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仕事の年報2012年度版

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    JUGEMテーマ:博物館

     

    網走は博物館に恵まれた場所である。市内のまとまった地域に登録博物館が4館、網走市立郷土博物館・網走市立美術館・北海道立北方民族博物館・博物館網走監獄が存在する。これらは北海道では長い歴史を持つ本格的な私立博物館と公立美術館、博物館の名称を持つ唯一の道立施設、道内では最多の入場者を誇る野外博物館など重要な博物館ばかりである。いずれもキャンパスからバスで10分程度の場所にあり、すいた道路をバスで行けば1コマの授業90分間の間で駆け足ながら見学が可能である。オホーツクキャンパスは学内に博物館を持たないが、立地環境は学芸員養成において恵まれた条件にあると評価できる。


    周辺にも調査や展示の支援者にあふれる美幌博物館、普及活動と出版物が充実した知床博物館物館、数少ない本格的な丸瀬布昆虫生態館、世界的に活躍するデザイナー造形作家の作品を収めたシゲチャンランドなどが存在し、多様で個性豊かな博物館に囲まれている。2012年7月に改装開館した「おんねゆ温泉・山の水族館」は2か月で10万人の入館者を集め、注目度一番である。往復200kmを越えるが、十勝の足寄動物化石博物館やタンチョウを飼育する釧路市動物園は、その分野では世界にその名が届いている。土曜日に行った学生時代の見学だけでは、本当の価値は十分見つけられないかも知れない。


    水族館もかつて網走に存在した。2002年に閉館したオホーツク水族館である。返す返すもこのことだけは残念でならない。8月の理事会で決定、9月に閉館というあっという間のできごとだった。その後、2006年になって本学部にアクアバイオ学科と学術情報課程が設立された。この間4年。これをなんとか持ちこたえていれば、道が開けたかも知れないと思うとほんとうに悔やまれる。


    廃止削減は現在の博物館界を揺るがす流行事象となっている。このことは特定の地方公共団体に目立ち、「自治体リスク」とでもいうべき状況である。一度なくした博物館を再開することはきわめて困難であり、廃止は子ども世代への影響を鑑み慎重に判断すべきである。博物館の評価とは教育上の効果を最重視すべきであり、そのひとつとして大学での利用、学芸員養成における価値を訴えていくことも必要だろう。それには学芸員や養成課程への理解が前提となり、本課程の存在意義のひとつもそこにある。

     


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