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仕事の年報2010年度版

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    JUGEMテーマ:博物館

     

    2名が新たに博物館の世界で活躍する。今年度の卒業生1名が水族館で、既卒者1名が地方博物館で働くことになった。新規採用となった学生は、釣りガイドの経験を持ち、いろいろな形で生きものとふれあう楽しみを手助けしてきた。多面的な楽しみを提供する水族館のこころみに最適な人物だったのだろう。もうひとりはすでに2008年から臨時職員として勤めだし、本課程で資格取得後、学芸員として正職員に採用された。オホーツクキャンパスの学術情報課程にとって、たいへんによろこばしいできごとであった。


    多様な職員が現在の博物館では求められている。かつての博物館の職員は、近代博物館の誕生からの伝統である研究学芸員と事務職員という組み合わせであった。現在の欧米では、博物館で働く専門職員の種類は数十以上があり、その価値が広く認められている。一方、日本の場合、国家資格は学芸員だけで、職制としての研究員が加わる程度である。資料の保管や展示、教育や広報の担当者はそれらしい名称や目新しいカタカナ職名を名乗っているが、根拠希薄な泡沫稼業、いわゆる高学歴ワーキングプアと呼ばれる仲間である。


    社会的にはこれらの職種は認知されつつある。日本を代表する大型館や博物館に関係の深い大学が独自資格を発給することも始まっている。これらが市民権を得るかどうかは、国家ではなく社会が認めることがらである。これからは、国家や省庁の資格制度に依存するのではなく、時代に応じた配役を博物館や関係者が育てていくことになるだろう。だが、新たな舞台ができるまで、まだまだ時間を必要とする。現在の若者は、時代と時代の狭間に巣立っていくのである。では、どうすればよいのか。


    自主独立の気概を持つ。学位や資格を掲げ、技術や能力を誇っていても、そこには踊る舞台がない。高級店で値札を付けて並べていても買い手は来ない。みずから図面を引き、舞台を建てるか、行商に歩いていくより道はない。水も漏らさぬ緻密さながら、じつは世の中すき間だらけである。世界を知り経験を積めば自然とそれが見えてくる。この国は一枚岩では決してない。上を向くもの横のくぼみ、動く場所や手掛かりはどこかにある。一様な閉塞感は空気が装う見せかけである。だからこそ、みずから道を切り開いていってほしい。そして必要とあればキャンパスはいつでも君を歓迎する。大学とは卒業生との関係を一生続けていく存在なのだから。

     


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