んだり研究したけれども博物館や関連する職に就けなかった人には加盟資格がないのです。もしかしたら運用が変わっているかも知れませんので、知っている方がいれば教えてください。

       

      3.ICOM京都大会の参加と発表

       今年9月に京都で開催されるのはICOM京都「大会」です。国際委員会や国内委員会のすべてが一堂に会するのが「大会」で3年に1度開かれます。さて、どうやって参加するのか。参加そのものはお金を払って申込すればよいのですが、ICOMや大会の仕組みがよくわからないですね。プログラムを見てみましょう。日付毎に別ページで面倒ですが、参加条件について「ICOM会員のみ」「ICOM各委員長等のみ」という記号が見えます。これらの記号がないイベントは誰でも参加できるはずです。

      プログラム日程表

      http://icom-kyoto-2019.org/jp/schedule.html

       一方、発表はどうすればできるのか。ICOMは国際委員会の集まりなので、委員会ベースのセッションは委員会が発表を募集します。委員会が主催する大会のテーマや募集日程は上に書いた「発表募集」のページで委員会名をクリックすると現れます。すでに大方の募集は締め切られているようです。発表申込の締切日を2−3月が多く、なかには3月末というのもけっこうあります。国内的には4月上旬まで待ってもらえれば科研費など予算の裏付けが得られるので、配慮が欲しかったところです。

       実際には発表までするよりも参加だけの人が多いと思います。参加費が高額で早割が今月までということで、部内決裁もあるのでそろそろ参加するかどうか決める期日がせまっています。ところが、いまだプログラムが明確ではありません。4月14日現在、おもしろそうなオフサイトミーティングのページは「作成中」、ソーシャルイベントも中身が不明です。なにしろプログラム日程表の公開が4月5日なので、基調講演や全体会合のプレナリー・セッションがようやく決まったという感じなのでしょう。とにかく準備スタッフが不足しているのだと想像します。

       

      4.ICOMのなかの日本と地域組織

       ところでICOMの大会、前回は2016年のミラノ、その前は2013年のリオデジャネイロ、アジアでは2004年のソウル大会が最初の開催で次が2010年の上海でした。日本は3番目。日本委員会が前回のミラノ大会の報告書で公開しています。

      事務局からのお知らせ 「ICOMミラノ大会2016の報告を公開いたしました」

      https://www.j-muse.or.jp/icom/ja/office.php

      直リンク https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/ICOMMILANOHOUKOKU.pdf  2.5 MB

       また、ICOMには8つの地域組織 Regional Alliance があり、日本はアジア太平洋地域連盟 ICOM-ASPAC (Asia-Pacific Alliance)[アスパック] に加盟しています。こちらも日本が初めてホストとなったのが2009年になってからでした。ちなみにこれも数年前までは「アジア太平洋委員会」との訳も散見されます。固定した事務局はなく、委員長の所属館が事務をおこなうそうです。現在の委員長館は大韓民国国立中央博物館。このとおりアジアの博物館界において日本は完全に出遅れています。当局(の担当者?)にも危機感があったようで、下の報告書の「はしがき」にはあせりが正直に記してあります。ASPAC については日本博物館協会の報告書に詳しく、とくに「参考資料1/2」が初心者向けの内容です。

      平成21年度 アジア・太平洋地域の博物館連携にかかる総合調査報告書

      http://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/hokoku/h20/1409472.html

      *報告書のなかは20年度となっています。

       アジアで最初にICOMの大会を誘致した韓国では、大会の前後で博物館施策が大きく変化した、よい方向に向かったといいます。これも卵と鶏の問題で、もともと博物館に熱心だったから大会を誘致できたのかも知れません。日本も京都大会を契機に不景気な顔から脱却したいものです。

       

      5.衛星会議「サテライト・ミーティング」を

       ICOM京都大会は世界から博物館人が集まる初めての機会です。せっかくなので、大会に参加して交流するなり情報交換していきましょう。でも参加費が高い、発表の機会が欲しいという場合、サテライト・ミーティングを企画するのはいかがでしょう。古いたとえですが、1992年のリオデジャネイロ地球環境サミットでは、招待されなかったNGOが自主的に会合を開き、それが大きく報道されました。京都は狭い町ですので、会場と違う場所といっても移動にそれほど時間がかかりません。大学やお寺、場合によっては高校などで海外向けでも国内向けでもよし、展示や集まりや会議をこれから考えていきたいと思います。

       ネット上では、すでに AMeeT Art Meets Technology というウェブサイトが「勝手に応援団」というページを作っています。

      京都に「ICOM」がやってくる! 第1回:ICOMって何?

      https://www.ameet.jp/feature/1466/

      京都に「ICOM」がやってくる! 第2回:ICOM京都大会って何するの?

      https://www.ameet.jp/feature/2144/

      京都に「ICOM」がやってくる! 第3回:ICOMスアイ・アクソイ会長に聞く

      https://www.ameet.jp/feature/2398/

       ほかにも大阪市立自然史博物館の学芸員が情報発信源になっています。

      ICOM NATHIST講演のお誘い

      http://blog.livedoor.jp/sakumad2003/

      ICOM京都大会2019開催まであと1年文化の拠点としての科学系博物館の取り組み 全科協_vol48_no5

      直リンク http://jcsm.jp/wp-content/uploads/2018/09/vol48_no5.pdf  3.6 MB

       

       


      ICOM総会は学芸員のオリンピックか

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        JUGEMテーマ:博物館

         ちょうど2年後の2019年9月、日本で初めての開催となるイコム大会が京都で開かれます。3年に一度の大会 general conference は、アジアでは日本より先に韓国のソウル(2004)と中国の上海(2010)で開催され、韓国ではそれを期に博物館が大きく変わったといい、中国では現在も国威発揚に大型館の建設が続いています。合理化と無理解によって冬の時代が長く続く日本でも、イコム京都大会を契機に博物館の地位向上を図ろうというのもうなづけます。ですので、文化庁や日本博物館協会、関連学界などは、かなりの人員と労力を捧げているのは当然のことでしょう。ごくろうさまです。ところが、主役となるはずの博物館や学芸員は、さほど興味があるように思えません。とりわけ、自然史や地方博物権の学芸員にとっては、なんやそれ、勝手にやってくれ、俺らには関係あらへんという雰囲気があるように思えます。

         

         イコムはすべての博物館施設をまとめる唯一の国際機関でありながら、現場の学芸員からすれば存在感もありがたみも感じない、出たいとも思わない、身近でもない、あってもなくてもよいような組織です。多くの学芸員は研究者を自負してるので、帰属意識も晴れの舞台も所属学会にあります。オリンピックに相当するのは国際学会です。ならばイコムは何か。館長や運営の立場にある人たちの交流の場でしょう。研究学芸員からすれば、優先順位は下がるのも当然です。では、運営も担う地方博物館の学芸員はどうか。トリクルダウンなぞ信じていないでしょう。京都で盛り上がったとしても、自分たちの状態なぞこれっぽちも変わらない、そもそも京都まで行く旅費も出ない、もし予算があるならば、それは研究や資料整理に使いたい、そんな感じではないでしょうか。国際交流に意味があり単純に楽しいという話もあるようですが、研究者はそれぞれの分野で実践しているのです。

         

         イコム京都大会が成功するには、現場の学芸員が開催意義に納得し、その後の博物館の処遇が良くなる道筋が見えることが必要です。それには、学芸員が積極的に策略を練り、中枢に向け発射することが必要と考えます。あと2年、せっかくの機会をうまく使っていきましょう。